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「死にたい」の根っこには自己否定感がありました。 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2024/05/24

読んでいてグッと心に刺さる作品。 精神的な不安定さを持つ方とそれと共に暮らすパートナーの生々しい日常とその内面を露わにしている。 精神的な不安定さを私自身持っているため著者の不安定さも分かるし、それを支える立場の苦悩もわかる。 将来は落ち着くかもなという淡い希望と現実的なアドバイ...

読んでいてグッと心に刺さる作品。 精神的な不安定さを持つ方とそれと共に暮らすパートナーの生々しい日常とその内面を露わにしている。 精神的な不安定さを私自身持っているため著者の不安定さも分かるし、それを支える立場の苦悩もわかる。 将来は落ち着くかもなという淡い希望と現実的なアドバイスをもらえる作品。

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2024/05/05

ふとしたときに湧いてくる希死念慮が どこから、どうして、出てきてしまうのか 自分自身の心を理解したい想いで手に取りました。 当事者セリさんのコントロールできない感情と行動の波と、原因となってしまった親子関係、そして夫である和臣さんとともに病気と向き合う過程、 その時のありのま...

ふとしたときに湧いてくる希死念慮が どこから、どうして、出てきてしまうのか 自分自身の心を理解したい想いで手に取りました。 当事者セリさんのコントロールできない感情と行動の波と、原因となってしまった親子関係、そして夫である和臣さんとともに病気と向き合う過程、 その時のありのままの想いや苦しさが伝わってきて 読んでいて涙が出てきました。 私はセリさんが経験されたような明らかな自分を否定する言葉や暴力を、親子関係で経験したわけではありません。 ただ、自己否定感や自己肯定感の低さ、ありのままの自分を認められない生きづらさの根っこと向き合う中で、 幼い頃に親から言われたちょっとした言葉に傷ついている自分を確かに見つけました。 それはどんなに愛情を込めて育てられていたとしてもきっと起きてしまうことなのかもしれない。 気がついたとき、過去はもう変えられない。 誰を責めるのでもなく、自分自身を愛するには どうしたらよいのか。 セリさんが病気を克服しようと努力するひとつひとつの行動にとても勇気づけられました。 生まれてくれてありがとうと 傷ついた過去の自分を抱きしめ いま生きている自分に声を掛けること。 痛みや傷にも意味をもたせること。 “病気のおかげで、はじめて子どものように母に甘えることができた。” ”もしあのまま晴れていたら、緑の中で何の問題もなくバーベキューをしていて笑っていたら、彼女はその言葉を発することができただろうか。ー雨が降ってよかったのかもしれない。私が練炭を買ってしまってよかったのかもしれない。「死にたい」と思って、よかったのかもしれない。” 〜があってよかった。こうなってよかった。と どんなに苦しくても、いまを肯定していくこと。 明日へと変わっていくこと。 セリさんと和臣さんが 死にたいという感情とたたかいながら生きる姿に 生きていることの力強い温かさを感じました。

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2022/02/02

まず思ったのは「夫すごすぎる!」 殴られたり殺されかけても見捨てないのは誰でもできることじゃない、というか、この人だからだろう。 でも著者みたいな人に付き合うには人生を捧げないといけないし、死にたいという気持ちに引きずられて自分も希死念慮を持ってしまう。 難しいな。 また、物語で...

まず思ったのは「夫すごすぎる!」 殴られたり殺されかけても見捨てないのは誰でもできることじゃない、というか、この人だからだろう。 でも著者みたいな人に付き合うには人生を捧げないといけないし、死にたいという気持ちに引きずられて自分も希死念慮を持ってしまう。 難しいな。 また、物語ではないので丸く解決するわけではないことはわかっているが、元凶の父親が何の咎めもなく反省もないことに納得がいかなかった。 ここまで心と人生を壊されて、この著者はこのままでいいんだろうか? 最後に、著者が寛解したのは夫の存在によるが、そういうパートナーがいない人はどうするんだろう? 自分に人生を捧げて助けてくれる人がいないと、医師が支えてくれても独りでは難しい気がした。

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2021/12/16

「死にたい」の根っこには自己否定感がありました。:妻と夫、この世界を生きてゆく。自己否定して自己否定感に囲まれて生活してもなにもいいことはない。咲 セリ先生と咲生和臣先生の著書。境界性パーソナリティ障害、不安障害、双極性障害などの心の病、精神疾患をお持ちの咲 セリ先生だからこその...

「死にたい」の根っこには自己否定感がありました。:妻と夫、この世界を生きてゆく。自己否定して自己否定感に囲まれて生活してもなにもいいことはない。咲 セリ先生と咲生和臣先生の著書。境界性パーソナリティ障害、不安障害、双極性障害などの心の病、精神疾患をお持ちの咲 セリ先生だからこその説得力のある内容。自己否定ではなく自己肯定、自己否定感ではなく自己肯定感。自分大好き自分一番。身勝手自己中心的でいい。

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2021/07/28

咲セリ、咲生和臣『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました。』(ミネルヴァ書房、2021年)は生き辛さを抱える女性と、その夫の書籍である。日本社会の生き辛さは深刻な問題である。頑張ることを美徳とする昭和の精神論根性論が、生き辛さを増やしている。同じく昭和の対面コミュニケーシ...

咲セリ、咲生和臣『「死にたい」の根っこには自己否定感がありました。』(ミネルヴァ書房、2021年)は生き辛さを抱える女性と、その夫の書籍である。日本社会の生き辛さは深刻な問題である。頑張ることを美徳とする昭和の精神論根性論が、生き辛さを増やしている。同じく昭和の対面コミュニケーションの強要も生き辛さを増やしている。 自殺を考えるほど追い詰められた背景には自己否定感がある。それ故に自分を肯定することが大切である。しかし、ここに落とし穴がある。日本人の陥りがちな姿勢は、嫌なことやマイナスなことがあってもプラス面を見つけて頑張るというものである。それでは余計に辛くなる。 無理をしないことが大切である。著者は感情が噴出して暴れた時に「自分の心を無視しないで、吐き出してくれてありがとう」と捉える(26頁)。我慢して頑張ることを否定する自己肯定が生き辛さの解消になる。「楽しい集まりでも帰る時間を遅くしないようにする」というものもある(68頁)。頑張って楽しむことも無理であり、止めることが正しい。 安易にうつ病などの診断がなされ、薬が処方されることも問題である。本当に苦しんでいる人の救いにはならない。著者は処方薬依存に陥った。「むさぼるようにして薬をかっこんだ」「人通りの激しい街の中、病院の扉をドンドンと叩き、叫び続けた」(36頁)。その行動は麻薬や危険ドラッグなど依存性薬物の禁断症状を彷彿とさせる。 本書は病院に行く際の有用な対策として自分問診票を予め作成して渡すことを紹介する。「口ではうまく説明できないこともある」ためである(43頁)。この点も対面コミュニケーション至上主義の欠点を考慮している。 本書には著者が猫に救われたエピソードがある。感動的なエピソードであるが、安易にペットに期待することを戒める。「他の命を安易に預かるのは避けた方がいい」と正論を説いている(56頁)。実際、著者は猫のお陰で好転したが、その猫の死により悪化した。 夫にも以下の記述がある。「僕には、自分たちの勝手で飼いはじめた猫たちを看取る責任がある。それだけがずっと、いつ崩れてもおかしくない精神状態を支えていた」(146頁)。義務感で動くことは健全ではない。今は豪華な葬儀をしなければペットへの愛が足りないなどと飼い主の義務感に付け込む悪質なペット葬儀業者などもいる。義務感は生き辛さを増大させる。

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