あんのまごころ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
カレー粉の謎、お小夜の作れる料理の考案、おちよのお腹の子問題など、複数の持越し案件を絡めながら進むシリーズ。 なので感想が書きにくいと言えば書きにくいのだけど、料理を通してあんの世界が広がって行くのが読んでいて好ましい。 切っている時にまな板から転がり落ちた茄子を「捨ててしまいなさい」というお小夜と、どうしても捨てることのできないおやす。 結局拾って袂に隠し、あとで塩もみしておむすびと共に食べるのだけど、それは料理人として食材をおろそかにできないという以外に、幼い頃、道に落ちている食べものを拾うしか食べ物を得る手段のなかったおやすの生い立ちも影響している。 どちらがいいとか悪いとか、単純には言えないということをおやすは知っている。 ”やすはそっと、拾った茄子を袂に入れた。人と人との間には、簡単には越えられないものがある。それは誰にでもあるもので、それがあるからといってその人とわかり合うことができないわけではない。お小夜さまにはお小夜さまのそれがあり、きっとお小夜さまだって、わたしの言葉に越えられないものをお感じになることはあるはずだ。大切なことは、いつかそれを越えられるように、と願い続けることだと思った。” 日本人同士にだって異文化コミュニケーションは必要なわけで、だったらなおさら、海外のどこの国にも互いに違和があって、でもわかりあおうとする、わかりあおうと思い続けることが必要なのだと思います。 おちよの件については、たぶん誰も傷つかない、一番いい解決方法だと思うけど、それでいいのだろうかという思いが残る。 結婚するつもりはみじんもないのに、江戸にいる間に恋愛ごっこに溺れて子どもができて、育てるつもりもないけれど中絶はもっといや。 正直すぎるおちよの気持。 なら、子どもを育ててもいいな、と思ってしまうような人を周囲に配置しての毅然とした処置、なんだろうけれど。 おちよがどこまで覚悟を決めたのかが不明。 そして、大地震や押し込み強盗未遂に続いて、今度は大嵐。 どこまで試練が続くのか、と思うけれど、実際江戸末期は天災が多い時期でもあったのだからしょうがない。 それでも庶民はしたたかにたくましく生き延びることを願って、次の巻を予約しよう。
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あんは少しずつ成長していく 料理を通して 今回は品川を嵐が襲うがその中でも逞しく生きていくという安 自分の生き方を胸に抱いてこれから先も楽しみだ
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お勝手のあんシリーズ第4弾。 あらすじ覚え書き ・大きな薬問屋に嫁いだお小夜も料理を教える。夫は年上で、健康に気遣う年齢なので工夫を重ねるために、鉄鍋(フライパン・バーベキューみたいなの)にたどりつく。 ・同じ女中仲間。ちよ。彼女は田舎の旅籠から預かって修行の身だが、ばくち打...
お勝手のあんシリーズ第4弾。 あらすじ覚え書き ・大きな薬問屋に嫁いだお小夜も料理を教える。夫は年上で、健康に気遣う年齢なので工夫を重ねるために、鉄鍋(フライパン・バーベキューみたいなの)にたどりつく。 ・同じ女中仲間。ちよ。彼女は田舎の旅籠から預かって修行の身だが、ばくち打ちの子どもを妊娠する。一度はあきらめることを考えたが、産んで里子に出すことに。しばらく尼寺へ行く。 その博打内は、殺されて埋められているのがわかる。犯人は不明。 ・台風?が来るかも知れないことを、名船頭から教えてもらい、早めに避難した紅屋。そのため、人の被害は出なかったものの、品川全体が水に浸かり、火事も起きている。しかし、みんな前を向いていこうとする。 なかなか世の中は思うようにいかないなー。その中でもおやすは一生懸命料理の道に進もうとしている。政さんや、平蔵さん、女中頭、番頭…みんなが優しくて厳しく見守ってくれる様子がなごむ。
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+++ 品川宿の宿屋「紅屋」では、おやすが見習いから、台所付きの女中として正式に雇われることとなり、わずかばかりだがお給金ももらえるようになった。 最近は煮物も教えてもらえるようになり、また「十草屋」に嫁いだ仲良しのお小夜さまが、みずから料理して旦那さまに食べてもらえる献立など、...
