Arc ベスト・オブ・ケン・リュウ の商品レビュー
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―― それは誰もが持つ魔法だ。 誰にも奪えない、 自分だけの、魔法。 それが、君には届くと、 そう思ったとき、魔法は終わる。 そして――が、 始まる。 >>>> 厳選されたベスト・オブ・ベスト、って感じで、私みたいな不真面目な読書家には丁度いいんじゃないかしら。 そのぶん短編集のびっくり箱的お楽しみは無いけど、ケン・リュウという作家の、云うなればベースラインをなぞるには良いと思います。 収録作はすべて、ハヤカワのケン・リュウ短編集にも入っているので(というか、短編集1~5集の中から選りすぐりをまとめたような形なので、まさにベスト・オブ・ベスト)、真面目な読書家のかたはそちらをどうぞ。より深みにはまること間違いなし。 それでも、「紙の動物園」と「もののあはれ」と「草を結びて環を銜えん」と「良い狩りを」を一冊で読めるのは本当に贅沢。 特に「紙の動物園」は間違いなくケン・リュウの名刺代わりだと思うので、未読の方は是非。ひとは人生に一本は小説を書けると云うけれど、こういうのがそれなんだと思う。彼の場合、それは始まりに過ぎないわけだけれど。 誰もが持っている、ルーツについて。 今回は映画との関連でArcを表題としてるのですが、正直その影響で思わず購入しました。芳根京子さん好きなんですよ。うーん好きというか、つい見てしまうというか。むしろすげぇ見られてる感じがする(あっちょっとやばめのファンみたい)。そういう眼をしている。怖い。音楽室のベートーベンみたいな。いや褒めてるの、褒めてるんよ? 吸い込まれそうな瞳、というにも種類があって、キラキラしていて目が離せないタイプ(西畑大吾を代表とします)と、光すら抜け出せないような吸引力に視線が奪われてしまうダークマター系の瞳。芳根さんは後者のイメージですね。褒めてるってば(笑 ほんとの意味で、目が離せない役者です。 と、話が逸れましたが。 短編集としては、ベスト過ぎるかな、というところもあるので☆は控えめに3.5。天邪鬼め。
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