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ペスト の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2024/05/21

洋書特有の読みにくさがある。オランの街を襲った悲劇と市民の行動については、コロナ禍を経験したために理解できるものの、コロナ前に読んでいたらよく分からなかったと思う。 ペストの詳細や克服法についてはあまり載っていないし、小説として読むには事実を淡々と記載しているばかりなので、人には...

洋書特有の読みにくさがある。オランの街を襲った悲劇と市民の行動については、コロナ禍を経験したために理解できるものの、コロナ前に読んでいたらよく分からなかったと思う。 ペストの詳細や克服法についてはあまり載っていないし、小説として読むには事実を淡々と記載しているばかりなので、人にはお勧めしにくい。

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2024/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一人一人が違う視点からペストに立ち向かっていくのが印象的だった。 「しかし、自分一人が幸福になることは、恥ずべきことかもしれないんです。」 どうにか街を出て恋人に会いに行こうとし続けたランベールの考えに変化が生まれた瞬間。 「向こうに残してきた彼女を愛するにも邪魔になるに違いないんだ。」 物語の終盤に、ペストの終結に無邪気に喜んでいる人と裏腹に、愛する人を失っている人も存在するということに気づいているランベール。その後彼女とどうなったかは描かれていないが、以前のように彼女を愛することは出来なくなっていると思う。 「愛というものは、決してそれ自らの表現を見出し得るほどに力強いものでは無いことを、知っていた。その結果、母親と自分とはいつまでも沈黙の中で愛し合っていくだろう。」 愛を明確に言語化することはできないということ。愛をいくら言語化しようとしても、相手に全てをそのまま伝えることはできない。人間は決してひとつになれない。 文体が難しい。もう1回読みたい。

Posted byブクログ

2023/10/09

コロナが何者か分からなかった頃、2ヶ月ほどが外出自粛を命じられ、どこにも出かけることができず、また、誰かに会うこともできない辛さを知っている私たちにとって、共感できる部分は多かったように思う。また、見えないものとの闘いは、恐怖心を募らせると共に、人間を支配していくということを感じ...

コロナが何者か分からなかった頃、2ヶ月ほどが外出自粛を命じられ、どこにも出かけることができず、また、誰かに会うこともできない辛さを知っている私たちにとって、共感できる部分は多かったように思う。また、見えないものとの闘いは、恐怖心を募らせると共に、人間を支配していくということを感じ、感染症の種類は違えど、同じような環境に置かれた人は同じようなことを思うのだと痛感した。もし、今後また異なる感染症が流行した時にもう一度読みたいと思う本であった。

Posted byブクログ

2023/09/19

結構分厚かったので、時間がかかった。 オランで流行ったペストの話だが、現在のコロナの話と通じるものがあるとのことで、読んでみたが、まさにその通りだった。 流行り始め、行政の対応、隔離、パニック、血清、、、 その中で、医師であるリユーの細やかな心の描写も描かれている。過酷な状態にな...

結構分厚かったので、時間がかかった。 オランで流行ったペストの話だが、現在のコロナの話と通じるものがあるとのことで、読んでみたが、まさにその通りだった。 流行り始め、行政の対応、隔離、パニック、血清、、、 その中で、医師であるリユーの細やかな心の描写も描かれている。過酷な状態になった患者と向き合う必要があり、それが幼い子供で苦しんでいる状況を見る、ここの描写は私もとても辛かった。 病気の大流行は、昔も今も変わらず人を苦しめる、パニックにならないようにと思っても惑わされてしまう。この作品はかなり昔の作品だが、今に通じるものがある。これを読んで、戒めとしたい。

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2022/12/29

40年来、気になっていた この作品を新訳が岩波文庫から出たので、この機会にやっと読むことができた。哲学的な語りに圧倒された。

Posted byブクログ

2022/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

カミュの作品を読むのは、『異邦人』に続いてこれが2冊目。2冊に共通して感じたのは、自然や季節の情景描写が非常に美しいこと。言葉選びが素敵で、これは訳者のおかげでもあると思う。 コロナパンデミック真っ只中の今、この本に描かれる大切な人に会えない辛さやそれに対する登場人物の反応を読むことで自分の心が軽くなった。ペストやコロナといった災禍は人々に苦しみをもたらすが、時が経てばやがて平和な日々が戻ってくる、そんなことを改めて学んだ。 「一番難しい仕事ってわけじゃありませんしね。ペストがあるから防がなくちゃいけない。明らかなことです。」市役所職員のグランのこの考え方はとても良いなと思った。何事に関しても、無駄に焦ったり悩んだりせずにただ目の前のことをすれば良い。

Posted byブクログ

2022/06/17

【琉球大学附属図書館OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC06723687

Posted byブクログ

2021/09/05

作者自身はナチスドイツ占領時代のドイツを投影してこの作品を書いたようだけれど、コロナ禍で読むと感染下の都市の動きがリアルに描写されているのに驚く。 きっとコロナ禍前に読んでいたらここまで共感はしなかっただろうな。 私も医療者の端くれなので、リューの考えに共感。ヒロイズムに走る事な...

作者自身はナチスドイツ占領時代のドイツを投影してこの作品を書いたようだけれど、コロナ禍で読むと感染下の都市の動きがリアルに描写されているのに驚く。 きっとコロナ禍前に読んでいたらここまで共感はしなかっただろうな。 私も医療者の端くれなので、リューの考えに共感。ヒロイズムに走る事なく、淡々と目の前の出来る事をこなしていく事が1番大切だと改めて実感した。

Posted byブクログ

2022/01/12

新訳刊行の紹介をみて購入。ものすごく時間がかかった。自分もあいにくの療養中なので集中力が途切れがちになりながらも、しっかりと胃の腑に落ちるに落ちてくるようなかみごたえのある読書体験となった。読みやすい訳文だった。

Posted byブクログ

2021/07/03

岩波文庫より新訳となって出版されて購入した! 暗澹とした雰囲気の中描かれる街並み、狂っていく登場人物、ペスト禍の中で考え抜かれる新たな哲学と視点の捉え方は数多あると思います! ただ、私にはこの本は少し重かったです。 小説をあくまでフィクションと捉えて、哲学・文章表現などを学ぶ方...

岩波文庫より新訳となって出版されて購入した! 暗澹とした雰囲気の中描かれる街並み、狂っていく登場人物、ペスト禍の中で考え抜かれる新たな哲学と視点の捉え方は数多あると思います! ただ、私にはこの本は少し重かったです。 小説をあくまでフィクションと捉えて、哲学・文章表現などを学ぶ方にはあまりオススメできないかもしれません。(私がそのタイプです笑) やはりナチス占領下の時代背景を暗喩した説は、それが答えじゃなかったとしても作者からの直接的な政治的思想を感じとることはできました。 コロナ禍の悲惨な状態から復帰できた暁に、今後の生き方を考察することを目的として再読するべきものとして本書を私は取り扱う。

Posted byブクログ