原野の館 の商品レビュー
サスペンス小説、先が気になって どんどん読み進めてしまった。 原野、開かれていない土地が舞台となっているのが、 この小説のミソだと感じた。 映画も鑑賞したいと思った。
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父亡き後、母子で農場を経営していたが、母が亡くなり母の妹の住んでいる「ジャマイカ・イン」に身をよせよ、との母の遺言でコーンウォルのボドミン・ムーアにやってきた23歳のメアリー。叔母の夫は荒くれ男で、ある夜になると怪しげな男たちが集ってくる。どうやらよからぬ事をやっているようだ。叔...
父亡き後、母子で農場を経営していたが、母が亡くなり母の妹の住んでいる「ジャマイカ・イン」に身をよせよ、との母の遺言でコーンウォルのボドミン・ムーアにやってきた23歳のメアリー。叔母の夫は荒くれ男で、ある夜になると怪しげな男たちが集ってくる。どうやらよからぬ事をやっているようだ。叔母は昔の輝いた面影は無く夫に怯えて暮らしている・・ 舞台はコーンウォル地方。メアリーの住んでいたのは、ヘルフォード。トゥルーロで馬車に乗り、ボドミンの町を過ぎ、ボドミン・ムーアの「ジャマイカ・イン」でメアリーを降ろすと、ランソン(ローンストン)の町を目指して馬車は去ってゆく。地図を見ながら読む。コーンウォル地方の東はデヴォン州で、クリスティの住んだトーキーがあり、そこにもダートムーアがある。デュ・モーリアはコーンウォルに住んでいた。ムーアの描写で泥炭の中に湖というか沼地が点在し、霧がたち、知らずにそこに足をとられると沈んでしまう、とあった。表紙の絵よりもっと陰鬱な気配。 ムーアの中で前に進むメアリーの強さに惹かれる。叔父の弟ジェイミー、不思議な雰囲気の牧師フランシス。どちらにも少し惹かれるメアリー。隠し持った意図が現われた時・・ 最後は最初の描写で匂わされた通りの人と進む。よかったなあ。19世紀の話。 1939年には「Jamaica Inn (邦題:岩窟の野獣)」としてヒッチコックにより映画化された。解説によると、展開が原作とは違っていて、メアリーは治安判事の家に立ち寄ったあとジャマイカ館に到着。その夜悪党が騒ぐ様子を窺い、叔父の正体を知り愕然とし、吊るし首にされた男を助け、その男と逃げ出し追われる身となる。原作では暗示するロープだけ。だが映画で二人で逃げ出し、という所は「第三逃亡者」1937で犯人にされそうな男を若い娘エリカが助け逃走する、という設定が似ている。原作では重要な叔父の弟も牧師も登場しないという。 原題:「JAMAICA INN」 モデルになった宿・ジャマイカ・インがあるようだ https://wikijp.org/wiki/Jamaica_Inn 現在も営業。無料Wi-Fiもある。 https://www.booking.com/hotel/gb/the-jamaica-inn.ja.html 回りには巨石、ストーンサークルもあるようだ。う~ん、行ってみたい。 旅行に行った人 https://4travel.jp/travelogue/10047702 ヒッチコックが1939年に映画化。最後の英国での映画。 巌窟の野獣 モーリン・オハラ主演 1936発表 2021.3.12初版 図書館
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このラストでは、おばさんと同じじゃないかと危惧。結構な活劇展開だった。原野というより荒野のイメージだが、原題のママが一番。実在したことにも驚くが、今や四つ星ホテルとは。 一言。痛みは意識された?何ともな訳。
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あの「レベッカ」を書いた作者の作品だから 心理サスペンス風かと思ったら 活劇(笑) ムーアの描写が素敵だけど ストーリーは まあまあ でも楽しめました。
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イギリスのポドミン・ムーアという荒野の街道にポツンと立つジャマイカ館(実在していた旅館)。そこに巣くう荒くれ男たちに立ち向かう勇敢な女性メアリーの冒険物語。 彼女は母が亡くなったことで叔母ペイシェンスが住むジャマイカ館に身を寄せるが、建物は寂れ果てていた。夫であるジョスは荒くれ者...
