白鳥とコウモリ の商品レビュー
読み進めても、核心がなかなか見えてこない、だけどなんか嫌な予感がする、、、さすが東野圭吾作品、、、。すごいな、後半のたたみかけ。 何か大事なことを見過ごしているのでは?感がすごい。胸騒ぎがしますね、、、。 とても苦しい。なんとなく後半になるにつれて、もしやそうなのかしら?と思...
読み進めても、核心がなかなか見えてこない、だけどなんか嫌な予感がする、、、さすが東野圭吾作品、、、。すごいな、後半のたたみかけ。 何か大事なことを見過ごしているのでは?感がすごい。胸騒ぎがしますね、、、。 とても苦しい。なんとなく後半になるにつれて、もしやそうなのかしら?と思うのですが、いやでもなんでだ?というのがなかなかわからないので、ずっと苦しいですね。個人的には加害者の家族、という立場に感情移入するほうが強かったかも。 裁判が真実を明らかにするものではない?とか、本当の罪とは何なのか?とか、考えさせられるけど、答えの出ない問いがたくさんあります。殺されていい人なんていないと、平和な毎日を送っていれば、すぐに言うことはできるけれど、、、。 正しいことをすれば、みんなが幸せ、それもまた違う気がする。人間の複雑さ、とても切なくて苦しくて、ただ、目を逸らせない、そんな感覚でした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2021.5.3読了。 弁護士の白石健介が殺害され、愛知県に住む倉木という男が殺害を自供した。 しかしこの自供には不可解な点が多い。父親の行動に納得のいかない白石の娘と倉木の息子が真実を探る。 ... 読み終わった率直な感想は「容疑者Xの献身と流星の絆を足して2で割った感じ」 容疑者X程の自己犠牲の切なさもないし、流星程の過去の事件の真犯人の衝撃もなかったからインパクトに欠けるところはある。 それでも結末が気になって一気に読んでしまったのは、真実を小出しにしてくれる伏線回収のスマートさや過去と現在を行き来する巧みな構造故。 タイトルの「白鳥とコウモリ」とは、被害者と加害者、光と影、昼と夜の対比。真実が知りたい、という同じ目的の為に、白鳥とコウモリが隣り合って飛ぶことはできるのか。 帯には"東野圭吾版 罪と罰"と書いてあったけど、 重々しさはなく、スラスラ読んでしまったな。 一度犯した罪が負の連鎖を起こす、というありがちなものでは終わらない。「殺害に興味があり、もっともらしい理由を見つけたから」というのは、なんとも言えない後味の悪さがうっすら残った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
東野圭吾版「罪と罰」。 かなりの長編でしたが、読み始めたら止まらず一気読みでした。 緻密に組み立てられたストーリーで、かなり読み応えがありました。 「真実」を明らかにしたい被害者家族、加害者家族と、裁判目線で考える弁護士や検察との立場の対比もとても興味深かったです。 そして終盤の急展開は凄まじく、予想もしていない結末へと向かいます。 真犯人が分かるまでもなかなかでしたが、最後に明かされた本当の犯行動機で二度目の驚愕。 それぞれが家族や関係者を思いやる気持ちを持っていたからこそ、明かされた「真実」はやるせなさが残るものでした。 もう少し救いがあると良かったなと思ってしまいます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2日で一気に読みました。白夜行や手紙に続くっていう前フリだったので、誰を庇う系の展開なんだろうなって予感しながら読んでましたが、、この本も非常に切ない話でした。子を持つ親として色々考えさせられました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白かった。 殺人犯の家族、被害者の家族、この小説で言う白鳥とコウモリ。両極端なようだけど共に知りたいのは「真実」。 もし自分自身も同じ立場になったら、やはり真実を知りたいと強く思うだろうな。 白鳥もコウモリも気付いてないだけで実は身近にいるかもしれない。 様々な想いを抱えて生きてるんだろうなと考えさせられた。
Posted by
1984年名古屋の殺人事件の真相を歪めた結果2017年東京で善良な弁護士が殺害される。逮捕された容疑者は東京の事件と名古屋の事件の犯人は自分だと供述し始める。違和感を感じた加害者遺族と被害者遺族の真相を追い始める。 真実を知ると立場がガラッと変わる。犯人は予想できなかったし面白か...
