ヴィンテージガール の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館の棚で心惹かれた本。 初読み作家さんでしたが、設定が面白く結末が気になりさくさくと読み進められました。 出てきていない人物を犯人にしてはいけないみたいなサスペンス鉄則を思い出し、おぉ!となり、犯人が序盤から出ていたことにびっくり。すごい。 読了後に即仕立屋探偵シリーズ次巻を予約しました。
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針の孔に糸を通すように、ディテールの情報から問題の真相に一歩ずつ迫っていく過程が素晴らしかった。直前に読んだ『フォークロアの鍵』もそうだったけれど、一つ一つの可能性をつぶしながら、残った道をさぐっていくという、学問の過程を見せてくれているようなそんなミステリーだった。 密室殺人の...
針の孔に糸を通すように、ディテールの情報から問題の真相に一歩ずつ迫っていく過程が素晴らしかった。直前に読んだ『フォークロアの鍵』もそうだったけれど、一つ一つの可能性をつぶしながら、残った道をさぐっていくという、学問の過程を見せてくれているようなそんなミステリーだった。 密室殺人の謎のような、いかにもパズル的な問題追及ではなく、自分なりに利用できる情報を用いて、世界全体から可能性をしぼっていく過程にわくわくさせられる。 自分が全然知らない服飾や古物商の世界を知っていくのも楽しい。 もちろんそうした謎解きだけでなく、徐々に見えていく被害者の人間関係や、謎を追う側の個性的な人々の物語も楽しかった。
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桐ヶ谷京介は美術解剖学を専攻し、服飾メーカーと熟練の職人を繋ぐブローカー的仕事をしてる。10年前の未解決事件で被害者少女の着るワンピースを見て、警察の分からなかったことを推理した・・・ 布、糸、生地、プリント、縫製という未知の世界をこれでもかと披露してくれる。面白かった。 こ...
桐ヶ谷京介は美術解剖学を専攻し、服飾メーカーと熟練の職人を繋ぐブローカー的仕事をしてる。10年前の未解決事件で被害者少女の着るワンピースを見て、警察の分からなかったことを推理した・・・ 布、糸、生地、プリント、縫製という未知の世界をこれでもかと披露してくれる。面白かった。 ここまで自分の知らないことだらけのミステリーを読むことはまずない。刺激的だった。
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衣服からその人の病気や癖など読み解く新たな手法の探偵。川瀬さんの本はキャラがたってて面白い。シリーズ化したら追いかけます。
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衣服の状態からあらゆる情報を読み取る探偵。 斬新!!! 連作だろうと思っていたらがっつり長編だった。最高。 衣服や生地なんかの蘊蓄も面白い。 少しずつ明らかになる事実が重いがすごい。
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法医昆虫に出てきた福島に移住した芸術家かと思ったらちがった。ぱっと見で専門知識駆使して体調言い当てるのやっぱり小気味いい。本格ミステリ探偵って感じで。キャラ盛りだくさん過ぎだがそれもいい。
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ひとつの事を追究し、誰にも負けない知識を持つ主人公のような生き方が素敵だと思いました。 主人公にしか解けない謎。
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なかなか面白かった! 今までにない視点から時間を紐解いていく。 洋服の皺やほつれから人の癖や身体の不調等がわかる能力はすごい。 服飾系のヒントだけで、どんどん事件の核心に迫っていくのが面白くて読む手が止まらなかった。 結末はなんともやるせない感じだった。 それぞれに事情があるに...
なかなか面白かった! 今までにない視点から時間を紐解いていく。 洋服の皺やほつれから人の癖や身体の不調等がわかる能力はすごい。 服飾系のヒントだけで、どんどん事件の核心に迫っていくのが面白くて読む手が止まらなかった。 結末はなんともやるせない感じだった。 それぞれに事情があるにしろ、やっぱり犯罪はいけない。 次回作も期待!
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仕立屋と推理の融合。 服飾知識と解剖学からここまで事件推理に填め込めるとは思わなかった。さすが服飾方面に明るい著者だけに知識量が凄い。ストーリー自体も面白かったけど、単純に服飾蘊蓄を読んでいるだけでも楽しかったな。探偵団のチームワークも良き。キャラ作りの雰囲気は法医昆虫学シリー...
仕立屋と推理の融合。 服飾知識と解剖学からここまで事件推理に填め込めるとは思わなかった。さすが服飾方面に明るい著者だけに知識量が凄い。ストーリー自体も面白かったけど、単純に服飾蘊蓄を読んでいるだけでも楽しかったな。探偵団のチームワークも良き。キャラ作りの雰囲気は法医昆虫学シリーズよりも賞金稼ぎシリーズに近いかな。多種多様、かつブッ飛んだキャラが揃っているので、読んでいて楽しいし、シリーズ化されると嬉しい。 ただ、、、最後にして明かされる人間関係のつながりは納得いかない。偶然が引き寄せる運命っていうのを全く信じないわけじゃないけど、あまりにもご都合過ぎて。意外性はあったけど、同時に興醒め感も残ってしまった。
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作者は元子供服のデザイナー、その専門知識を活かしておもしろい作品になっていそう、と読了。 ––– 古びた団地で発見された少女の遺体。身元不明のまま十年が経過しているという事件。 歪な印象を残すワンピース。 気味のわるい柄、精巧な技術で仕立てられたワンピース、しかし一部が不器用に縫...
作者は元子供服のデザイナー、その専門知識を活かしておもしろい作品になっていそう、と読了。 ––– 古びた団地で発見された少女の遺体。身元不明のまま十年が経過しているという事件。 歪な印象を残すワンピース。 気味のわるい柄、精巧な技術で仕立てられたワンピース、しかし一部が不器用に縫い直されている… テレビから流れた情報をみて、なにかしらの違和感と命を失われた名もわからぬ少女を不憫に思う、主人公 桐ヶ谷。 服飾ブローカーの彼は服をみればその仕立てから着ている人の健康状態まで分かってしまう!なんと解剖学まで習得しているのだ。 長髪を後ろで束ねて専門知識を語る姿はダンディさが漂うのだけれどすぐに涙あふれてしまう一面も。 出てくる登場人物もそれぞれ個性があり魅力的。 ワンピース1枚からよくぞここまで推理を発展させ、結末を迎えることができるとは。 戦後からの繊維産業の衰退や日本の闇も触れていて推理の枠をこえてきました。 ただ作者さんの本業の知識が溢れてしまい、その筋の人には垂涎ものでしょう。しかし私のような素人には人物像への踏みこみがあと一歩ほしかったです。今回いまいち画が浮かばなかったので。「賞金稼ぎ!スリーサム」のほうが輪郭がくっきりしたー感じがしました。 とはいえ、桐ヶ谷の生い立ちも気になるし、まだ続編が出ることを期待したいです。
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