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言葉はいかに人を欺くか の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/06/03

ふと手に取る本が大体哲学的すぎてしんどくなること多いんだけど哲学入門でも読めば理解できるんだろうかー?つまり…同じ言葉の繰り返しなんだけど何が言いたいんだ?って考えてしまう。 この本は嘘やミスリードの違い、定義を書いていて、私がもっと知りたいのは人が嘘をつく心理。巧妙な嘘やミス...

ふと手に取る本が大体哲学的すぎてしんどくなること多いんだけど哲学入門でも読めば理解できるんだろうかー?つまり…同じ言葉の繰り返しなんだけど何が言いたいんだ?って考えてしまう。 この本は嘘やミスリードの違い、定義を書いていて、私がもっと知りたいのは人が嘘をつく心理。巧妙な嘘やミスリードを見抜けるようになりたい。そしたら心理学の本がいいのかな。言語哲学は難しいという印象だけが残る本だった。 ・嘘をつく事の定義 話し手が言語的な思い違いやマラプロピズム(意図しない言葉の誤用)の犠牲者ではなく、またメタファーや誇張皮肉を用いていない場合に①その話し手がPであると言い②その話し手がPは誤りだと信じており③保証を与える文脈に自分がいるとみなしている場合に限り、その話し手は嘘をついている ・ミスリードする人は、自分の手を汚さずに、つまり嘘をつかずに、嘘と同じ成果を得ることができる ・それどころか、ミスリードする人は、自分が相手を欺いたのではなく、相手が勝手に誤解したのだから、自分は悪くないと安心感を得るかもしれない。自分の行いを正当化する。自己欺瞞であるなら、嘘と比べより反道徳的だとも言える

Posted byブクログ

2022/06/29
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※このレビューにはネタバレを含みます

堅苦しくてハマらなかった。難しくて理解できないものにも、心惹かれるものと、魅かれるものがある。前者は買って損はない。理解したいというモチベがあるから、何度でも読める。たとえ理解できなくても、ああでもない、こうでもないとうんうん考える時間(過程)自体も楽しかったりする。しかも、理解は遅れてたってくるものだから、何年かごしに読んでみるとスイスイ頭に入ってきたりする。そうゆうときに感じる嬉しさは何事にも耐え難い。私の場合だと、ショーペンハウアーの意思と表象としての世界や、記憶の遺伝に関するエピジェネティクスの論文とかが、それに当たる。後者は、買って読んだ試しがない。主に勉強になるからという消極的な理由で買ったのだと思うが、まず読まない。本棚を圧迫した後、引っ越しの際に捨てられるのがオチである。金は減り、本棚を圧迫し、引っ越しの際に時間をとられる。マイナスしかない。後者の典型例はまさに本書であり、買うのは危険である。喉元過ぎれば熱さを忘れるとはよく言ったもので、また今回も安直に後学のため、読んだ時間が無駄になったからせめて理解して元を取りたいという貧乏根性で買いそうになった。罠である。しかも自ら仕掛けた自滅型罠である。この感想を書いててそうおもったので、買うのはなし。図書館で貸し出し延長するくらいかな。いや。言語はなぜ哲学の問題になるのか?を新しく読んだ方が楽しい気がする。とりあえず、これからも本書のような後者の本は買わない。前者の本に格上げされたら、買う。 今の私に言語哲学の専門書はまだはやいかも。というか言葉はいかに人を欺くかっていう面白そうな邦題はタイトル詐欺じゃないかな。8割方、嘘とミスリードの区別の話だった。邦題であり、私が求めていた内容である、それらがどうやって人を欺くかっていう、話は見当たらなかった気がするんだけど。 p162 まとめより 「嘘をつくことの定義」 話し手が、言語的な思い違いやマロプロピズムの犠牲者ではなく、また隠喩や誇張、皮肉を用いていない場合に、(1)その話し手がPであると、言い、かつ、(2)その話してがPは誤りと信じており。(3)保証を与える文脈ないに自分がいるとみなしている限り、その話し手は嘘をついている。 道徳的な意義 嘘とミスリードを区別すうることには、道徳的な意義は存在しない。 特に、以下の主張は間違いである。 他の条件が不変ならば、嘘をつくことは、単に意図的にミスリードしようとするよりも道徳的に悪であり、成功した嘘は、単に意図的にミスリードするよりも道徳的に悪である。 p284 ビルクリントンのモニカとの不倫スキャンダル際に述べた「不適切な関係はありません」。この発話が嘘であるかミスリードであるかを考察し、この区別にこそ倫理的な重要性があると述べる。加えて、このように政治に関わる発言では、それを聞き手がどう判断するか、でその聞き手が有する政治的姿勢そのものが露呈することをします 。つまり、クリントンは嘘を避けミスリードすることで、法的・公的にできる限り誠実であろうとした、と考えるか、その反対に狡猾で卑劣な態度をとったと考えるか、など聞き手のその判断が彼らの政治信条に対応することをソールは示した。

Posted byブクログ

2022/05/01

嘘とミスリードの区別を主題に、言語哲学と倫理学の両面から探求する。嘘を厳密に定義したうえでミスリードを区別する根拠を探り、「嘘はミスリードより悪いのか」という倫理的な問題に迫る。原題は『嘘、ミスリード、言われていること――言語哲学と倫理学における探求』。本文は約210ページ。その...

