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チャリング・クロス街84番地 増補版 の商品レビュー

4.3

42件のお客様レビュー

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2024/07/01

続きものの下巻が届くのを待つ時間に読める軽めの本と思い、本棚から取り出した一冊。 期待以上の満足感。書簡形式で、ロンドンの古本屋さんと、アメリカの一人の顧客との20年にも渡るつながり。一度も会うことのなかった二人なのに、親友のようなやりとりと客と店員との関係を超える友情。そして、...

続きものの下巻が届くのを待つ時間に読める軽めの本と思い、本棚から取り出した一冊。 期待以上の満足感。書簡形式で、ロンドンの古本屋さんと、アメリカの一人の顧客との20年にも渡るつながり。一度も会うことのなかった二人なのに、親友のようなやりとりと客と店員との関係を超える友情。そして、読書家には嬉しい様々な本の知識。大きく物語が動くわけではないのにページを繰る手が止まらない。 心温まる一冊です。

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2024/05/02

戦後のアメリカで暮らす作家がイギリスの古書店の書店員と本の購入と手紙のやり取りで交流を続けていく約20年の記録。本によるつながりは今でも生まれ得るのだろうけど、手紙を通じた関係性というのはなかなか今の時代には表れにくいだろうことを感じるためか、本書で紹介されているのは実話というか...

戦後のアメリカで暮らす作家がイギリスの古書店の書店員と本の購入と手紙のやり取りで交流を続けていく約20年の記録。本によるつながりは今でも生まれ得るのだろうけど、手紙を通じた関係性というのはなかなか今の時代には表れにくいだろうことを感じるためか、本書で紹介されているのは実話というか実際の書簡集なのだけど、素敵な小説を読んだようなあたたかく心をくすぐられるような感覚になる。本と本屋を愛する人には自信を持ってオススメします。

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2024/04/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

広い大西洋を挟んだロンドンの書店に務める男性とニューヨークに住む女性脚本家の書簡集、ドキュメント。 それぞれの国の食料事情など互いに思いやりを持っての文通と本の注文のやりとり。 現代では味気ないネット通販となりがちだけれどこの時代だからこその味のある文面と互いの本の知識の交換に目を見張るものを感じる。一冊一冊に注釈も入り、本を愛する人に愛される二十年にも渡った書簡集となったのはありがたく嬉しい限り。 本好きという人種には一種同じような空気感まとわりついてますね〜

Posted byブクログ

2024/01/19

お気に入りのポッドキャスト“Books Unbound”でホストのArielが2023年に読んだベスト本のうち3位にこちらの原作を挙げていたので、気になって図書館で借りてきた。 なんというか、お手紙って、微笑ましい。 もちろん当事者達にとっては苦労の多い生活の渦中だったのだけど...

お気に入りのポッドキャスト“Books Unbound”でホストのArielが2023年に読んだベスト本のうち3位にこちらの原作を挙げていたので、気になって図書館で借りてきた。 なんというか、お手紙って、微笑ましい。 もちろん当事者達にとっては苦労の多い生活の渦中だったのだけど。だからこそ。会ったこともないのにいつしかお互いに返事を心待ちにしていたり、その繋がりが生きていく糧になったりもする。 英語で読もうかとも迷ったけど、巻末エッセイが載っている、こちらを読んでよかった。著者の後日談も、優しい世界に心が温まる。(それらがあっての星4) 昔の作品や人物について少し解説してくれている注釈も助かった。(原文の誤りも訂正されていたし) いつか再読する際には、オリジナルを読みたいと思う。 私は普段は気が散らないように無音かカフェのノイズを流して読書するのだけど、気分でSpotifyの読書用のプレイリスト(“Reading Soundtrack”とか)をかけながら本作を読んでみたら、穏やかな音楽の雰囲気と相まって、より温かさが沁みた気がする。のでおすすめする。

Posted byブクログ

2024/01/17

ニューヨークに住む古本が好きな女性へレーンと、ロンドンの古書店に勤める男性フランクとの20年に渡る往復書簡集。 最後の最後まで、実話とは知らずに読んでました。 最初は古書店宛ての注文から始まるんだけど、やり取りを重ねるうちに生まれた友情のような愛情のような温かい心の交流が描かれて...

