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光をえがく人 の商品レビュー

4.1

18件のお客様レビュー

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2024/05/09

アートをテーマにした5篇からなる短編集。 どれも全然違ったテイストで楽しめたけど、中でも「人形師とひそかな祈り」が感動的で、物語ならではの不思議さもあり一番好きだった。 ハングルで書かれた落とし物のアドレス帳を頼りに、本当に韓国に旅行してしまう「ハングルを追って」も面白かった。

Posted byブクログ

2023/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ハングルを追って」 ハングルが書き込まれたアドレス帳を拾った美大事務職の江里子は、油画科の親友に相談し、ソフィ・カルにちなんで韓国へ行ってアドレス帳の持ち主を探すことに……。 「人形師とひそかな祈り」 伝統の御所人形を作り続ける正風は子どもにも弟子にも恵まれず、そろそろ工房を畳もうと考えていた。 そんな折、フィリピンからの留学生を紹介され心を開いていく……。 「香港山水」 現代水墨画家の成龍は、コレクターたちのパーティに駆り出される。 そこで地元実業家の夫人・美齢と出会い、デモ隊と警察が衝突する混乱のさなかに二人は再会し……。 「写真家」 有名な写真家だった父が、記憶をなくして海外から帰国。 娘は世話をしながら、母から写真家としての父の話を聞き、生涯を辿ることになる。 知らなかった真実がそこに……。 「光をえがく人」 ミャンマー料理店の店主に、自国の政治犯についての話を聞くことになった。 学生のころ反政府運動に加わって投獄され、劣悪な監獄生活のなかでの奇妙な体験とは……。 (アマゾンより引用)

Posted byブクログ

2023/05/25

アートが軸にありつつ国籍、民族、文化における様々な問題が絡みあってて面白かった、目を背けちゃダメだ。多様化って難しいよね。

Posted byブクログ

2022/02/28

芸術で物語を描く、全5篇からなる短篇集。 ① ハングルを追って ② 人形師とひそやかな祈り ③ 香港山水 ④ 写真家 ⑤ 光をえがく人 どの話も海外が、関係している。 そして、全てのアートも簡単ではなくて、いくつもの苦難があって、みのりがあると感じた。 生きてきた時代の歴史...

芸術で物語を描く、全5篇からなる短篇集。 ① ハングルを追って ② 人形師とひそやかな祈り ③ 香港山水 ④ 写真家 ⑤ 光をえがく人 どの話も海外が、関係している。 そして、全てのアートも簡単ではなくて、いくつもの苦難があって、みのりがあると感じた。 生きてきた時代の歴史を知り、自分らしく日常を見つめるためにある。 誰かの心を動かすもの。 人形師は、自分が腹を空かせていても、人の喜びで空腹を満たすもの。 水墨画では、描かれたものを見るのではなく、描かれたものを通して、自分の心を見ることが大事。 写真は、たくさん撮らなきゃ、なにも見えてこない。 一枚撮っただけでは、それはただの音。 いくつも撮るから、リズムになる。 リズムがやがて、メロディになって、その人の哲学や生き方をあらわす。 長い目で見ればいい方向に向かっていると信じたい。 どれもが心の奥底にある何かを揺さぶり、大切なものとは何かを気づかせてくれた。

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2022/02/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

芸術、そして海外諸国それぞれにまつわる短編集。絵画や造形物、写真を通じて、海外の諸問題を通じて、展開される物語。特に「ハングルを追って」では偶然拾ったJのアドレス帳の住所を訪ねて韓国へ飛ぶ。Jが不在なまま、Jを探す旅にでる。それは主人公の友人のルーツを探す旅でもあったのだ。アドレス帳を頼りに、知らない人の人生を垣間見る、それが探偵のようでもあり、諸外国の問題をも垣間見た。全編を通じて、ゆったりとして、かと思えばどっしりとした、そしてどこかつかみきれないあやうさのようなものを感じた。

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2021/11/07

良かった! 全部良かった!! 最初のがずっと続いてもいいと思った 山水も写真も・・・ 表題になったやつも ホントによかった

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2021/09/02

どの短編も読後に爽やかな風が吹き抜けるような、心が洗われるお話ばかり。 アートを題材にした小説だが、原田マハさんが書くものとは少しアプローチが違って、それもまたいい。

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2021/08/28

ショートショート作品。 アーティストのピエタ的な物語構成。 作家さんの美術遍歴で見えてきたレリーフを描きあげたスケッチとも思う

Posted byブクログ

2021/08/24

現在と過去を 光の糸で紡いで作ったような作品が5編。 日本を背景にして描かれるのは、いずれも近くの国々です。 韓国、フィリピン、少しモンゴル、そしてミャンマー。 紡ぐ糸は、油画、御所人形、写真、そして布に描かれた一枚の絵。 作品が人々を繋げ、明かりを見いだすところに救いを感じま...

現在と過去を 光の糸で紡いで作ったような作品が5編。 日本を背景にして描かれるのは、いずれも近くの国々です。 韓国、フィリピン、少しモンゴル、そしてミャンマー。 紡ぐ糸は、油画、御所人形、写真、そして布に描かれた一枚の絵。 作品が人々を繋げ、明かりを見いだすところに救いを感じます。                                                                                   ただ、香港の墨絵の話に日本は登場しませんでした。 それは作者の経歴と深い関係があるようです。 芸術大学で美術史を学ばれた後、香港の大学に留学されています。 あの民主化運動「雨傘運動」の直後の留学だったようで、 『香港山水』の作品には不透明感が漂います。                                                                                                  アジアの芸術を題材にしたというところに、新しさと 不安定で危ういものを感じましたが、意欲的な作品だと思います。 近隣諸国の安定のため、芸術が力になる ことを祈ります。   

Posted byブクログ

2021/08/24

一色さゆり著『光をえがく人』#読了 アジアと美術が絡んだの5つの短編集。 拾った住所録記載の韓国住所を訪ねる在日三世の若手画家。子供の命を救う人形を作る人形師とフィリピン人研修生。民主化運動に揺れる香港の水墨画家。モンゴルで記憶喪失の日本人写真家とその家族… どれも素晴らしか...

一色さゆり著『光をえがく人』#読了 アジアと美術が絡んだの5つの短編集。 拾った住所録記載の韓国住所を訪ねる在日三世の若手画家。子供の命を救う人形を作る人形師とフィリピン人研修生。民主化運動に揺れる香港の水墨画家。モンゴルで記憶喪失の日本人写真家とその家族… どれも素晴らしかった

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