ここが変わった!「聖書協会共同訳」 新約編 の商品レビュー
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「ここが変わった聖書協会共同訳」,「新約編」読了2024/5/15,「旧約編」読了5/16。新共同訳と新改訳2017との比較がなされている。それはよいのだが,不思議なのは,改訂して良くなったはずの聖書協会共同訳に対する批判の記述(むしろ悪くなった(改悪)との指摘)があちこちに見られること。これは一体どういうことなんだ? 7/12,その辺を調べてみた。AI Chat群に下記プロンプトで尋ねてみたら興味深い回答が得られた(回答略):「日本キリスト教団出版局の書籍,『ここが変わった!「聖書協会共同訳」旧約編』,『ここが変わった!「聖書協会共同訳」新約編』を読み,疑問に思ったので質問します。本書の著者名として次の氏名が挙がっています。旧約編の編者(3名):大島 力,小友 聡,島先 克臣。著者(7名):飯 謙,池田 裕,石川 立,小林 進,高橋 洋成,月本 昭男,本間 敏雄。新約編の著者(6名):浅野 淳博,伊東 寿泰,須藤 伊知郎,辻 学,中野 実,廣石 望。しかし,内容的に,「聖書協会共同訳」聖書を批判する箇所が多いところを見ると,どうも「聖書協会共同訳」聖書の翻訳者が書いた本ではなさそうな印象を受けました。あるいは,Wikipediaに「編集委員等」として,諮問会議議員(17教派・1団体),翻訳者(62名),編集委員(43名),検討委員(23名),外部モニター(20名)の名前が挙がっており,上記氏名と照合したところ,島先 克臣さんだけWikipediaに名前がありませんでした。しかし,Wikipediaの「出典」に記載のある資料,すなわち「聖書 聖書協会共同訳について」PDFの「参考文献」に,島先克臣「聖書の翻訳理論と新翻訳事業」『福音と世界』第71巻第4号(2016年4月),37-43頁,同「新しい翻訳聖書とその特徴」『福音宣教』第70巻第10号(2016年11月)、29-35頁 として記載あるのを見つけました。よって,この『ここが変わった!「聖書協会共同訳」』シリーズは翻訳者が関わった本であることは間違いないようです。とはいうものの,Wikipediaを見ると,『原語担当者が作成した訳稿が第1稿、日本語担当者がこの第1稿を日本語面から改訂した訳稿が第2稿、両者が話し合って作成した訳稿が第3稿で、(中略)翻訳者委員会での検討を終えた訳稿が第4稿、礼拝における朗読にふさわしい訳稿となっているかチェックを受け、原語担当者が訳稿を改訂したものが第5稿、編集委員会で検討され第6稿となった』と書かれているのを見ると,翻訳者(すなわち原語担当者)は最終決定権は持っていないようです。そのため,最終的に自分の翻訳したものと違ったものが最終稿になってしまい,批判が出てきてしまったのかも。あるいは,自分の担当範囲とは別の箇所に対しての批判なのか。翻訳者62名に対し,『ここが変わった!「聖書協会共同訳」』シリーズの著者数は少なすぎます。 ちなみに,新日本聖書刊行会「聖書翻訳を語る 『新改訳2017』何を、どう変えたのか」(いのちのことば社,2019年1月24日),新改訳聖書刊行会「聖書翻訳を考える: 「新改訳聖書」第三版の出版に際して」(いのちのことば社,2004年10月1日)については,間違いなく新改訳聖書の翻訳者・編集者が書いている本です。それと比べてみると,なんか記述が怪しい感じなのです。まるで,藤原藤男「聖書の和訳と文体論」(キリスト新聞社,1974年,国立国会図書館デジタルコレクションでWEBで閲覧可)みたいに,第三者が評論しているような感じが,『ここが変わった!「聖書協会共同訳」』シリーズに有る気がするのです。どんなものでしょうか?
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