狩猟に生きる男たち・女たち の商品レビュー
狩猟それ自体や社会と獣害の問題について見識を深めたいのであれば、罠猟師からの視点が多いものの学者的な目を持って説得力のある論を展開している『けもの道の歩き方』(千松信也著)を読むと良い。本書は、大して自分自身での猟の経験がないくせにライフルを使った熊撃ちを批判して散弾銃を使った至...
狩猟それ自体や社会と獣害の問題について見識を深めたいのであれば、罠猟師からの視点が多いものの学者的な目を持って説得力のある論を展開している『けもの道の歩き方』(千松信也著)を読むと良い。本書は、大して自分自身での猟の経験がないくせにライフルを使った熊撃ちを批判して散弾銃を使った至近距離での猟こそ素晴らしい、と言っておきながら自分自身の仲の良い猟師がライフルで集団猟をしていると知ったらヨイショし始めるブレブレで、子供に動物の解体を見せるべきだといい出す危険思想の持ち主で、唐突に自分自身の狩猟免許取得の話や自慢話やよくわからない精霊の話をわざわざ語り出すよくわからない年配の男性が書いているつまらない文章の集合体、と思って頂いて良い。各地の猟師についてしっかり語ってくれればよいものをそこをおざなりにしてまで無教養な持論を展開し、あげく外来生物のキョンを根絶やしにするために国が積極的に乗り出すべきだなどと頓珍漢なことを言い出す始末。関係している猟師の方々の実態や鉄砲店の現状が微見える点では評価に値するが、それを描く人間に問題があるとここまで酷い書物ができあがるのか、と思った。猟師に関するルポルタージュとして本書を読みたいと思うなら、殆どのページを飛ばした方が良い。
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