+++ 品川宿の宿屋「紅屋」では、おやすが見習いから、台所付きの女中として正式に雇われることとなり、わずかばかりだがお給金ももらえるようになった。 最近は煮物も教えてもらえるようになり、また「十草屋」に嫁いだ仲良しのお小夜さまが、みずから料理して旦那さまに食べてもらえる献立など、毎日料理のことを考えている。 そんななか、おしげさんからおちよの腹にやや子がいることを聞いていたおやすは、日に日に元気がなくなっていくおちよの本音に気づきはじめて──。 大好評「お勝手のあん」シリーズ、待望の第四弾! +++ 二作目・三作目を飛ばして四作目を読んだので、時折事情が呑み込めないこともあったが、おやすの成長と、新しい料理ができる過程は、充分に愉しめる。おやすの周りでは、さまざまな厄介事が起こるが、おやすの人柄や、紅屋の人たちとの気持ちの通い合いが、ひとつずつ解決してくれる。最後はどうなるかと思ったが、命だけは何とか無事だったので、紅屋の再建もきっと何とかなるだろう。一人前の女料理人になる道が、どんどん開けることを祈りたくなるシリーズである。
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お小夜様の旦那様のための献立づくり、おちよの妊娠、そして品川に起こる災害。 紅屋の大旦那、大女将、若旦那、番頭さん、政さん、おしげさん。 現代に置き換えてみて、なんて頼れる経営者、上司たち。 こんな恵まれた環境にいたら、お安は一生ここで働きたい、真心を尽くしたい、と思うのも頷ける...
お小夜様の旦那様のための献立づくり、おちよの妊娠、そして品川に起こる災害。 紅屋の大旦那、大女将、若旦那、番頭さん、政さん、おしげさん。 現代に置き換えてみて、なんて頼れる経営者、上司たち。 こんな恵まれた環境にいたら、お安は一生ここで働きたい、真心を尽くしたい、と思うのも頷ける。 勘ちゃんのことは心配だけど、政さんの言う通り、きっと大丈夫。 なによりこのシリーズには絶望的な災難は訪れないという安心感(今回は少しハラハラした)。 続きが待ち遠しい。
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シリーズ4巻。品川の旅籠紅屋で女中に昇格し懸命に女料理人になるための修行に励むあんそして、彼女を温かく見守り応援する周囲の人たちを描く。江戸の大店に嫁いだ小夜や身ごもった千代を思いやりながら懸命に腕を磨くあんだが、突如を台風が来来襲、品川も大きな被害を受ける。失意のあんにおしげさ...
シリーズ4巻。品川の旅籠紅屋で女中に昇格し懸命に女料理人になるための修行に励むあんそして、彼女を温かく見守り応援する周囲の人たちを描く。江戸の大店に嫁いだ小夜や身ごもった千代を思いやりながら懸命に腕を磨くあんだが、突如を台風が来来襲、品川も大きな被害を受ける。失意のあんにおしげさんの言葉が再び立ち上がる力を与える…
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品川宿の旅籠「紅屋(くれないや)」の台所で働く、おやすの物語、第4弾。 【ちよ】 前回、同じく紅屋で働く、奥付きの女中・ちよの妊娠が明るみに出て、えええーーーーーっ?! というところで終わった。 自分の境遇に不満だらけ、実家に帰ってつまらない男を婿にあてがわれて一生を終えるなん...
品川宿の旅籠「紅屋(くれないや)」の台所で働く、おやすの物語、第4弾。 【ちよ】 前回、同じく紅屋で働く、奥付きの女中・ちよの妊娠が明るみに出て、えええーーーーーっ?! というところで終わった。 自分の境遇に不満だらけ、実家に帰ってつまらない男を婿にあてがわれて一生を終えるなんてまっぴら。お金持ちのお妾になって、楽して暮らしたいなー などと言っていたちよは、ふらふら遊びに行って怪しい男に引っかかった。 今でいえば、親にムカついてプチ家出して渋谷に行ったら、ちょっとイケてるチャラ男とラブホ行っちゃった! で、デキちゃった。 てな感じである。 この時代、花街のそばには堕胎をしてくれるお医者様がいる。 同僚の奉公人や女中たちには内緒だが、ちよの事情を知ったおやすやおしげ、政一、番頭さんたちは今後どうするか、悩み、奔走する。 ・・・の割にはおちよ本人は極めて子供っぽい考えで、自分の気持ちだけが優先なのが気にかかる。 【小夜】 地震の時に医療の手伝いをして、医者になりたいと思い立った小夜。 嫁に行けという親に反発していたが、やすのアドバイスもあって、ためしに見合いをしてみたらとんとん拍子に進んだ。 今は日本橋の薬種問屋・十草屋の女将におさまっているが、退屈している。 小夜の父、百足屋の主人の頼みもあり、やすは、「小夜に料理を教える」を口実に、十草屋に行くことになる。 子を産まなくてはならないのにどこか覚悟が足りないちよ。 やりたい事がある、と結婚を勧める両親に反発していたのに、いざ嫁いだら子供っぽいお嬢様に逆戻りした小夜。 料理で彼女たちを助けつつ、ひたすら精進するやすだけれど、彼女も周りから縁談を勧められるお年頃になって・・・ この先は時代が変わる、ということを何人もが言っており、薩摩藩の進之介が今回もチラッと現れたり。 維新の様子も描かれるのだろうか、どれくらい先までのお話になるのか気になる。 今、甘ったれて好きなことだけしている嬢ちゃんたちがその頃には、痛みを知る大人の女になれるのか。 また自然災害に襲われて試練の日々が来る。 安否の分かっていない人たちが無事でありますように。 一 本音 二 鍋がない 三 新しい味 四 幽霊の想い 五 柳の下 六 決心 七 あぶら焼き 八 女の幸せ 九 颶風 「番頭さん」としか名前が出てこないが、番頭さんの、異例の事態への対応、危機管理能力、奉公人の人心掌握術はさすが。 大店では、主人は寄り合いや会食に忙しく(それも根回し?)、店を実際に回すのは、優秀な番頭さんや手代だった、という事が実感できる。
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シリーズ第4弾。 終盤悲しい展開が待ってるのかとハラハラしながら読んだ。 次が楽しみ。 [図書館·初読·8月30日読了]
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品川の宿屋〈紅屋〉の正式な台所付き女中となったおやすの成長を描く〈お勝手のあん〉シリーズ第四作。 前作からの宿題…お小夜さまのご主人への料理を考えること…『油っぽいものが好きな人に食べさせるさっぱりしたもの』と『柔らかいものが好きな人でも食べられる硬いもの』で、尚且お小夜さまが...
