カード師 の商品レビュー
過去から現在までに世界で怒った出来事(天災が多い)と絡ませながらストーリーを展開している。カジノの対決場面はスリルがあり手に汗握る展開で面白い。
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450頁超の新聞連載長編小説。連載からなのか、主題と挿話がぐちゃぐちゃしていて統一感があまりない。何か読んだ手応えがあまりない。クラブ「R」での生死をかけた駆け引きといかさまの死闘は、沢木耕太郎「深夜特急」やスティーブ・マックイーンの「シンシナティ・キッド」のように迫力満点で読み...
450頁超の新聞連載長編小説。連載からなのか、主題と挿話がぐちゃぐちゃしていて統一感があまりない。何か読んだ手応えがあまりない。クラブ「R」での生死をかけた駆け引きといかさまの死闘は、沢木耕太郎「深夜特急」やスティーブ・マックイーンの「シンシナティ・キッド」のように迫力満点で読み応えはあった。
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中村文則の本はいつも自分の人生を考えさせられる。カードをめくる、という行為には、この世界のあらゆる要素が含まれている。知識、経験のその先にある、理屈を超えた勘を働かせる。先のわからない世界の中で、それでもなお生きるということ。改めて人生を先にすすめる動機を与えてもらった。
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約450ページというボリュームのある量でした。占いや賭け事、さらに未知の災いという予想のつかないことに翻弄される人たちを描いた作品です。読み進むたびに、あの時辞めておけば・・・と何回思ったことか。 一歩踏み出したらズブズブと沈むかのようにどうすることもできない状況に賭け事や占いの...
約450ページというボリュームのある量でした。占いや賭け事、さらに未知の災いという予想のつかないことに翻弄される人たちを描いた作品です。読み進むたびに、あの時辞めておけば・・・と何回思ったことか。 一歩踏み出したらズブズブと沈むかのようにどうすることもできない状況に賭け事や占いの恐怖を感じました。 冷静に考えてみると、タロットカードやトランプは、印刷されただけのカードなのに、これと人の話術や手によって運命が大きく変わるかもしれないことに不思議がありました。 それだけの魅力があることに恐怖もちょっと感じました。 なぜ、その人は占いを信じるようになったのか? その背景には、ギリシャ神話や戦争、魔女狩りといった海外の話が影響してきます。哲学的に・論理的に書いているので、正直退屈な部分はありました。なので雰囲気で楽しんでいました。 でも、その後の違法カジノでの駆け引きシーンが面白かったです。張り詰めた空気感やディーラー経験があるからこそ視えてくる相手の作戦など、その勢いに思わず真剣になっていました。 面白かった一方で、カジノに溺れる人の末路も書かれています。とにかく残酷で、お金持ちの心理が庶民にはわからないことだらけでした。破滅になるかもしれない心理戦に読んでいる自分も緊張感MAXでした。 後半では、オウム心理教や大地震、コロナなど実際の出来事が登場します。それらを背景に色んな人達が大きく運命が変化していきます。その末路は、割とあっさりした印象でした。 占いに限らず、この先の未来がどうなるのかわかりません。 あくまでも「予言」であり、「確定」ではありません。 読んでいて思ったことは、占いは過度に信じない方が良いかなと思いました。あくまでもアドバイスとして捉え、それをどう自分は解釈していくのか。 一度冷静に考えて、「自分」が保てるようにしたいなと思いました。
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手品師とカード師と占い師。使い方によって誰かの人生まで大きく変えてしまう、その残酷な魅力。 今、この時の選択によって、自分は堕ちていく。そうわかっていても一歩踏み出してしまう、その悪魔のような魅力。 何かを得るためには何かを失わなければならない。数字を、めくる、というその一瞬で決...
手品師とカード師と占い師。使い方によって誰かの人生まで大きく変えてしまう、その残酷な魅力。 今、この時の選択によって、自分は堕ちていく。そうわかっていても一歩踏み出してしまう、その悪魔のような魅力。 何かを得るためには何かを失わなければならない。数字を、めくる、というその一瞬で決まる運命。 ポーカー。私の知っている楽しいカードゲームはここにはカケラもない。あるのは「快」。そう、堕ちていくのも、堕ちていく人を見るのも、すべて「快」なのだ。 それにしても、ナカムラフミノリの容赦なさよ。とことんまで世界を不条理と理不尽で埋め尽くす。 魔女狩り、ユダヤ迫害、震災、コロナ禍。誰も占うことのできなかった未来は、過去になって誰かに「観察」されたから起こったことなのか。いやそんなはずはない。現に、世界はコロナが蔓延しているじゃないか。でも…もしかすると…全身が震える。ここにあるのは物語だ、そして光だ。理不尽が描いた物語と光。と頭は理解する、でも心がついていかない。 数字が、カードが、明日を裂く。でもそれを操るのは人の手だ。
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『僕はあなたの、自由意志の領域に入り込む。自由意志を、自ら捨てる快楽をあげよう』 『僕達が深層心理で望んでいたのは、正しさの強制ではなかった。善悪の基準でも、それに伴う罰でもなかった。ただ、褒めてもらいたかったのだ。何でもいいから』 『だから人間は、本当は、誰も完全に絶望すること...
『僕はあなたの、自由意志の領域に入り込む。自由意志を、自ら捨てる快楽をあげよう』 『僕達が深層心理で望んでいたのは、正しさの強制ではなかった。善悪の基準でも、それに伴う罰でもなかった。ただ、褒めてもらいたかったのだ。何でもいいから』 『だから人間は、本当は、誰も完全に絶望することはできないんだ。だってそうじゃないか?まだこの世界が、どのようなものかわからないんだから。わからない場所にいるのに絶望なんてできないんだよ』 『重要なのは悲劇そのものではなく、その悲劇を受けてもなお、人生を放り出さない人間の姿だと』 中村文則さんの最新作。 手品師になれなかった男が占い師になる。 善と悪、神と悪魔、宗教、権力、そして帝国R。 抗えない運命中、先のわからない世界で生きるということ。
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