東京のぼる坂くだる坂 の商品レビュー
東京の坂をめぐりながら、土地に刻まれた記憶を辿る物語。人生を坂道に例える発想が面白いなと思った。登り坂もあれば下り坂もある、登り坂と下り坂の数は同じ、見る場所が違うだけ…考えてみたら当たり前だけど気づけ無かった視点を教えて貰えた気がする。各話の最後の坂道紹介も面白く、読んだ後は散...
東京の坂をめぐりながら、土地に刻まれた記憶を辿る物語。人生を坂道に例える発想が面白いなと思った。登り坂もあれば下り坂もある、登り坂と下り坂の数は同じ、見る場所が違うだけ…考えてみたら当たり前だけど気づけ無かった視点を教えて貰えた気がする。各話の最後の坂道紹介も面白く、読んだ後は散歩に行きたくなること間違いなし。
Posted by
文章は読みやすく一定のリズムでページがめくれる。実在の坂の付近の描写力も緻密で目に浮かぶよう。ところどころに差し込まれる地図は単体で見るととてもいいのだけど、物語の余韻をバツンと切って現実に戻してしまうので、途中から本編を全部読み終わってから読むようにした。オチはちょっと弱い印象...
文章は読みやすく一定のリズムでページがめくれる。実在の坂の付近の描写力も緻密で目に浮かぶよう。ところどころに差し込まれる地図は単体で見るととてもいいのだけど、物語の余韻をバツンと切って現実に戻してしまうので、途中から本編を全部読み終わってから読むようにした。オチはちょっと弱い印象。
Posted by
エッセイみたいな小説 蓉子さんが幼いころ別れた父親の足跡を訪ねる坂巡り 父親探しの坂巡り 地図もついていて、実際に歩いてみることができる。 私がよく行く場所の近くもあった。 蓉子さんの父親は不思議な人で、働いているかどうかもわからない 坂の近くに住んでは引っ越しの繰り返し 坂...
エッセイみたいな小説 蓉子さんが幼いころ別れた父親の足跡を訪ねる坂巡り 父親探しの坂巡り 地図もついていて、実際に歩いてみることができる。 私がよく行く場所の近くもあった。 蓉子さんの父親は不思議な人で、働いているかどうかもわからない 坂の近くに住んでは引っ越しの繰り返し 坂が好きなのは「限られた部分だから。」 無限に続く坂はない。ここからここまでと決まってる。人生と同じように。 と言っていた。 坂巡りをしながら、だんだんと父親のことが分かってくる 父親と母親のことも分かってくる 母親と自分を捨てて出ていった父親、その気持ちが分かってくる まだ父親探しの最中だった時、こんな言葉が出てくる。 「これでよかったのか、よくわからない。 けれど、別の答えを選んだ自分なんて結局どこにも存在しない。 わたしたちはひとつの道しか選べず、一生を終える。」 なぜか、すごく心に響いた。 書かれている坂は、すべて都心で、私の行ける範囲にある。 この本を見ながら、巡ってみようかな。 私を捨てた父親はいないけれど。
Posted by
東京の坂をめぐる物語。 短編の後に坂周辺のマップが付いているのが面白い。 なんかテレ東の深夜ドラマのような感じ。
Posted by
出版社に勤める容子は、母親と二人暮らし。引っ越し魔で名前のある坂にばかり住んでいた父親は8歳の時に家を出ていった。そんな父親が亡くなり、信託銀行の担当者から連絡がはいる。容子と母親に、いくばくかのお金と遺言書が渡される。容子への遺言書には、父親が今まで暮らした坂の名前が書いてあっ...
