刺青 の商品レビュー
"それはまだ人々が「愚」と云う貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しく軋み合わない時分であった。" という書き出しが抜群に好きです。 谷崎特有の狂気じみたエロス、フェティシズムが、蝋燭の火のようにゆらゆらと妖しくゆれる。作中にも記されるように、美しきものが...
"それはまだ人々が「愚」と云う貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しく軋み合わない時分であった。" という書き出しが抜群に好きです。 谷崎特有の狂気じみたエロス、フェティシズムが、蝋燭の火のようにゆらゆらと妖しくゆれる。作中にも記されるように、美しきものが強者、醜きものが弱者、まさしく耽美主義を宣言するような作品である。 ただし本書のレビューとしては純粋に谷崎の刺青についてではなく、夜汽車さんのイラストとのコラボレーションとして論じなければならない。イラストは間違いなく美しい。個人的には、朱色の帯と、和紙の巻物が絡み合うところに、一条の光が射す、そのページが特に美しいと思った。淡く溶けていくような、それでいて緻密な描写が素晴らしい。 しかし、こと谷崎潤一郎の作品においては、同氏のイラストはミスマッチと言わざるを得ない。他の文学作品ならよいが、谷崎ほど人間のビジュアル面の描写に適格性を判断しなければならない作家はいないであろう。それくらい谷崎作品においては人物の造形が肝であり、なぜならそこには悪魔的に執着されたフェティシズムがあるからである。どう考えても、谷崎の筆から連想される妖艶さは、非常に何か限定的であり、現代的ポップカルチャーを象徴するロリータ造形を受け入れる余地はないように思われる。人生の酸いも甘いも刻まれていて、どこかに一抹の恐ろしさも仄見える、そんな妖しい陰のある美しさは、幼児的プロポーションと空想的顔面造形によって象られる”kawaii”では決してない。ゴスロリと言ってしまえば谷崎の耽美主義と共通点が生まれてしまうが、こと谷崎の、この作品においては、最後の一ページまで両者が交わることは私の中ではなかった。
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「お前さんの命を貰った代わりに、私はさぞ美しくなったろうねえ」 いや〜なんか谷崎潤一郎って女性に対する複雑な感情を文章にぶつけているような作風なんだなあと思った。 恐れ、憎み、愛しさ、崇拝、完全に拗らせてます。 美しい着物、刺青のイラストも良し!
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乙女の本棚シリーズ。夜汽車さんのキレイなイラストと、彫物師のお話が良く合っています。 凄腕の彫物師が、理想の肌女の子に出会って…という話。いくら凄腕でも、こんなに強引に掘って良いの?と戸惑いました。 自分の魂を込めて掘った清吉。これ以降、清吉は彫り師を続けられたのかな?それとも...
乙女の本棚シリーズ。夜汽車さんのキレイなイラストと、彫物師のお話が良く合っています。 凄腕の彫物師が、理想の肌女の子に出会って…という話。いくら凄腕でも、こんなに強引に掘って良いの?と戸惑いました。 自分の魂を込めて掘った清吉。これ以降、清吉は彫り師を続けられたのかな?それとも肥料になって、終わってしまったのでしょうか。 何ともいえない味わいのある作品でした。
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7月30日は、谷崎潤一郎文学忌、谷崎忌 1910年明治43年 「新思潮」初出 商業雑誌デビュー作 一躍文壇の人となる 文庫でもレビューしているけど 冒頭の時代設定の文章が日本に中の時代を 想像させて心地よい 彫師の男の物語 いつか理想の女の肌に芸術を刻みたい―― そう夢見ていた...
7月30日は、谷崎潤一郎文学忌、谷崎忌 1910年明治43年 「新思潮」初出 商業雑誌デビュー作 一躍文壇の人となる 文庫でもレビューしているけど 冒頭の時代設定の文章が日本に中の時代を 想像させて心地よい 彫師の男の物語 いつか理想の女の肌に芸術を刻みたい―― そう夢見ていた男は、ついにその完璧な肌を見出す。 だが刃を入れた瞬間、支配していたはずの彼が、 すでに女の虜となっていた。 彫り上げられた女は 痛みとともに“美”を宿す 恐れや従順を脱ぎ捨て、受動的な存在から 支配する側へと昇華する。 イラストは夜汽車さん 美しいけれど 谷崎の幻想耽美には向いていないかもしれません 着物を美しく描いてくれてありがとうございます
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文章は読みやすいし、絵はとても美しい。 特に瞳の境界線が淡いのが好き。 でも話はドン引き。 稀代の彫物師が5年前に見た、籠から少し出た女の片足に惚れて、たまたま巡り会えたお使いで来た芸妓の卵の彼女に「顔も雰囲気も最高に好み」と薬で眠らせて(!)勝手に背中に蜘蛛の刺青を入れる。 ま...
