白鯨 MOBY-DICK の商品レビュー
近々、四国遍路で高知県を回る予定があり、ジョン万次郎に関する本を読みたかったので図書館で借りて読む。 土佐の漁師の家に生まれた少年万次郎の漂流記かと思いきや、そのタイトルの通り、漂流の途中に救われた捕鯨船で体験した「白鯨」との死闘の記録。 アメリカの名作「白鯨」(メルヴィル著...
近々、四国遍路で高知県を回る予定があり、ジョン万次郎に関する本を読みたかったので図書館で借りて読む。 土佐の漁師の家に生まれた少年万次郎の漂流記かと思いきや、そのタイトルの通り、漂流の途中に救われた捕鯨船で体験した「白鯨」との死闘の記録。 アメリカの名作「白鯨」(メルヴィル著)のオマージュなのか、実録と虚構が入り混じった独特の世界が広がる。 エイハブ船長と彼の執念を受け継ぐ万次郎と白鯨との命を懸けた攻防とそのラストシーンは迫力満点。 途中一部中だるみの部分もあったが、最後まで楽しんで読ませてもらった。 面白かった。
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獏先生が。。。白鯨ッ!? っていうだけで星4つ以上は確定だよね。 モビーディックの描写はもう少し怖さがあってもいいなーと思ったけど、終盤に近づくに従って怖くなるね。最後の決戦はとくに。フェデラーが刺さっちゃっておいでおいでするとか超おもしろい。よくそんなの思いつくよね。 そしてメルヴィル=〇〇というオチも、ほんとにそんなことあったかもしれないって思わせる。 あとはなー鯨との対決のシーンが、どうしても格闘小説の濃密さと比べちゃうと、物足りないんだよねーそんなのワガママってわかってるけどさー。
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ジョン万次郎は、実はエイハブ船長の船に拾われていた?! 多少無理やりとはいえ筋を通しているのが凄い。 身分や出身でガチガチな土佐と、いろんな思想・人種がいるピークオッド号の対比とか、スターバック不在の謎とか、テクニックも凄いけど、魂削って書いているかのような熱い文も凄い。 読み応...
ジョン万次郎は、実はエイハブ船長の船に拾われていた?! 多少無理やりとはいえ筋を通しているのが凄い。 身分や出身でガチガチな土佐と、いろんな思想・人種がいるピークオッド号の対比とか、スターバック不在の謎とか、テクニックも凄いけど、魂削って書いているかのような熱い文も凄い。 読み応え十分。御馳走でした。
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ハーマン・メルヴィル作の真っ白な巨大鯨モービィ・ディックを追いかけるエイハブ船長の物語をご存知の方は多かろう。 そのお話をベースに、難破した高知の少年漁師である中浜万次郎が絡む、奇想天外の物語なのだ。 エイハブ船長と万次郎が絡むお話など、どこでどうして結びつくのかは、読み始めての...
ハーマン・メルヴィル作の真っ白な巨大鯨モービィ・ディックを追いかけるエイハブ船長の物語をご存知の方は多かろう。 そのお話をベースに、難破した高知の少年漁師である中浜万次郎が絡む、奇想天外の物語なのだ。 エイハブ船長と万次郎が絡むお話など、どこでどうして結びつくのかは、読み始めてのお楽しみにしよう。 作者の夢枕獏氏は、この「白鯨」を高知新聞の朝刊に連載されていたとの事だ。 万次郎ゆかりの地である高知新聞に連載したのも何かの縁なのだろう。 夢枕氏は、ノリに乗ってこの連載を書き続け、多いにストリー作りを楽しんだと、自らあとがきで記されている。 終盤に入り、徐々に幕引きを迎えるのが嫌だったとも語っている程に、この作品には入れ込んだらしい。 その情熱通り、なかなかの奇想天外の物語となっている。
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エイハブは、あいつを、モービィ・ディックを見た途端、心の奥の奥ーことによったら、普通は死ぬまで開けることのない扉、そんな扉があることすら気がつかないような、その心の底の扉を開けられてしまったんだよ。 白鯨にね。 ここが なんか好き。 凄い迫力で 映画を見ているような 一緒...
エイハブは、あいつを、モービィ・ディックを見た途端、心の奥の奥ーことによったら、普通は死ぬまで開けることのない扉、そんな扉があることすら気がつかないような、その心の底の扉を開けられてしまったんだよ。 白鯨にね。 ここが なんか好き。 凄い迫力で 映画を見ているような 一緒に船に乗っているような 臨場感をたっぷり味わいました! あ〜読んでよかった! 夢枕獏さん ありがとうございます!
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ジョン万次郎を救ったのが、エイハブ船長のピークオッド号だったら。そうifの物語だ。万次郎はエイハブ船長や他の乗組員と共に《白鯨》モービィ・ディックを追う。 夢枕獏氏は、何かに取り憑かれた男を描くのが得意。そして、元の「白鯨」に万次郎を上手く溶け込ませている。序盤の土佐の漁村...
ジョン万次郎を救ったのが、エイハブ船長のピークオッド号だったら。そうifの物語だ。万次郎はエイハブ船長や他の乗組員と共に《白鯨》モービィ・ディックを追う。 夢枕獏氏は、何かに取り憑かれた男を描くのが得意。そして、元の「白鯨」に万次郎を上手く溶け込ませている。序盤の土佐の漁村の風景から太平洋でのモービィ・ディックとの死闘まで500頁を超え大著だが、あきずに読むことができた、
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メルヴィルはエセックス号の物語から白鯨を創った。夢枕獏は白鯨から何を創りたかったのか。 読みやすくはなっているが、万次郎を加えたにもかかわらず新しい物語を生み出せなかった本作は、原書から大幅に劣化した焼き直しになってしまっている。
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面白かった! 男が惚れる男を描くのが上手いなと思う。 全体の割合でいうとほんのわずかしか出てこないラスボスが、至る所に存在感を発揮している。
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ジョン万次郎が漂流したときに救われた捕鯨船。もしそれがメルヴィル「白鯨」のピークォッド号だったなら、という物語。メルヴィルの「白鯨」は読んでいなくて、ざっくりとした内容しか知らなかったのですが。それでも充分すぎるほどに楽しめる、壮大な冒険譚です。 万次郎の子供時代の物語からして、...
ジョン万次郎が漂流したときに救われた捕鯨船。もしそれがメルヴィル「白鯨」のピークォッド号だったなら、という物語。メルヴィルの「白鯨」は読んでいなくて、ざっくりとした内容しか知らなかったのですが。それでも充分すぎるほどに楽しめる、壮大な冒険譚です。 万次郎の子供時代の物語からして、ぐっと惹きつけられます。「化け鯨の半九郎」との出会い。彼との交流により、どんどん鯨に魅せられ囚われていく万次郎の心境。もうここから物語がどのように進んでいくのかわくわくしっぱなし。そしてやがて訪れる遭難と、ピークォッド号に救われてからの日々。どこをとってもわくわくどきどきしっぱなしでした。 捕鯨への圧倒的な熱意を持った男たちと、ひたすらモビー・ディックへの復讐に心囚われるエイハブとの対比も鮮烈です。同じ方向を見ているようで、志はひとつじゃないのだけれど。どういうかたちであれ「魅せられている」ことには変わらないのかも。鬼気迫るような終盤まで、読む手が止まりませんでした。あまりに壮絶な物語です。
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夢枕獏が書く白鯨に期待は大きかったが、実在のジョン万次郎が虚構の世界に加わった以上のものは感じられなかった。 元の白鯨自体、岩波のジュニア版しか読んだことはないが。
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