グレゴワールと老書店主 の商品レビュー
バカロレアに落第し、就職にも失敗した青年が、介護施設で 年老いた書店主に出会い、朗読に目覚めていく。 日本では、この朗読というのはなかなかなじみがなく、 学校では、読み聞かせという言葉のほうが浸透している。 でもこの読み聞かせは、多人数に本の絵の力を借りて、 聞かせる感じがする。...
バカロレアに落第し、就職にも失敗した青年が、介護施設で 年老いた書店主に出会い、朗読に目覚めていく。 日本では、この朗読というのはなかなかなじみがなく、 学校では、読み聞かせという言葉のほうが浸透している。 でもこの読み聞かせは、多人数に本の絵の力を借りて、 聞かせる感じがする。朗読は、あくまで一人芝居に近い。 ラストはかなり好きだった。
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風景描写が美しく、草のにおいや河の水音、びゅうびゅう吹く風が頬を打ってくるのを感じました。 フランス映画のような。 元書店主ムッシュー・ピキエの出してくる本をAmazonで検索しながら読みました。 ムッシュー・ピキエの推薦書、今では日本では絶版になったものもありましたが、私の...
風景描写が美しく、草のにおいや河の水音、びゅうびゅう吹く風が頬を打ってくるのを感じました。 フランス映画のような。 元書店主ムッシュー・ピキエの出してくる本をAmazonで検索しながら読みました。 ムッシュー・ピキエの推薦書、今では日本では絶版になったものもありましたが、私の興味を引くものが多く、読んでみたいなぁと思いました。 最初の三分の一ぐらいは、シンプルな老人と若者の物語っぽいけど中盤から引き込まれて、夜の読書時間が楽しみでした。
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高校を卒業したもののバカロレアに落ち、母の伝手で老人ホームの厨房の職を得たグレゴワール。入居者の元書店主ピキエと親しくなり、病気のため本が読めない彼のために本を朗読することになる。本書がデビュー作の著者は朗読家と紹介されている。職業なのかボランティアなのかわからないが、そうした経...
高校を卒業したもののバカロレアに落ち、母の伝手で老人ホームの厨房の職を得たグレゴワール。入居者の元書店主ピキエと親しくなり、病気のため本が読めない彼のために本を朗読することになる。本書がデビュー作の著者は朗読家と紹介されている。職業なのかボランティアなのかわからないが、そうした経歴が本書の下敷きになっているのだろう。本など読まなかった青年が、老人のために朗読を続けるうちに本の虜になっていく。後半は一転してロードノベルとなるが、この過程もいい。
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グレゴワールはバカロレア(高校卒業資格)も取れず、コネで入った老人ホームで調理場の下働きとして働いている。そのホームに三千冊の本と一緒に入居している元書店主のムッシュー・ピキエ、体も眼も不自由になって本を読むことができないピキエのために、グレゴワールは本を読んであげるようになる。...
グレゴワールはバカロレア(高校卒業資格)も取れず、コネで入った老人ホームで調理場の下働きとして働いている。そのホームに三千冊の本と一緒に入居している元書店主のムッシュー・ピキエ、体も眼も不自由になって本を読むことができないピキエのために、グレゴワールは本を読んであげるようになる。老書店主は、グレゴワールに本を朗読するときに必要なことを教え、声が出るようにするためのトレーニング方法も教えてくれる。やがてグレゴワールは、ホームの朗読者となっていく。 老書店主ピキエの本への愛情がグレゴワールを変えていく。老人ホームで本を朗読する、日本の老人ホームでそんなことをしているところはあるのだろうか。ピキエとグレゴワールのチームワークにワクワクさせられる。体力の落ちた老人の未来は想像していたこととはいえ悲しい。でも、その遺言をひそかに実行するグレゴワールに拍手を送りたい。
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軽い調子で書かれている(翻訳されている)が、意外と高齢者施設の本質を描いているのではないかと思わせる作品でした。 高齢者施設で働く本を全く読まない少年が、本好きの老人と大人になっていくお話。 そんなにハッピーでもそんなに暗いわけでもない、あり得そうであり得なそうな不思議な気持...
軽い調子で書かれている(翻訳されている)が、意外と高齢者施設の本質を描いているのではないかと思わせる作品でした。 高齢者施設で働く本を全く読まない少年が、本好きの老人と大人になっていくお話。 そんなにハッピーでもそんなに暗いわけでもない、あり得そうであり得なそうな不思議な気持ちで読み終わりました。
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