上流階級(其の三) の商品レビュー
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『上流階級』3巻目 1巻では新米だった静緒もすっかり外商員が板に付いて来た 桝家との関係もなかなか良い が、ここにきて 転職、引っ越しを考える いやー、このまま桝谷と結婚でもいいじゃない!と思ってしまう ところで、 富裕層が外商を使う理由として コスパよりもタイパ というのは、 昨今、富裕層じゃなくても、世の中タイパタイパいうようになってきたよねーと思う タイパで作り出した時間を有意義に使えているのならよいのだけど… 実家の束縛に耐えかねて家を飛び出した鞘師さんの言葉 私は私が選んだことのマイナスを受け止めて生きる 50代にして病に伏した弥栄子様がお友達や子どもたちへ残した言葉 人生はめまぐるしすぎて、母親にならねば。妻にならねば、ばかりで、私というものがなんなのかわからないまま、終わってしまう。 あなたはそうはならないでね 静緒 子供の頃に、将来の夢を何度も聞かれるじゃないですが。あれって、ちょっと残酷だなって思うんです。子供のころからまっすぐな夢があってその道を突き進んでいるならばいいけれど、いったん言語化してしまうと、『叶えられたか』『叶えられなかったか』が明確になるんですね。べつに、夢を持たずに生きていたっていいし、何かにならなくてもいい。”~のようなもの”で十分なんじゃないかって ファジィに生きる なにかもっともらしい理由付けがないと行動しづらいのは、長く生きてきた弊害のうちのひとつだ。大人はもっと、自由になっていい 心に残る良い言葉が多い巻でした。
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読んでいて元気をもらえる小説。 他人の問題なのに、それを仕事とはいえここまで親身になって考えてくれる静緒は本当に素敵だなぁ。 ルームメイトとの関係も、気の置けない友人のようでいいなと思う。
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百貨店外商部が舞台の小説。其の一と其の二とは、ちょっと毛色の違うストーリーのように感じた。 新たな登場人物もいて、静緒が売るものも、「外商の売り物は、どれだけお客様に親身になれるかだ」という静緒の言葉が表すように、百貨店に並ぶ“物”というより、其の二で静緒が言った“恩”の割合が...
百貨店外商部が舞台の小説。其の一と其の二とは、ちょっと毛色の違うストーリーのように感じた。 新たな登場人物もいて、静緒が売るものも、「外商の売り物は、どれだけお客様に親身になれるかだ」という静緒の言葉が表すように、百貨店に並ぶ“物”というより、其の二で静緒が言った“恩”の割合が大きく増えていた。それって、ほとんどの“物”がネットで手に入る今の時代では、どこでも何でもそういう面があるのかも。 桝家との関係も其の一からは考えられないレベルに変化してる。なんだか桝家の方が大きく人が変わったよう。その理由も静緒の言葉で語られるが、それがますます静緒と桝家の関係を良くしているよう。 とても身近で共感マックスな本も好きなのだけど、この本の静緒のお客様たちは、私とはかけ離れた世界に住んでいる人たちって感じがして、その一方で静緒はサラリーマンでという両方が存在しているところがおもしろい。 鞘師さんの買い物の仕方に驚き、外商員は子どもの受験までつきあうのかとまた驚き、弁護士にも付き添い…自分の身の回りでは考えにくいことだけど、一方で静緒のプライベートな悩みはとても身近で。 後半、桝家の言葉に続編への伏線があり、読了前に其の四を購入。さて、いつ読もうかワクワクしてる。
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あまりにも不運が続き落ち込んだり悩んだりしている時に読んだので「私のために書いてくれてる?」というようなフレーズのいくつかで勇気や元気をいただきました。再読してそのいくつかを書き留めたいなと思っております。(今回はストーリーを追うのに必死でメモを取る余裕がありませんでした)
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「それが私です」いい言葉がありました。がしかし、今回の3作目は明らかにトーンダウン。 最初の登場人物のイメージ漫画も良くない。読者各自のイメージを壊している気がする。
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自分の人生を振り返ったとき、良いこと悪いこと辛いことどうしようもないこともあった中で、「それが、私です」と胸を張って言えるだろうか。 鮫島さんは40代でそれが言えるほど、自分をよく知り、全力で生きている。 私はどうだろか、と考えさせられた。 雪子さんのように、人生はいつか終わりが来る。 後悔しないように、振り返ったときに楽しくなるように、今を全力で生きたい。
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今回は中学受験のお話がある。志望校と滑り止め以外にも、スケジュールとにらめっこして受験しまくるんだ…。親も子も大変だね。 エステートセールは、個人的にはとてもいいものだと思ってる。話の中のように、ちゃんとした催事としてもっと一般的になるといいなと思っている。
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Kindleで読んだ。 美容整形を試させる女性投資家、息子の中学受験に巻き込む元CA主婦…。神戸の老舗・富久丸百貨店の敏腕外商員、静緒は高級住宅地のセレブ相手に今日も奔走する。そんな静緒にヘッドハンティングの話が…。 シリーズ3作目。 静緒と桝家の息も合ってきた! 『俺は親と住むより静緒さんと住みたいけど』なんて!最初の頃には考えられなかったね。 静緒も『これから先、どのような出会いがあるかはわからない。確かなことは、彼と同居した二年間、とても楽しく得がたい時間だったということだ。名残惜しいほどに。』と思うほど。 ローン審査までいったところで、現金一括払いの他者(実は静緒のお客さんだった)に買われ、静緒の引越し&転職は振り出しに。 まだまだ外商員としての静緒の活躍が見られそうで嬉しい。 エステートセール(遺品のオークション)は、素晴らしい終活だと思った。
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気楽に読めるはずだったのに、自分の境遇とか歳のことが結構重なって思いの外刺さる言葉が多かった。 本って本当に読むタイミングで受け取るものが異なるんだろうな、ってつくづく思わされた、というのは作品の感想とは別のところでしみじみ思ったこと。 常に一生懸命で誰かに寄り添える主人公、営...
気楽に読めるはずだったのに、自分の境遇とか歳のことが結構重なって思いの外刺さる言葉が多かった。 本って本当に読むタイミングで受け取るものが異なるんだろうな、ってつくづく思わされた、というのは作品の感想とは別のところでしみじみ思ったこと。 常に一生懸命で誰かに寄り添える主人公、営業という仕事の真髄に触れられる作品だと思います。それが許される仕事だというのもあるけど、とはえいここまではできないよなぁ。 あと、誰のために生きるのか、変なラベリングに左右されずに生きることができないのか、っていうテーマはとても好ましい。 2022.12.11 195
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静緒の外商としての仕事ぶり、大好きです。 転職しちゃうのかなー嫌だなーと思いつつも、転職後の静緒の物語も楽しそうで見てみたいなとも思う。シリーズ三作読んで、すっかり静緒の虜になっています。桝家との距離感もいいなー。続編出ますように…
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