楽園ノイズ(2) の商品レビュー
相変わらず、文章から音楽が聴こえてくるような読書体験だった。 凛子の家庭のことだったり詩月の祖父のことだったり、高校生だけでは解決しようのない出来事は山ほどあって、それでもなんとか足掻いて頑張る姿が眩しいなぁ。 プロデューサー候補とのやり取りとか真琴の悩み事とか、色々抱えたまま文...
相変わらず、文章から音楽が聴こえてくるような読書体験だった。 凛子の家庭のことだったり詩月の祖父のことだったり、高校生だけでは解決しようのない出来事は山ほどあって、それでもなんとか足掻いて頑張る姿が眩しいなぁ。 プロデューサー候補とのやり取りとか真琴の悩み事とか、色々抱えたまま文化祭ライブに集束する終盤が最高にかっこいい!!
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1巻を読んだのはいつだったっけ? って思い出すように2巻を読みました 音楽小説 音なんてならないのに 音楽が奏でられているように感じる物語 一度読んだシリーズも 時期をズラして読んで 頭の中を流れる音楽が変わってきたようにも感じる 物語の音楽 音楽の物語
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同じテーマ性の作品なのだから『さよならピアノソナタ』の要素が何らかの形で出てきたって可怪しくないと思っていたけど、まさかこういう形で出てくるのか! これって実質、2巻におけるボスキャラのようなものじゃないか!これはこれで嬉しい扱いだったね 第2巻も第1巻と同じように幾つかのエ...
同じテーマ性の作品なのだから『さよならピアノソナタ』の要素が何らかの形で出てきたって可怪しくないと思っていたけど、まさかこういう形で出てくるのか! これって実質、2巻におけるボスキャラのようなものじゃないか!これはこれで嬉しい扱いだったね 第2巻も第1巻と同じように幾つかのエピソードが連結されている構造。 第1巻では少女達自身との向き合いを音楽を通して行っていたけど、この2巻では少女達が音楽の道に生きようとする中で家庭環境や学校空間がどう作用しているのかという点が描かれていたかな そして2巻における最初のエピソードは凛子の物語だね 一度ピアノの道を本気で目指して挫折した凛子だから、こうしてバンドを通して復帰できたならピアノの道に戻そうとする動きがあるのは当然 それに対して真琴達は他人だから、凛子の家庭問題に首を突っ込むなんて出来やしない。凛子の家庭の問題は凛子が解決しなければならない。だから対処法を誤って初ワンマンが大コケしかねない状況になってしまった 結局、真琴達に出来るのって音を鳴らすことだけなんだよね。だから凛子を母の拘束から解き放つのは音楽しかない 真琴が用意した最高の舞台、それに最高のタイミングで駆けつけた凛子の姿は素晴らしいね。また、最後にはこれを家庭の問題ではないと言い切った彼女の姿も勇ましい 詩月に生じた問題もやはり他人にはどうしようもないもの。詩月の家庭環境も禄郎氏の病魔も一介の高校生でしかない真琴に出来る事なんて一摘みも無い ここでも真琴に出来ることはやっぱり音を鳴らすことだけ。でも、聞かせる相手は意識がないのだから本物の音を鳴らす必要はない 音のない、幻想のセッション。あの流れで禄郎氏が目を 覚ますのは奇跡のような展開だけれど、でも音楽が奇跡を起こすなんて当然の話だし、ある意味あれで良かったのかもね そして本巻のメインエピソード、キョウコとの対決ですよ! ここで立ちはだかるのは真琴達にはどうにか出来る問題。けれど、どうにかする事が正しいのか、という点が問題になってくるように思う プロとしてやっていくのか、この四人のまま続けたいのか、誰の為に歌うのか…… これは特に一人でネット上に楽曲を上げていた真琴だから響く問題。同じように居場所を探して幾つものバンドを渡り歩いてきた朱音にも響く問題 だからこの二人が誰の為に、そして何の為に歌うのかといえば、それはやはり自分達の楽園となってくれたバンドの為、という事になるのだろうね だからこそ、朱音が最後に告げたかもしれない言葉は「I love you」ではなく「I need you」になるのだろうね それにしても…… キョウコなんて大物キャラを出してあれだけ緊迫感の有る展開をしておいて、あのような勘違いオチを仕掛けてくると思わなかったよ(笑) こうして再び守れた大切な楽園。これからも楽園で鳴り響く様々な音楽を私達読者に届けて欲しいものですよ
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久々にこの人の作品を読んだけど、文体や語り口、物語の展開、言葉の選び方がやっぱり自分に合っているのを感じる。パターンはよく似ていたりするからずっとは飽きるけど離れるとやっぱり恋しくなるみたいな。 例の部分は自分も完全に誤解していたしやられたと思った。 要所要所でこちらの承認欲求満...
久々にこの人の作品を読んだけど、文体や語り口、物語の展開、言葉の選び方がやっぱり自分に合っているのを感じる。パターンはよく似ていたりするからずっとは飽きるけど離れるとやっぱり恋しくなるみたいな。 例の部分は自分も完全に誤解していたしやられたと思った。 要所要所でこちらの承認欲求満たしてくるのも、せこいけど上手いよなあ。
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いつもに増して杉井光の青春バンド物の良さが溢れている。鈍感主人公っぷりもここに極まる。 今回は朱音がとてもいい描かれ方をしていてめっちゃ好きになってしまった。ぜひ続編を〜!
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大好きな作家の一年ぶりのシリーズ第2巻。 面白かった。胸が震えた。泣きそうだった。良かったぁ。 あいかわらず真琴はへたれだけどそれでも何かを諦めたり出来なくて、どうにかしようとあがく。 それはまさしく作者の主人公だよなあ。 凛子を最後に後押しするのも、詩月のおじいさんを死の淵から呼び戻すのも、自分たちのバンドを輝かせるのも、彼の意志なのだ。 そして音楽がどんなときでも彼らを包んで繋いで、たとえ全てが消え去っても、いつまでも残り続けるのだろう。 それを僕も信じられる。 それにしても詩月のおじいさんがイケオジだよなあ。 そして死の淵を彷徨う彼に届けとばかりに腕を骨を奏でる真琴。 どんだけ音楽バカなんだろうか! けれど『後先考えられるやつはバンドなんてやらない』のだ。 それはそれでなんて幸せなことだろう。 ヒロイン三人と真琴との漫才も2巻になってそれぞれの役割が洗練されてどんどん面白くなってるし、ここで女装ネタが炸裂するとは! いや、やっぱり、女装は最高だよね!笑 そして真琴の壮大な勘違いで終わるラストの締まらなさが、またいい味出しているよなあ。 最後に、ほんの少しなのだけど、華園先生の登場する(本人そのままではなくても)場面は毎回胸が切なくて苦しくなった。 実は、第2巻が出るとは思っていなかったのだけど、すごく嬉しい。 それと共にぜひ、第3巻を、いや4巻も、出して欲しい。 そしてもう一度、元気な華園先生の姿を、きっと描いてくれると信じている。
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