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最終飛行 の商品レビュー

3.4

18件のお客様レビュー

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2024/09/02

「星の王子さま」の作者、サン・テグジュペリの伝記小説。フランスの伯爵家の出身で、売れっ子小説家であり、飛行士でもあった。ドイツ軍に占領されたパリを離れ、退役したフランス空軍に戻る。美人の妻がいながら、他の女性とも仲が良い。人気作家であるがために、政府の要人からも声がかかる。自由な...

「星の王子さま」の作者、サン・テグジュペリの伝記小説。フランスの伯爵家の出身で、売れっ子小説家であり、飛行士でもあった。ドイツ軍に占領されたパリを離れ、退役したフランス空軍に戻る。美人の妻がいながら、他の女性とも仲が良い。人気作家であるがために、政府の要人からも声がかかる。自由な出版を求めて米国へ渡り、「星の王子さま」を出版し評価を受ける。しかし、飛行士として戦争に赴きたいと、わざわざフランスから呼び寄せた妻を米国に残して、フランス空軍へ戻る。そして、偵察飛行中の死。 物静かな飛行士を思い描いていたので、かなりびっくり。わがまま放題の元伯爵、といった感じ。それでも、次々変わっていく生き様を興味を持って読んだ。人望と才能がある人だったのだろう。

Posted byブクログ

2024/03/21

星の王子様を読んで何かの比喩だとぼんやりと感じていたが、こんな背景があったのかと夢中で本書を読んだ。著者のサンテグジュペリは、繊細で無邪気で付き合うのは難しそうだが、魅力的な人物に描かれていた。フランス史の本を読んだ際に、目まぐるしい政権交代に驚いたが、本書に描かれていたサンテグ...

星の王子様を読んで何かの比喩だとぼんやりと感じていたが、こんな背景があったのかと夢中で本書を読んだ。著者のサンテグジュペリは、繊細で無邪気で付き合うのは難しそうだが、魅力的な人物に描かれていた。フランス史の本を読んだ際に、目まぐるしい政権交代に驚いたが、本書に描かれていたサンテグジュペリを悩ませた党派争いもその一端かと思った。

Posted byブクログ

2023/10/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『星の王子様』で知られるサン・テグジュペリの晩年期を描いた作品。 この作品で描かれるサン・テグジュペリは、なかなか破天荒な人物の様で、規則違反を繰り返したり、あるいは、妻を蔑ろにするようなこともしたりします。 そして興味深いのが、その作家としての著名度で、第2次大戦時には、ヴィシー政権にも、自由フランスにも求められていたという事。ただ本書では、彼は、ヴィシー政権も自由フランスも拒否しています。反ヴィシー政権なので自由フランス側についても良いと思うのですが、自由フランスを率いていたド・ゴールが嫌いだったという描写がされています。どうなんでしょうね?ただ、そういうどちらにもつかないという姿勢から、どちらからも攻撃を受けています。 意外に面白かったです。

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2023/08/24

「星の王子様」は,何度も読んだ 作者サン=テグジュペリの生き様を知ることで、今までとは違う「星の王子様」を感じるだろう

Posted byブクログ

2023/02/13

[人間の土地][夜間飛行]なかんずく[星の王子様]で有名なサン·テグジュペリ。 地中海で戦死したことは知っていたが、それまでのいきさつについて特にアメリカでの活躍などは知らなかったので興味深く読むことができた。

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2023/01/04

サン=テグジュペリの半生を描いた長編小説 『星の王子さま』の裏話、口述形式の創作活動など…N.Yでの破天荒な作家生活が意外でした 「軍に戻って、戦争に参加したい、何かの役に立ちたい」その精神は、昨今でも戦地へ赴く愛国者の思いを代弁している様です

Posted byブクログ

2022/06/23

『星の王子さま』の作者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリを主人公とした小説。第二次世界大戦が描かれる。ナチス・ドイツのフランス侵攻でフランスはあっさりと敗北する。サン=テグジュペリはドイツとの実力差から降伏やむなしと考えていたが、ヴィシー政権の言論弾圧やユダヤ人迫害を嫌い、米国...

