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ここはとても速い川 の商品レビュー

3.3

21件のお客様レビュー

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2022/08/29

こんなにも心にずっしりくる小説に久しぶりにであった。 子どもは子どもというだけで大人の対立項ではないし幼く無垢で純粋なだけのきれいな生き物でもない 生ぬるい息遣いをすぐそばに感じる 題名について考える 何度も読もうと思う

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2022/07/26

私には文章が読みづらかった。主人公「集」が延々と日常生活のあれこれを喋り続ける感じ。集の目線は面白いし、共感できたりできなかったり、決してつまらないわけではない。ただ、起承転結がないので読み続けるのがつらい。 川上未映子の『乳と卵』に文体が似ているなと思った。 大阪弁というのも...

私には文章が読みづらかった。主人公「集」が延々と日常生活のあれこれを喋り続ける感じ。集の目線は面白いし、共感できたりできなかったり、決してつまらないわけではない。ただ、起承転結がないので読み続けるのがつらい。 川上未映子の『乳と卵』に文体が似ているなと思った。 大阪弁というのも偶然にも一緒。

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2022/04/23

教師であり、詩人であり、詩では表現できないことを小説にしたというような記事を読み、興味を持った。 読んで、ああ、詩人だな、と思うところがいくつもあった。 辛い小説だった。表題作も辛いけど、もう一つの「膨張」はもっと辛い。アドレスホッパーという住居を定めずに生きている若者たちが描か...

教師であり、詩人であり、詩では表現できないことを小説にしたというような記事を読み、興味を持った。 読んで、ああ、詩人だな、と思うところがいくつもあった。 辛い小説だった。表題作も辛いけど、もう一つの「膨張」はもっと辛い。アドレスホッパーという住居を定めずに生きている若者たちが描かれている。皆独身なのだが、その中に五歳の息子を連れた母親がいる。アドレスホッパーという生き方は別に本人が良ければよいと思う。リスクは分かってやっているのだろうし。主人公(語り手)は仕事もあるし、実家も(居づらいけれど)ある。しかし、子どもはなあ…。やっぱりボロくても帰る家があった方がいいと思うよ。五歳と言えばまだ幼児。それが母の元を自ら離れるって尋常じゃない。まだ言葉も覚束ないから、言葉にできない怒りや不安や悲しみでいっぱいの彼の胸中を考えるだけで胸が潰れる思いがする。 二つとも、小説としては好きだ。表題作も児童養護施設に暮らす子どもだけでなく、そこで働く「先生」と呼ばれる人たちのやるせない思いも伝わり、児童養護施設に暮らす子どもを描いた小説はいくつか読んだけど、これが一番リアルな感じがした。 これだけの悲しみを抱えて生きていかねばならない人生って辛い。本人(子ども)がさほど意識してない(日常だから)ところも辛い。 しかし、なんか読んでいて紋切り型ではない文章がぐっとくる。そこが好きだ。 詩も読んでみたい。

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2022/04/03

豊崎由美が激賞しているので、期待値高めで読んだ。 (たぶんそこがいけなかった) 川上未映子の「わたくし率 イン 歯ー、または世界」を想起させる関西弁の主人公の独白。(たぶんそこもいけなかった) 「わたくし率」を読んだ時の衝撃と比較してしまい、二番煎じ感が拭えない。 自分の読書力が...

豊崎由美が激賞しているので、期待値高めで読んだ。 (たぶんそこがいけなかった) 川上未映子の「わたくし率 イン 歯ー、または世界」を想起させる関西弁の主人公の独白。(たぶんそこもいけなかった) 「わたくし率」を読んだ時の衝撃と比較してしまい、二番煎じ感が拭えない。 自分の読書力が足りないせいなのかな、この程度の少年の孤独感の表現のはずはない、もっと面白いはずと思いつつ読了。 次に収録されている「膨張」を読んで、筆者はあくまで詩人であり、小説には向いていないのでは?と思った。 あるいは、私は、余白をここまで多く取る作品は好みではないのかな、とも。でも、レベッカ・ブラウンみたいな微分して表現する文章も好きなのだけどな。 小説だと思わずに詩だと思って読んだら、また味わいが違ったように思う。が、小説としてもう読み終わってしまったので、情景がよくわかる場面の方は感情移入できるが、情景を描かないで書かれた部分は申し訳ないが独りよがりな感じが拭えなかった。 でも豊崎由美があれほど誉めているのだから、私の読みは甘いのだろうな。きっと。

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2024/04/01

最後の方の定食屋で女に掴みかかるシーンは、リアリティと臨場感がありました。 アドレスホッパーの人たちに現実味がなくて、そこはイマイチでした。文章は読みにくいです。 (膨張 2022.3.10読了)

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2022/02/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

関西弁で語られる養護施設で暮らす少年の日々 諦めが覆いつくしているが、そこから立ち上る希望 大人に翻弄されながら、しっかりと大人を見つめている 彼はどんな大人になるのだろうか 言葉の一つ一つが美しく繊細でそして鋭い 淀川の亀は答えない 私の口から、はああとため息が漏れる ≪ 底知れぬ 哀しみの流れ 速い川 ≫   他の一作「膨張」は私には届かなかった 言葉が響いているのだけれど 言葉は

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2022/01/18

表題作がとても良かった。うっすい膜みたいに悲しさが全てを覆っていた。関西弁は心地よく、標準語の何倍も親しみを感じる。2作目はそれが味なのだろうけどわたしには若干読みづらかった、でもおもしろくて一気読みできた。抽象的ででも素敵な表現が多く、というか多すぎて読みづらかったのかも?

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2022/01/01

「ここはとても速い川」は関西が舞台のようだ。 自宅の近くに淀川が流れているが、川を渡ろうとすることが出来る場所は、三川合流からすぐ下流の京都よりかもしれない と思いながらイメージを膨らませた。 児童福島施設に暮らす子どもたちの日常を暖かい視線で捉えた作品で、日常を淡々と描いている...

「ここはとても速い川」は関西が舞台のようだ。 自宅の近くに淀川が流れているが、川を渡ろうとすることが出来る場所は、三川合流からすぐ下流の京都よりかもしれない と思いながらイメージを膨らませた。 児童福島施設に暮らす子どもたちの日常を暖かい視線で捉えた作品で、日常を淡々と描いているが、物語に変化が少なく平坦過ぎる感じがした。

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2021/12/16

表題作と『膨張』の2作。 表題作は、児童養護施設で暮らす少年と彼らの周りの大人たちとの関係を子供目線で描かれている。どうにもならない現実への諦めや望みを託す心情。大人の身勝手さに翻弄され、それでも自分たちの置かれている立ち位置をしっかり見つめる様が、関西弁で淡々と語られる。 『膨...

表題作と『膨張』の2作。 表題作は、児童養護施設で暮らす少年と彼らの周りの大人たちとの関係を子供目線で描かれている。どうにもならない現実への諦めや望みを託す心情。大人の身勝手さに翻弄され、それでも自分たちの置かれている立ち位置をしっかり見つめる様が、関西弁で淡々と語られる。 『膨張』はアドレスホッパーの人たちの話。なぜ彼ら彼女らがそのような生き方を選んだのかは私には理解できませんでしたが、何か規定された社会へ抗っているようにも感じた。 一つ一つの言葉が飛び跳ね流れているようで美しい。 

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2021/12/05

図書館で面出しされてたので。 話を一方的に聞かされているような文章。そんなに押しは強くないけど、耳に入っても心に届かなかったような、そんな感じ。 何か話してたね、的な。私の集中力の問題かな。コタツで読書は睡魔との闘い。

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