嘘とミスリードの区別を主題に、言語哲学と倫理学の両面から探求する。嘘を厳密に定義したうえでミスリードを区別する根拠を探り、「嘘はミスリードより悪いのか」という倫理的な問題に迫る。原題は『嘘、ミスリード、言われていること――言語哲学と倫理学における探求』。本文は約210ページ。その他、附録として論文「犬笛、政治操作、言語哲学」(約40ページ)を併録する。 第1章では、本書の大前提として「嘘」について厳密な定義がなされる。この第1章をベースに2・3章では言語哲学の世界では著名な概念らしい「言われていること」が「嘘とミスリードの区別」を説明できるかについて検証する。つづく第4章では、主要な観点が言語哲学から倫理学へと移り、「嘘はミスリードがより悪いのか」という問いを考察して著者としての見解を明示するにいたる。この4章をもって、本書の原理的な探求自体は完了する。終章となる第5章は、前章までで得た原理をもとに、改めて「嘘とミスリード」に関する例題を検証する応用編にあたる。 主に倫理的な側面での興味がもともとの動機で、個人的に関心をもって読めたのは第1章と第4章だった。第4章で提示される、嘘の道徳性に関する二つの大きな伝統である「功利主義とカント主義」のうち、カント主義ではミスリードを許容する考え方は他の著書で読んで気になっていた箇所であり、個人的に注目していたところに応えてくれるものだった。「嘘がミスリードがより悪いのか」という本書でとくに目を引く問いについては、著者の回答は抽象的ではなく明解であり、その回答内容と具体例にも、「言われてみれば」と納得することができた。 一方、言語哲学の観点からの分析が主となっていると思われる2・3章などは、前提として参照されている、言語哲学の重要な概念らしい「言われていること」の理解が進まず、展開される理論も私には難しかった。もともとが倫理的な観点の読み物を期待していたこともあって、今回の読書では読み解こうと思えるだけの興味をもつこともできなかった。全体としては一応目を通した程度の箇所もかなり多く、まともに読めたのは半分もないかも。もし私と同じような動機での読書なら、4章だけでも支障はないと思えます。

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2021/12/26

Lying, Misleading, & What is Said: An Exploration in Philo https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766427455/

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2021/06/26

日本経済新聞社小中大 記事利用について 印刷 印刷 言葉はいかに人を欺くか ジェニファー・M・ソール著 嘘とミスリードを哲学する 2021/6/26付日本経済新聞 朝刊 こんな場面を想像されたい。ある老婦人がいまわの際に、自分の息子は元気にしているかと知りたがっている。昨日、あな...

日本経済新聞社小中大 記事利用について 印刷 印刷 言葉はいかに人を欺くか ジェニファー・M・ソール著 嘘とミスリードを哲学する 2021/6/26付日本経済新聞 朝刊 こんな場面を想像されたい。ある老婦人がいまわの際に、自分の息子は元気にしているかと知りたがっている。昨日、あなたが彼に会ったときは元気そうだった。ただ、その直後に交通事故で亡くなっている。では、なんと答えるか。 ありのままに伝えるか、沈黙を守るか。そうでないとしたらどうするか。例えば、「彼は元気にしていますよ」と答える。この場合、嘘をつくことになる。では、嘘をつかずに済む言い方はあるだろうか。「昨日会ったとき、彼は元気そうでしたよ」なら嘘ではない。その直後の出来事を伝えないだけだ。つまりミスリード、事実を述べながら老婦人に誤解させるわけだ。 これは本書『言葉はいかに人を欺くか』で提示されている例である。言語哲学を専門とする著者の関心は、どうしたら嘘とミスリードを明確に区別できるかという点にある。そんなのは自明ではないか、と思うかもしれない。直感的にはそうだ。右の例でも、嘘とミスリードの違いは明白に思える。だが、他の場合も含めて、多様な例について両者の区別をしようと思ったら、一筋縄ではいかない。嘘のつもりで話したことが事実だった場合はどうか、人を欺くという意図は必要か、などなど。 嘘とはなにか。それはどんな条件で成り立つのか。著者は、素朴な定義から出発して、検討しながらよりよい定義に書き換えてゆく。日頃なんの気なしに使っている言葉が、なんと複雑なのかと驚かされる。 本書では、道徳的には嘘とミスリードはどちらがましか、特定の人びとに字面とは別の意味を伝えて煽動(せんどう)する「犬笛」はどのような仕組みか、といったことも検討されている。普段必ずしも意識されない言語や心理のメカニズムを、できる限り厳密に考えるとなにが見えてくるか、というわけである。 こうした試みには、まだ解明されていない言葉の性質を探究する面白さがある。加えて実践的な意義もある。例えば、人びとを欺く発言をして恥じない政治家がいるとして、かれらが使う嘘やミスリードや犬笛を分析するには、本書のような検討が不可欠だ。けっして与(くみ)しやすい本ではないが、誰もが多種多様なフェイクにさらされ続ける現在、じっくり取り組む甲斐(かい)のある一冊だ。 《評》ゲーム作家 山本 貴光 原題=LYING, MISLEADING, AND WHAT IS SAID(小野純一訳、慶応義塾大学出版会・3520円) ▼著者はカナダの大学教授。専門は言語哲学など。

Posted byブクログ

2021/06/20

この面倒な本訳したのはえらいなー。 ただ、「犬笛」のところだけめくったけど、ドレッドスコット判決とかそれに言及した子ブッシュの発言とかは、解説がないとわかりにくいなあ。まあ言語哲学とかの専門論文レベルの本なのでしょうがない。この分野盛んになるといいっすね(っていうか盛んになって...

この面倒な本訳したのはえらいなー。 ただ、「犬笛」のところだけめくったけど、ドレッドスコット判決とかそれに言及した子ブッシュの発言とかは、解説がないとわかりにくいなあ。まあ言語哲学とかの専門論文レベルの本なのでしょうがない。この分野盛んになるといいっすね(っていうか盛んになってるのよね)。

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