緑の牢獄 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
かつて西表島には炭鉱があり、そこでは沖縄の人だけでなく、内地人、朝鮮人、台湾人が暮らし働いていいたという。 ひょうんなことから西表島の炭鉱のことをしったドキュメンタリー映像作家の著者は、当時のことをよくしる一人のおばあを対象になんども取材し、映画を作り上げた。この本は書名と同じタイトルの映画を制作する上でできた副次品のような位置付けである。 本からは当時の牢獄のような炭鉱の様子が窺えるが、この本は映画制作を通じて、著者が悩んだ点やはたしてどっキュメンタリー映画とはどうあるべきか悩んだことが赤裸々に書いてある。 映画をつくらなくても、歴史的事実はあり、その事実は忘却の彼方へと失われる。その忘却に抗うすべとして、映画をとり、また映画をみることで、過去の出来事を現在に生きる我々が、また未来に生きる人々が追体験できるように映像を残す。 そしてただホームビデオのように映像を資料として残すのでななく、映画監督という軸に、一人の女性の視点という軸に落とし込んでいく。それは決して完璧な射影とはならなくても、みた人には伝わるはずだという思いがある。 映画もみてみたくなりました。
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