1984年名古屋の殺人事件の真相を歪めた結果2017年東京で善良な弁護士が殺害される。逮捕された容疑者は東京の事件と名古屋の事件の犯人は自分だと供述し始める。違和感を感じた加害者遺族と被害者遺族の真相を追い始める。 真実を知ると立場がガラッと変わる。犯人は予想できなかったし面白かった。倉木と白石は間違っていたがその子供たちは良い方向に導かれますように。
Posted by
次が気になりすぎて気になりすぎて、読む手が止まらなかった。 最後、物語は収まるところに綺麗に収まり極上の映画を堪能した感じ。 個人的には、もっと人物の心理を深掘りしてもいいかと思ったが、さっぱりしていていいかもしれない。
Posted by
よかれと思ったことが長い年月を経て次の犯罪を招いてしまった。 ほんの小さな引っかかりから事件を解決の展開を読ませる。 そして東野さんらしい人情味のあるストーリー。 さすがです。 加害者家族と被害者遺族が蚊帳の外に置かれた、 今の司法制度のあり方にも考えさせられました...
よかれと思ったことが長い年月を経て次の犯罪を招いてしまった。 ほんの小さな引っかかりから事件を解決の展開を読ませる。 そして東野さんらしい人情味のあるストーリー。 さすがです。 加害者家族と被害者遺族が蚊帳の外に置かれた、 今の司法制度のあり方にも考えさせられました。 こんなにも小説などに取り上げられて批判されても、 今の制度がなかなか変わらないって何なんでしょうね。 加害者家族と被害者家族について掘り下げた作品に、 乃南アサさんの「風紋(上下)」「晩鐘(上中下)」がありますが、 何年経っても事件に引きずられる姿は辛いものがあります。 殺人者の子供は人殺しの血を受け継ぐのか・・・。 殺人事件故の悲しい結末になっても、 最後は少しの希望を残して物語を終わらせる。 ただのミステリーにしないのが東野圭吾作品のいいところですね。
Posted by
◆おすすめ度◆ ・一気読みのミステリー小説度:★★★★ ・ベテランのテクニック度:★★★★ ・謎は最大の味付け度:★★★★ ◆感想◆ 弁護士が殺害され、一人の男が犯行を自供する。さらに過去の事件まで自供し、事件は解決したかに思えたが… 書けば売れる著者のミステリー小説。 その...
◆おすすめ度◆ ・一気読みのミステリー小説度:★★★★ ・ベテランのテクニック度:★★★★ ・謎は最大の味付け度:★★★★ ◆感想◆ 弁護士が殺害され、一人の男が犯行を自供する。さらに過去の事件まで自供し、事件は解決したかに思えたが… 書けば売れる著者のミステリー小説。 その読者を飽きさせない文章テクニックはさすがです。 被害者家族と加害者家族の苦悩、登場人物の隠された想い、切ない男女の関係なんかも盛り込んで、二転三転する展開に。 最後にはひねりも加えて着地。 新人作家の小説だったら中編でも飽きそうな内容を、様々な味付けで長編小説に仕上げてなお面白い。 すごいですね。 特に「謎」というのは、読者を物語の世界に引き込む最大の味付けだと、改めて思いました。
Posted by
久々の東野圭吾。長く、永く、悲しい物語。 それぞれが何かを誰かを守るための嘘。 しかしそれは本当の幸福を生むとは限らず(というかきっと生まない)、別の誰かの中に別のストーリーを生む。東京と愛知、現代と30年前を交差する悲しき愛の物語。エピローグの白鳥とコウモリの展開は大好き。
Posted by