女が死ぬ の商品レビュー
この人は天才なんじゃないか、というのが頭によぎる短編。 面白いという表現はちょっと違うような気もするが面白かった。
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「あなたが好きな少女が嫌い」 男社会で生きてると、どうしても気に入られようとヘラヘラして、ニコニコして、心のどこかでは女性として強くいたいと思うけど、社会でうまく生きていくにはそういう女でいないほうがうまくいく。でも、強い女でいることと、ニコニコヘラヘラすることが矛盾してるわけじ...
「あなたが好きな少女が嫌い」 男社会で生きてると、どうしても気に入られようとヘラヘラして、ニコニコして、心のどこかでは女性として強くいたいと思うけど、社会でうまく生きていくにはそういう女でいないほうがうまくいく。でも、強い女でいることと、ニコニコヘラヘラすることが矛盾してるわけじゃないよね。男性だって愛想がいい方が好かれるし。ただ、愛想がない男性と愛想がない女性、もともとどっちもそういう性格だったとしても、男性ならそういうヤツなんだよって受け入れられるけど、女性だとアイツは無愛想だからな!って悪いことみたいに言われちゃうよね。うまく言葉にできないなー、こういうちょっとした違和感って言われた人だけにしか感じることができないんだよね。とにかく、世の中の理想像っていうのが男性にも女性にもあって、でもそんなのもっと無くなっていけばいいのになって思う。 「男性ならではの感性」 ふだんは気にもしない、「女性目線で」「女性ならではの」という言葉、男性に変わるだけでとてつもない違和感を感じてしまう。男尊女卑がひどかった元彼に読ませて感想きいてみたかったな〜。偉いおじさんとかにも読ませて感想きいてみたい。
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フェミニズムが露悪的な短篇集 ジャケ買ひ。作者による解説にも少し書いてあるが、どの掌篇も思ひつきの域を出てゐないと思った。文体はフラットだが、私にはまったくおもしろくなかった。「水蒸気よ永遠なれ」など、実験的效果を狙ったのかも知れない掌篇もあるが、こんなのは筒井康隆などが先駆し...
フェミニズムが露悪的な短篇集 ジャケ買ひ。作者による解説にも少し書いてあるが、どの掌篇も思ひつきの域を出てゐないと思った。文体はフラットだが、私にはまったくおもしろくなかった。「水蒸気よ永遠なれ」など、実験的效果を狙ったのかも知れない掌篇もあるが、こんなのは筒井康隆などが先駆してゐることで、奇をてらっただけの印象で何をしたいのかわからない。 作者をしらべたらフェミニストだとわかって納得したが、小説からフェミニズムが浮いてゐると感じた。ツイッターで作者は《村上春樹は男のファンタジーですよね。そんな都合いい女がいてたまるかとたまにイラッときます。》と書いてゐて、村上春樹へのアンチテーゼもあるのではないかと思った。
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「少年という名前のメカ」の衝撃はなかなかのものだった。少年という最強アイテムを用いたのは慧眼だと思う。「少女」でも「母」でもダメ。「少年」だからこそ、私たちが全面的に受容している価値観がひっくり返る。 気持ちいいほど価値観がグラグラ揺らぐ。もっとひっくり返してくれー! どんな愛...
「少年という名前のメカ」の衝撃はなかなかのものだった。少年という最強アイテムを用いたのは慧眼だと思う。「少女」でも「母」でもダメ。「少年」だからこそ、私たちが全面的に受容している価値観がひっくり返る。 気持ちいいほど価値観がグラグラ揺らぐ。もっとひっくり返してくれー! どんな愛さずにはいられない最強アイテムでも、ダメなところと表裏一体だってこと。やりすぎやヒロイズムがはた迷惑。 だけど、それがなけりゃ面白みもなかろう。 グレーゾーンにこそリアリズムがあるのだな。 「あなたの好きな少女が嫌い」「女が死ぬ」「男性ならではの感性」どれも皮肉が効いて小気味いい。 たくさん短編が収録されていて、玉石混淆ではあった(笑)その緩さもまたいい。
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「男性ならではの感性」が印象的。 読んでて違和感というかなにか気持ち悪い。 男性的、男性にとって、男性の権利。 これが現実では、全て「女性」に変わるからだ。女性的、女性にとって、女性の権利。このことに違和感を感じず生活していることが気持ち悪い。 なんで男性だと違和感があって、女性...