『星の王子さま』の作者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリを主人公とした小説。第二次世界大戦が描かれる。ナチス・ドイツのフランス侵攻でフランスはあっさりと敗北する。サン=テグジュペリはドイツとの実力差から降伏やむなしと考えていたが、ヴィシー政権の言論弾圧やユダヤ人迫害を嫌い、米国に渡る。第二次世界大戦のフランスの抵抗と言えば、シャルル・ド・ゴールの自由フランスが有名であるが、ド・ゴールがフランス抵抗勢力を代表する存在ではなく、権力闘争があったことが描かれる。

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2021/12/30

サン=テグジュペリの後半生の物語。 「星の王子様」の著者の飛行士としてしか知らなかったが、ここまで第二次大戦において劇的な人生を送っていたとは驚きました。 著者にかかっては、自己中で顕示欲が強い主人公になってしまうのは必然かもしれませんが、物語としてはその方が面白かったのも間違...

サン=テグジュペリの後半生の物語。 「星の王子様」の著者の飛行士としてしか知らなかったが、ここまで第二次大戦において劇的な人生を送っていたとは驚きました。 著者にかかっては、自己中で顕示欲が強い主人公になってしまうのは必然かもしれませんが、物語としてはその方が面白かったのも間違いないです。 ラストはどうなったの?と思ってwikiを見たら、やっぱり撃墜されていたようです。

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2021/12/19

なぜサン=テグジュペリは最後まで飛行機乗りでありたかったのか。亡くなるまでのそれまでの出来事と人間関係をうまく紐解くドラマを展開した小説。星の王子様を描いたサン=テグジュペリ、なかなか読み応えがあった。

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2022/06/13

ryoukentさんのレビューを読んで、本屋に注文した本。 著者の本は「王妃の離婚」「カルチェラタン」「褐色の文豪」を読んでいる。 しかしながら、100頁ぐらいで首を捻って読み返した。妻や愛人のことがよく分からなかった。仲間の事故を告げられた際の辺りも、あ、此処は注意して読まな...

ryoukentさんのレビューを読んで、本屋に注文した本。 著者の本は「王妃の離婚」「カルチェラタン」「褐色の文豪」を読んでいる。 しかしながら、100頁ぐらいで首を捻って読み返した。妻や愛人のことがよく分からなかった。仲間の事故を告げられた際の辺りも、あ、此処は注意して読まないと間違えそうだ、と感じた。なんとなく読みづらさがあったと思うが、アメリカに渡ってからはそういう不満を覚えることは無かった。 サン=テグジェペリの本は「夜間飛行」を読んだ。中高の教科書に墜落後に砂漠を歩く短編があったのも覚えている。 「星の王子様」は中学のときに父親が英語版を買ってきて以来、何となく手を出していない。勿論、何となく知っている。 子どものように純真な人だったんだろうと若い頃は思っていたが、この小説の主人公は悪い意味で子供じみた人間だな。我が儘で、女癖が悪く、甘えん坊で、離婚する意志の奥さんを騙して引き留めるなど、その場凌ぎの嘘の数々。褐色の文豪を想い出すが、大デュマの女性関係とは違って、寂しがりなのかな。 しかし、この子供ぽい巨漢の貴族様を周囲は嫌っていない様子。筆が乗って書き始めたり、酒が入って喋り始めたら、人を惹きつける処があったんだろう。 ドイツの侵攻にさっさと白旗を揚げた後のビシー政権にも、ロンドンのドゥ・ゴールにも賛同しない彼は難しい立場に追い込まれる。世界大戦のヨーロッパ戦線のことはあまり知らないので、アメリカの戦線参加が無かったら、ドイツのやり放題だったことを再認識した。 歳なんだから飛行機を降りて、それなりの仕事をしろという周囲の声はもっともな話。祖国の戦争に対し、危険に身を曝して関わろうとする癖に、爆撃には関わりたくないという。操縦席に載せまいとする周りに対し、あちこち運動して操縦桿を握る。 爽快な飛行シーンがある訳でもないのに、何故か惹きつけられる。まったく不合理で、納得していないのに。 彼は空に何を求めていたんだろう?

Posted byブクログ