品川の宿屋〈紅屋〉の正式な台所付き女中となったおやすの成長を描く〈お勝手のあん〉シリーズ第四作。 前作からの宿題…お小夜さまのご主人への料理を考えること…『油っぽいものが好きな人に食べさせるさっぱりしたもの』と『柔らかいものが好きな人でも食べられる硬いもの』で、尚且お小夜さまが作れる簡単なレシピを考えるおやす。 まるでなぞなぞのような料理だが、おやすの斬新な発想力と板長・政一の手助けにより第一の『油っぽいものが好きな人に食べさせるさっぱりしたもの』の方は次第に形になっていく。 だがもう一つの方はまだおやすの頭の中にあるだけのようで形にはなっていない。こちらは更に続編へ持ち越しのようだ。 出来上がってみれば現代よくある料理だったのだが、この当時には勿論ないし、それを頭の中で考え試行錯誤し、政一がそのアイデアを形にするための道具を手配してくれて、良い師弟関係になっている。政一が単におやすを見守っているのではなくおやすのアイデアから刺激を受けて〈紅屋〉で出す料理にも生かしていくところが良い。 仕事に対する厳しさと料理人としての成長を促すための見守りと両面を持った政一のおかげでおやすは人として料理人として成長していく。 もう一つのテーマとして提起されたのが女の生き方。 やはり前作からの続きになるが、流れ者との子を身籠ったちよが中絶するのか産むのか悩んでいる。 相変わらず甘ったれた性分のちよでイライラするのだが、それを受け入れ何とかしようとするおやすやおしげ、番頭さんたちなど、ちよは何と恵まれた人間だろうと思う。今度こそしっかり地に足着けて生きていって欲しいが、甘ったれ精神はそう簡単に治らないだろう。 ちよと反対におやすは恋愛に対する怖さを感じている。そして彼女は改めて料理人として生きる道を進む決意をするのだが、大女将はおやすに結婚する道を進める。この当時の価値観としては当然だからむしろ大女将は善意で言っている。 だがそれがおやすには苦しい。自分が大女将に気を掛けて貰っていることをありがたく思うと同時に料理人としての道を諦めることも出来ない。それがたとえ厳しい道であると分かっていても。 おしげにもかつて縁談話があったことを知った。しかしおしげは誰かの妻になり母になることよりも〈紅屋〉で働くことを選んだ。それでもちよの子を育てることを考える辺り、やはり彼女も母になることを夢見ていたのだろうか。 最後に安政の台風が出て来る。〈紅屋〉はどうなるのか、働く人々は無事なのかとハラハラしながら読んだが、取り敢えず命だけは助かったようでホッとした。しかし次回は〈紅屋〉含め品川宿の復興という難題がテーマになりそうだ。 シリーズ作品レビュー ①お勝手のあん https://booklog.jp/users/fuku2828/archives/1/4758443076 ②あんの青春 春を待つころ https://booklog.jp/users/fuku2828/archives/1/4758443432 ③あんの青春 若葉の季 https://booklog.jp/users/fuku2828/archives/1/4758443807 ④あんのまごころ(本作)
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シリーズ第4弾。 相変わらず、おやすのまわりはいい人ばかり。 おやすの代わりではないだろうが、逆にまわりの人々の方が大変な気がする。 終盤の台風で、ここで一転大変な日々になるのかと思ったが、要らぬ心配だったようだ。 このまま女料理人になるまでシリーズが進んでいくのだろうか?
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