出版社に勤める容子は、母親と二人暮らし。引っ越し魔で名前のある坂にばかり住んでいた父親は8歳の時に家を出ていった。そんな父親が亡くなり、信託銀行の担当者から連絡がはいる。容子と母親に、いくばくかのお金と遺言書が渡される。容子への遺言書には、父親が今まで暮らした坂の名前が書いてあった。容子は、その坂を訪ねるようになる。 風来坊のような父親を思いながら訪ねる坂は、都内に実在する坂で、それぞれの坂の詳細なイラスト地図がついていて面白かった。初め手にしたときは、坂を訪ねて歩くエッセイかと思ったくらいだ。 ちょっと変わった読後感のある本だった。
Posted by
色んな坂が出てきて、坂の描写は面白かったです。地図も可愛く、ガイドブック的な要素がありました。 ストーリーとしてはそれほど深みはなく、気軽に読めますが、もう少し入り込めるものがあれば良かったなと思いました。
Posted by
月刊『ちくま』に2017年12月から20年6月まで連載された小説である。母と別れた後亡くなった父親が、転々と住所を変えており、それがいつも坂の近くだったので、娘に送っていたはがきを頼りに、父が住んでいた町と近くの坂を父の面影を求めて訪ね歩く単なるエッセイだと——ほぼ毎月読みながら...
月刊『ちくま』に2017年12月から20年6月まで連載された小説である。母と別れた後亡くなった父親が、転々と住所を変えており、それがいつも坂の近くだったので、娘に送っていたはがきを頼りに、父が住んでいた町と近くの坂を父の面影を求めて訪ね歩く単なるエッセイだと——ほぼ毎月読みながら——思っていた。 それにしては、坂のある街の地図をイラストレーターがきれいに描いているのは、街歩きのすすめと絡めた面白い企画なのかな・・・と漠然と感じていた所、なんと、この方はれっきとした小説家で、夫は思想家の東浩紀、父親も健在であると知って、すっかりこの小説に騙されていたことに気がついた。 それくらいうまい。これがネタバレと言われなければいいのだが。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『人生の上り坂と下り坂は、人それぞれだけど…』 坂道マニアの父を回想しながら、主人公がゆかりのある坂を巡るエッセイ風小説。坂周辺の手書きマップが秀逸!これだけでも読む価値あり。見方を変えれば上りにも下りにもなる坂道。人生の坂道の数は等しくないけど、上りも下りも楽しみたいですね!
Posted by
父の遺言に坂の名前が記され、数年後に娘さんが坂を訪れるって話。 父の面影を探しに自分探しの様な… 坂の名前となった由来は「そうなのか」と思った感じ。 ある東京には坂道が多いが地形までは頭に入らない。挿絵として地図もあった近場に住んでる読者には興味が湧くかも知れません。 数回引っ越...
父の遺言に坂の名前が記され、数年後に娘さんが坂を訪れるって話。 父の面影を探しに自分探しの様な… 坂の名前となった由来は「そうなのか」と思った感じ。 ある東京には坂道が多いが地形までは頭に入らない。挿絵として地図もあった近場に住んでる読者には興味が湧くかも知れません。 数回引っ越しを経験してる私、この本を読んで今どんな町になってるのかな…と思いながらの読了となりました。 エッセイみたいは小説でした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
アラフォーで母と二人暮らしの富野蓉子。父・タカシは引っ越し好きの変人で、亡くなるまでに移り住んだ家は20箇所を超える。蓉子は父の足跡を辿り始める。坂をめぐりながら土地に刻まれた記憶をたどり、坂のある風景が、父の、母の、そしてわたしのさまざまな人生模様を描き出す――。 変わりゆく“坂の街" 東京が舞台のお散歩小説。地図が読めない私としては、坂の周辺マップをみながら物語を読み進めるのに時間がかかった。東京在住の方ならこの本を片手に坂めぐりができるのでしょうか。された方がいたらすてきだなあと思いました。 本文で気になった部分 ************************ のぼり坂とくだり坂の数は同じ。どんな坂でも、のぼりでもあるし、くだりでもあるんだ。上から見るのと、下から見るので違うだけ。 おりていくだけ、止まったままどちらが正しいとは言えない。たぶんどちらも正しいし、正しくない。正しい、なんて言葉もまぼろしにすぎない。
Posted by
- 1
- 2