「男性ならではの感性」が印象的。 読んでて違和感というかなにか気持ち悪い。 男性的、男性にとって、男性の権利。 これが現実では、全て「女性」に変わるからだ。女性的、女性にとって、女性の権利。このことに違和感を感じず生活していることが気持ち悪い。 なんで男性だと違和感があって、女性だと違和感を感じないのか。あ〜気持ち悪い。くそくらえ。
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面白い。松田青子さんの脳みそ、面白すぎる。 前情報無しに読んだから、この本はひたすらに女性性への嫌悪感や不平等さがテーマの長編物語が描かれているのかと思っていた。 そしたら短編集で、1番最初の「少年という名前のメカ」を読んで、あ、すんごいユーモアのあるファンタジー系?(語彙力が...
面白い。松田青子さんの脳みそ、面白すぎる。 前情報無しに読んだから、この本はひたすらに女性性への嫌悪感や不平等さがテーマの長編物語が描かれているのかと思っていた。 そしたら短編集で、1番最初の「少年という名前のメカ」を読んで、あ、すんごいユーモアのあるファンタジー系?(語彙力がないから何て表現したらいいか分からない)なんだ!おもろ!ってなった。 私が好きなお話は、ナショナルアンセムシリーズ、神は馬鹿だ、まとめ、反射、この国で1番清らかな女性、履歴書 特に「まとめ」は就活生の私にとって救われた。私の今の劣等感・焦燥感・虚無感、諸々を代弁してくれた。 友達におすすめしたい本だし、この本を面白いって思える友達が好き。この本に登場する文化作品や俳優をちゃんと検索したら、一層笑えた。物事をこんな角度から見て、こんな風に想像して妄想して、物語にするなんて楽しいなあ、羨ましい。ほんとに些細なことでも、ふふって笑えることがいーっぱいあるんだよな、そういう感度高めで生きていきたい。(語彙力)
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「あなたの好きな少女が嫌い」「ボンド」など、クソみたいな現実に中指を立てて、フィクションの中で自由を謳歌する女達がとても良かった。 掌編集なので、思い立った時に読めて旅行のお供にぴったりでした。
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こんなユーモアに溢れたフェミニズム小説をずっと読みたかったのです。 基本的にポップでいきいきとした文体で、とても読みやすかったです。新鮮な視点で展開する作品やユーモアに振り切った作品、少し不思議な作品や痛快なフェミニズムが光る作品。発想の自由さに感動しました。 仕事の休憩や憂鬱な...
こんなユーモアに溢れたフェミニズム小説をずっと読みたかったのです。 基本的にポップでいきいきとした文体で、とても読みやすかったです。新鮮な視点で展開する作品やユーモアに振り切った作品、少し不思議な作品や痛快なフェミニズムが光る作品。発想の自由さに感動しました。 仕事の休憩や憂鬱な通勤時に、ストレスなく、少しずつ読めたことが嬉しかったです。 裏表紙の「一話読むたび心の曇りが磨かれる」という言葉に偽りなしです。
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各短編について著者の一行後書きがついていたので、こんな状況だったんだな、こんな思いだったのね、とか分かって答え合わせできてよかった。 女が死ぬ、表題作がよかった。個々の名前やストーリーに関わらずメタ的にとらえて類型化される、そういう批評めいたことを何も言わずに淡々とそして皮肉を込...
各短編について著者の一行後書きがついていたので、こんな状況だったんだな、こんな思いだったのね、とか分かって答え合わせできてよかった。 女が死ぬ、表題作がよかった。個々の名前やストーリーに関わらずメタ的にとらえて類型化される、そういう批評めいたことを何も言わずに淡々とそして皮肉を込めて女が死ぬ、女が傷つく、女がレイプされる、と言われると確かにそうだな、と思う。
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2022年2月 面白かった。掌編集で1番短いのは1行?みたいなのもあるんだけど、全部面白かった。 著者ひと言解説もよかった。読んで、解説を見たら、あーそっちかー!みたいになるのもある。でも最初に感じたことも一つの読み方で、著者のひと言解説で著者の意図を想像しそれを踏まえた作品の印...
2022年2月 面白かった。掌編集で1番短いのは1行?みたいなのもあるんだけど、全部面白かった。 著者ひと言解説もよかった。読んで、解説を見たら、あーそっちかー!みたいになるのもある。でも最初に感じたことも一つの読み方で、著者のひと言解説で著者の意図を想像しそれを踏まえた作品の印象を味わうというのも読み方。1つで2度美味しい。
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