イギリスのポドミン・ムーアという荒野の街道にポツンと立つジャマイカ館(実在していた旅館)。そこに巣くう荒くれ男たちに立ち向かう勇敢な女性メアリーの冒険物語。 彼女は母が亡くなったことで叔母ペイシェンスが住むジャマイカ館に身を寄せるが、建物は寂れ果てていた。夫であるジョスは荒くれ者の大男、叔母は昔の面影はなくやつれ、いつも怯えていた。そして、夜になると集まる不審な男たち、不気味な物音、酔っぱらっては異様に怖がるジョス。 うら若き女性なら普通は、怯え縮こまるところだが、メアリーはジョスに立ち向かったり、彼と他の男たちとのつながりを暴こうとする。ジョスの跡を追って原野をさまよったり、命の危機にも遭遇する。 ジョスの弟でこれもまっとうな人間でないジェム、原野で道に迷ったメアリーを救うがどこか冷たい印象のあるフランシス牧師。この二人もメアリーに絡む重要人物だ。邪悪な人間に果敢に立ち向かうメアリーだが、正義感よりも好奇心、冒険心がまさり、この二人に抱く彼女の気持ち、態度が非常に危なっかしい。一見、矛盾を感じてしまう彼女の揺れ動く心を読み解くのもこの小説の醍醐味か。 ヒッチコックが1939年に映画化しただけあって、ミステリーやサスペンスだけでなく、歪んだ心理が招く恐怖も加味されており面白かった。
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想像していた物語とは、全然違って、なんていうか、冒険物で、その様に読みすすめると、主人公の好奇心と、行動力には、脱帽だし、どーなるの?どーするの?と、ワクワクしたけど、返って怖い。自然って夜の原野なんて、もう怖過ぎるでしょ。
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レベッカは面白かったなぁ~と思い手に取りました。が。なんだかお話が複雑というか、ヒロインの恐怖があまり伝わってこなくて途中で飽きてしまいました。そんな首突っ込まない方が良いのに…なんて事なかれ主義の日本人だから思うのかもしれないけど… イギリスの冬は寒そうだな~なんて思いながら...
レベッカは面白かったなぁ~と思い手に取りました。が。なんだかお話が複雑というか、ヒロインの恐怖があまり伝わってこなくて途中で飽きてしまいました。そんな首突っ込まない方が良いのに…なんて事なかれ主義の日本人だから思うのかもしれないけど… イギリスの冬は寒そうだな~なんて思いながら読みました。
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イギリスはコーンウォールの原野に建つ元宿屋の館「ジャマイカ・イン」は、建物も住む人も禍々しく謎めいていた。 若き女性が孤独の身となって、叔母が住むその館に頼よるしかなかったのだから、叔母が息も絶え絶え、叔父が荒くれ男で、災禍がおこるのもやむなし、けれども自立心の強い女性であるゆ...
イギリスはコーンウォールの原野に建つ元宿屋の館「ジャマイカ・イン」は、建物も住む人も禍々しく謎めいていた。 若き女性が孤独の身となって、叔母が住むその館に頼よるしかなかったのだから、叔母が息も絶え絶え、叔父が荒くれ男で、災禍がおこるのもやむなし、けれども自立心の強い女性であるゆえ、危険がせまっても、冒険をせずにはいられない、避けられない。なるべくして謎と暴力との目まぐるしい展開になるのを、息もつかせず読まされるのであった。 コーンウォールの荒々しい風景描写と心理描写が巧みでグッと引きつけられ、設定は19世紀なのに現代をも彷彿させる困難な女性自身の自主独立へのあがきは心強いものがある。 『レベッカ』の嫋々としたサスペンスとは違う面白さ、ローリングプレイング的の痛快さ。 お馴染みモーリアの「館もの」なんだけど『レベッカ』の「マンダレイ」といい、この「ジャマイカ」といい、館のネーミング、今は昔だけど、さすがは世界に進出したイギリスらしいよ。
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こ、これは…、けっこう"活劇"じゃないか。『レベッカ』のような、不穏な心理サスペンスを期待して読み出したので、恋愛ありドンパチあり、でビックリ。こういうのも書くんだ…。
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