哲学の女王たち の商品レビュー
2021年6月18日図書館から借り出し。 女性として哲学を語り・書いた20人を10頁ほどの長さで各人が簡潔に紹介したのをまとめたもの。 名のみ知る人、初めて知った人が多数で、実に多士済々の女性たちが短い量の中で活写されている。 日本語訳もこなれており、適宜訳者による説明が付け加...
2021年6月18日図書館から借り出し。 女性として哲学を語り・書いた20人を10頁ほどの長さで各人が簡潔に紹介したのをまとめたもの。 名のみ知る人、初めて知った人が多数で、実に多士済々の女性たちが短い量の中で活写されている。 日本語訳もこなれており、適宜訳者による説明が付け加えられていて読みやすいので、知的好奇心を掻き立てられる。 原著がクラウドファンディングにより出版されたとあとがき(謝辞)に記されていたのには驚きと同時に、こういう方法があるのかと感心した。 アーレントが人種差別的言辞を弄していたとは知らなかったし、J.S.ミルの奥さんが共同作業者に近い存在というのも初めて知った。 小説家と認識していたマードックが哲学の著作があることも知らず、「鐘」を収録した集英社版世界文学全集の丸谷才一による解説を読み直したが、「一種の実存主義小説」と書かれているくらいで、哲学者の側面は一切触れていなかった。 興味が湧いたのは、初めて名を見るメアリー・ミッジリーで、動物界で唯一知性を持つのは人間だけという「神話」に異を唱えたと書かれているところ。残念ながら巻末の参考資料では邦訳文献はなかった。 ディティマ(ゾイ・アリオジ) 班昭(エヴァ・キット・ワー・マン) ヒュパティア(リサ・ホワイティング) ララ(シャリニ・シンハ) メアリー・アステル(シモーヌ・ウェブ) メアリ・ウルストンクラフト(サンドリーヌ・ベルジュ) ジョージ・エリオット(クレア・カーライル) エーディト・シュタイン(ジェー・ヘタリー) ハンナ・アーレント(レベッカ・バクストン) シモーヌ・ド・ボーヴォワール(ケイト・カークパトリック) アイリス・マードック(フェイ・ナイカー) メアリー・ミッジリー(エリー・ロブソン) エリザベス・アンスコム(ハンナ・カーネギー・アーバスノット) メアリー・ウォーノック(グルザー・バーン) ソフィー・ボセデ・オルウォレ(ミンナ・サラミ) アンジェラ・デイヴィス(アニタ・L・アレン) アイリス・マリオン・ヤング(デズリ・リム) アニタ・L・アレン(イルハン・ダヒル) アジザ・イ・アル=ヒブリ(ニマ・ダヒル)l
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