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五行歌集 配達員 の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2021/05/05

車と荷物をお供に、一日中家々を駆け回るお仕事、配達員。その仕事を通して見える、自然の風景、世間、なんとなく察せられる各家庭事情。 その子の表現はドラムなのだ 家のあちこちを 叩いている インターホンを押しても 出てこない・・ 小さなわが子の観察は、傑作。もう赤ちゃんのお顔が浮...

車と荷物をお供に、一日中家々を駆け回るお仕事、配達員。その仕事を通して見える、自然の風景、世間、なんとなく察せられる各家庭事情。 その子の表現はドラムなのだ 家のあちこちを 叩いている インターホンを押しても 出てこない・・ 小さなわが子の観察は、傑作。もう赤ちゃんのお顔が浮かんでくるよう。 チュパチュパした 指が 鼻を通って額へ パーで下がってきて またチュパチュパ 父の 顎の下を 鮮明に憶えている 蹴り飛ばした 箇所だから 泣きながら 歌を作りながら 仕事する 配達員が どこにいますかって 率直で、素直な、いじらしいまでのあこがれ、読むものを温かくつつむ。 この「日々の歌」に、自分らしい「自分の日々の歌」を見つける方もあらわれるだろう。見る目を変えれば、いつもの光景も違って見えそうだ。 本人にそっくり! と評判のカバーイラストは、金沢詩乃氏。文庫本サイズの可愛らしさにぴったりで、いつもながら素晴らしい仕事をしてくれた。

Posted byブクログ

2021/03/01

 歌はあこがれの心から起こるという。  この歌集を読んで思ったことは、そのことだった。あこがれの心がいじらしくてあわれであり、その心が歌集全体を包み、引きこまれるようなよさとなっている (中略)  配達員!  彼は配達員だという。配達員がうたびとである。配達を書いた歌の節々に...

 歌はあこがれの心から起こるという。  この歌集を読んで思ったことは、そのことだった。あこがれの心がいじらしくてあわれであり、その心が歌集全体を包み、引きこまれるようなよさとなっている (中略)  配達員!  彼は配達員だという。配達員がうたびとである。配達を書いた歌の節々にいじらしいあこがれの心が疼く。よく配達員になってくれた、と思う。そうでなければ、私は配達員たちの心をずっと知らないで過ごすところだった。  彼が歌を書く配達員だから、人々にそれがわかるのだ。  それでこそ、うたびとだろうと思う。 (草壁焔太跋文より)  配達の仕事をこなす毎日の中から、こぼれおちるうた。作者は扉の向こう側を想像したり、夕日にみとれたりしながら自分らしい「日々の歌」を書かれている。  文庫本サイズの可愛い一冊。 市井社紹介ページはこちらから https://5gyohka.com/shiseisha/2021narukawa.html

Posted byブクログ