ニューヨークに住む古本が好きな女性へレーンと、ロンドンの古書店に勤める男性フランクとの20年に渡る往復書簡集。 最後の最後まで、実話とは知らずに読んでました。 最初は古書店宛ての注文から始まるんだけど、やり取りを重ねるうちに生まれた友情のような愛情のような温かい心の交流が描かれています。 いいなぁ。本好き同士の文通。 メールじゃなくて、直筆で。 切手を貼ってポストに投函。 返事来てるかな?って待つ時間も良いなぁ。 アナログな温かさって豊かだよなぁと思う。 “余白に書き込みがある古本や、前の持ち主のお気に入りのページがパッと開くような本が好きで、愛読書家同士の心の交流が感じられてとても楽しい” と言うへレーンの本の愛し方が好き。 私自身、古書店で購入してこの本を読めたことがとても嬉しい!

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2024/01/11

本を愛する人の幸せな書簡。 アメリカのある女性が、ロンドンの古書店に注文の手紙を送る。対応するのは控えめな優しさと確かな本の知識を持った古書店の男性。約20年にわたる書簡をまとめたもの。ここには本への愛、仕事への誇り、人を思う優しさ、そして憧れが詰まっている。

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2023/12/10

実際に何十年もの間、主に英国の古書店員と米国の顧客との間で交わされた書簡(いうなれば発注書と送り状)集。 現代ではおとぎ話のようにも思えてしまうような、紙に書かれた文章を通した交流は、確かに心温まるのだけれど、米国の顧客(作家)の謂わば発注書に書かれる"冗談"...

実際に何十年もの間、主に英国の古書店員と米国の顧客との間で交わされた書簡(いうなれば発注書と送り状)集。 現代ではおとぎ話のようにも思えてしまうような、紙に書かれた文章を通した交流は、確かに心温まるのだけれど、米国の顧客(作家)の謂わば発注書に書かれる"冗談"は、私には、時に、顔も知らない相手へ書くにはかなりキツいものに感じてしまった。私は欧米のユーモアのセンスを理解できていないなと改めて感じた。

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2023/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アメリカの駆け出し女性脚本家がイギリスの古書店に発注の手紙を送る。そこから発注本と手紙を通して交わされる古書店店員達やその家族との心の交流。SNSで受動的に人となりを知ることが多くなり、一対一の文通でお互いを知っていくというやり方を私は実践したことがない。電子書籍ではなく紙、というか古書でこそ読みたい本。

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2023/10/31

1949年10月5日から始まる、ロンドンの古書店マークスの店員とニューヨークの脚本家ヘレーン・ハンフとの20年間の交流を描いた書簡集。ネットの普及により奔流のような伝達の迅速性や簡易性を得た代償に、緩やかな流れからの景色のような大切なものが失われたことに気付かされる。大戦後の米国...

1949年10月5日から始まる、ロンドンの古書店マークスの店員とニューヨークの脚本家ヘレーン・ハンフとの20年間の交流を描いた書簡集。ネットの普及により奔流のような伝達の迅速性や簡易性を得た代償に、緩やかな流れからの景色のような大切なものが失われたことに気付かされる。大戦後の米国の好景気と英国の疲弊の様子も綴られ、食糧を贈るへレーンと喜ぶ店員からの感謝の手紙にはほっこりさせられる。カジュアルなへレーンと律義でフォーマルなドエルや店員とのウィットやユーモアに富む手紙のやりとりは、江藤淳の巧みさもあって大西洋を隔てた両者の笑顔や困惑顔が目に浮かんで来る。心和らぐ一冊でした。 I love inscriptions on flyleaves and notes in margins, I like the comradely sense of turning pages someone else turned, and reading passages some one long gone has called my attention to. 私は見返しに献辞が書かれていたり、余白に書き込みがあるの大好き。だれかほかの人がはぐったページをめくったり、ずっと昔に亡くなった方に注意を促されてそのくだりを読んだりしていると、愛書家同士の心の交流が感じられて、とても楽しいのです。

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2023/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(借.新宿区立図書館) 1949年から20年間にわたる米国作家と英国古書店との手紙によるやり取り。その時代でなければなかったであろう関係。古書店員の死により手紙のやり取りは終わってしまう。 本が書かれた時点で結局作家は古書店を訪ねることはなかった。増補版の「その後」でもわからないが、あえて行かなかったということだろうか? 現代では米英間も簡単に行き来できるだろうし、インターネットでやり取りは簡単にできてしまう。なんなら画面上で顔を合わせることも。それはそれとしてこういう時代もあったという懐かしいやりとりも雰囲気があっていいもの。

Posted byブクログ