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「テレビは見ない」というけれど の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2021/06/13

第7世代がどんな存在であるかをあまり考えずにぼんやりバラエティを見てた者なので、西森路代さんの指摘をはしめ、彼らが相対化したエンタメ業界の問題点などを俯瞰する一冊になった。ドラマの章は見ておくべき作品のリストが充実したのと、楽しみ方、見るときの視点を得られたのでまぁまぁ満足。 ...

第7世代がどんな存在であるかをあまり考えずにぼんやりバラエティを見てた者なので、西森路代さんの指摘をはしめ、彼らが相対化したエンタメ業界の問題点などを俯瞰する一冊になった。ドラマの章は見ておくべき作品のリストが充実したのと、楽しみ方、見るときの視点を得られたのでまぁまぁ満足。 点数低めなのは、リアルタイム性を意識したためか、各々のフィールドから語るのみにとどまってしまっている印象があるゆえで、とても良いことを書いてるので、わかりにくく、伝わりにくいものをもっと伝える努力があってもよいような、と思ったからである。わかりにくいものはわかりにくく、文脈も複雑なのは承知の上で。 --- 以下は散漫的に思ったことを。 バラエティについて。何がホモソーシャル的な振る舞いなのかを、敏感に感じ取って、なんとなく受け流される空気に違和感を残しながら生きるのではなく、スッと冷静になりたいものだと思う話しだった。 女性芸人のキャリアの話も興味深い。the Wをようやくまともに観た昨年、女性のお笑いキャリアをどんなふうに見ればいいものかいろいろ考えたが、女優ほど異世界に住む人ではない、自分たちの世代のロールモデルということばが結構しっくりきた。自分が吉住をみてちょっと元気が出たり、渡辺直美やプルゾンちえみの海外展開へのエネルギッシュな姿を見てまたそれはそれて心が元気になるのもそういうことなのかもしれない。 --- ドラマの批評では、「身近な共生している恋人や家族による知らずしらずの加害性と、そこからのいきづらさ」についての章が個人的な関心の真ん中だった。リアルな社会はどちらかというとそっち側(自分も実親による「オンナの人生」の固定観念と日々静かに戦っている)なので、ドラマが逆に辛くて見られないとか、深く共感する人々がSNSでハッシュタグを介して思いを吐露する姿に繋がる。 そして最後の章、周縁化された人々、マイノリティの物語のリプレゼンテーション(再現前性)というのは自分に足りない視点だなと内省する。この本に登場される方々の地道な批評活動と、視聴者がその視点を内在化することの繰り返しが、コンテンツ側を変えていくのだろうか、視聴者側として努力を絶やさないようにしなければ。

Posted byブクログ

2021/06/06

最近のテレビ番組をフェミニズムやジェンダーの観点から批評した一冊。ドラマ編は膨大な作品群を基に考察されておりとても勉強になった。ただ、バラエティ編はそれに比べると物足りない。P.71に「女性同士のゆったりした時間のなかで生まれるたわいない会話を楽しみたいというファンもいる」と書か...

最近のテレビ番組をフェミニズムやジェンダーの観点から批評した一冊。ドラマ編は膨大な作品群を基に考察されておりとても勉強になった。ただ、バラエティ編はそれに比べると物足りない。P.71に「女性同士のゆったりした時間のなかで生まれるたわいない会話を楽しみたいというファンもいる」と書かれているということは男女で笑いの感性に違いがあることは認める立場に立っているわけで、それであるならばもっと根本的に男性的な笑いや女性的な笑いといった笑いのメカニズム・暴力性から論じないとフェアではないだろう。また「ほとんどテレビを見ない」と自ら宣言する人がこのテーマで書くのはさすがに無理があるのではないか。桃山商事は好きなので尚更残念だった。個人的にはフェミニズムにも濃淡や流派のようなものが生まれてきており、一括りで論じるには主語が大きすぎるようになってきたと感じる。

Posted byブクログ

2021/05/23

若い人がテレビを見ないと言われて久しい。それでもテレビの影響力は少なくない。 男女平等やジェンダーに関して社会が大きく変わる中、男性中心のテレビづくりや番組の現状と問題を指摘する。 特にフェミニズムとドラマは、恋愛中心のドラマに見える変化を分かりやすくまとめている。 テレビの見方...

若い人がテレビを見ないと言われて久しい。それでもテレビの影響力は少なくない。 男女平等やジェンダーに関して社会が大きく変わる中、男性中心のテレビづくりや番組の現状と問題を指摘する。 特にフェミニズムとドラマは、恋愛中心のドラマに見える変化を分かりやすくまとめている。 テレビの見方が変わるはず。

Posted byブクログ

2021/05/01

気になるドラマが立て続けに始まり、社会人になってから今1番テレビを観ているので気になって購入しました。 テレビを観る人が年々減ってきているなか、特にジェンダー意識に焦点を当てて今のテレビの問題点を洗い出していくという内容。 テレビが面白くなくなったのは、言いたいことが言えなくなっ...

気になるドラマが立て続けに始まり、社会人になってから今1番テレビを観ているので気になって購入しました。 テレビを観る人が年々減ってきているなか、特にジェンダー意識に焦点を当てて今のテレビの問題点を洗い出していくという内容。 テレビが面白くなくなったのは、言いたいことが言えなくなったからではなく、時代の変化に合わせず昔は良かった精神で価値観をアップデートしないからなのではないかと書かれています。概ね賛同ですが、お笑い第7世代の台頭やテレビドラマではジェンダー意識が洗練されたものも増えつつあり希望も微かにあるということです。話題に上がる作品や番組を観ていなくても勉強になり、むしろ観るきっかけになるかと思います。これを読んでからだとテレビの見方が変わりそうです。

Posted byブクログ