文章は読みやすいし、絵はとても美しい。 特に瞳の境界線が淡いのが好き。 でも話はドン引き。 稀代の彫物師が5年前に見た、籠から少し出た女の片足に惚れて、たまたま巡り会えたお使いで来た芸妓の卵の彼女に「顔も雰囲気も最高に好み」と薬で眠らせて(!)勝手に背中に蜘蛛の刺青を入れる。 まじで彫物師の男の勝手な大暴走。犯罪だよ。 許可なく刺青を入れられて吃驚されたり、芸妓デビューに障るかも知れない。一晩帰ってこなかったから周りからの目もある。 彼女が激怒しなかったから話はまとまった感じだけど、昨今の飲み物に睡眠薬を入れて女の子を眠らせて無体をする男の話を思い出して、ムカムカした。
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乙女の本棚シリーズの一冊。 なるほど、乙女の本棚的には清吉はこうなるのか。こんなふうにイメージしたことなかったな。清吉には誰が彫ったの、なんていうことは言ってはいけないのだろう。 絵が乙女度かなり高めなので、これは谷崎の世界とは違うという人はでてきそうだな。
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乙女の本棚、谷崎潤一郎と夜汽車さんのコラボレーションです。 美しい者は強者で、醜い者は弱者とされた時代の物語。美しくあるために刺青がもてはやされていました。刺青師の清吉が見込んだ娘が背中に刺青をされた後の変貌ぶりに驚きました。 清吉の魂を刺青として打ち込まれ、痛みを知り、臆病...
乙女の本棚、谷崎潤一郎と夜汽車さんのコラボレーションです。 美しい者は強者で、醜い者は弱者とされた時代の物語。美しくあるために刺青がもてはやされていました。刺青師の清吉が見込んだ娘が背中に刺青をされた後の変貌ぶりに驚きました。 清吉の魂を刺青として打ち込まれ、痛みを知り、臆病さを失くした娘。自らの意思でやったことではないのに、最後に見せた堂々とした姿に圧倒されました。 夜汽車さんのイラストは、この物語の世界を美しく表現していると思いました。
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腕利き刺青師清吉は籠簾の陰の真白な足の持主に焦がれる。清吉は娘の肌に己の魂を彫込み,娘は魔性の女に変貌する。官能的で妖しい世界観が印象に残る。入れ彫す相手が痛み苦しむ姿を喜ぶのが異常だ。
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『刺青』4 毎回表紙を見てキュンとさせられる ページをめくりキュンとさせられる 『乙女の本棚』シリーズにはキュンしかありません(〃ω〃) 本作も美しいイラストに、色鮮やかな着物、そして、蜘蛛の刺青 凄い!惹き込まれる〜(ノ´∀`*) これで、『乙女の本棚』は6冊目が読み終わ...
『刺青』4 毎回表紙を見てキュンとさせられる ページをめくりキュンとさせられる 『乙女の本棚』シリーズにはキュンしかありません(〃ω〃) 本作も美しいイラストに、色鮮やかな着物、そして、蜘蛛の刺青 凄い!惹き込まれる〜(ノ´∀`*) これで、『乙女の本棚』は6冊目が読み終わりました で、改めて思いました 文豪たちの作品は難解! 『乙女の本棚』シリーズで読むことで理解できるかもって思ってましたけどムリ! アタシにはムリ!(ヾノ・∀・`) やっぱり難しいものは難しい! なので、、、 宣誓! アタシ、1Qオネェはこれからも『乙女の本棚』シリーズは内容をそっちのけでイラストを楽しむことをここに誓います! ★の評価はイラストの評価ですわ♡
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すごく神秘的な物語に感じた。 昔の刺青って今よりもっと痛かったのだろか? 刺青には様々なものがあるが、刺青というものが神秘的に感じた物語でした。
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