サピエンスの未来 の商品レビュー
東大教養学部で行われた「人間の現在」の講義を元にした講義録ということであるが、この本では講義では30分ほどの言及であったはずの、ティヤール・ド・シャルダンの超人間に関する説明で後半は占められている。 面白い発想であるとは思うが、この部分はもっと少なくてよかった。
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この本で書かれている進化についての考え方は、初めて知りました。とても興味深く読めました。 そして、この本が1996年の大学の講義録であることやその考え方を提示したテイヤール・ドシャルダンが20世紀前半の人であることに驚きました。
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著者が東大教養学部で1996年に行った「人間の現在」という講義を基にしており、「新潮」に連載された第13~24回までをまとめたもの。イエズス会の司祭であり、古生物学者でもあるテイヤール・ド・シャルダンを軸に展開している。 社会ダーウィニズム論は、ハーバード・スペンサーに始まり、...
著者が東大教養学部で1996年に行った「人間の現在」という講義を基にしており、「新潮」に連載された第13~24回までをまとめたもの。イエズス会の司祭であり、古生物学者でもあるテイヤール・ド・シャルダンを軸に展開している。 社会ダーウィニズム論は、ハーバード・スペンサーに始まり、 19世紀から20世紀の初めにかけて、世界中で大いに流行った。優勝劣敗、弱肉強食の世の中を肯定するため、帝国主義や植民地も悪くないし、弱者が差別を受けるのも仕方がないと考える。アメリカでは、資本主義の下で弱肉強食の競争をやるべきだという考え方の基本理論になり、ナチスでは人種的に優れたアーリア民族が世界の支配者になるという考え方の基礎になった。また、劣等者には断種させ、優等者にはどんどん子供を産ませて人種改良を図ろうという優生学の思想のもとになった。
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シャルダンの話が印象的。 エレメント数を増やすだけではいけない。それだったら図体がデカい方が強かったはず。複雑性が増すことも進化としては重要なポイント。 人類進化の行き着く先として、「人類全体が1つの思考回路をつくる」というのがシャルダンの考えらしい。これって、なんかガンダムでい...
シャルダンの話が印象的。 エレメント数を増やすだけではいけない。それだったら図体がデカい方が強かったはず。複雑性が増すことも進化としては重要なポイント。 人類進化の行き着く先として、「人類全体が1つの思考回路をつくる」というのがシャルダンの考えらしい。これって、なんかガンダムでいうところのニュータイプっぽくて興味深い。
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簡単な本ではないが、前半の進化の話は分かり易く説明してあると思う。現在のインターネットやモバイルもAIの環境下であれば立花先生の解説はどう変わったか、聞いてみたい気がする。 テイヤールドシャルダン 人間のやっていることは基本的にすべて知的活動である
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生物はなぜ死ぬのかを読んで、あっ難しい面白いかと言われればわからない、領域だと思って少し諦めの中、手に取った本。 おもしろかった!! 立花隆さんの言う、「目の前のテーブルいっぱいにご 馳走が並べてあるからといって、無理して全部食べる必要はない」を実践しながら読みました。 ...
生物はなぜ死ぬのかを読んで、あっ難しい面白いかと言われればわからない、領域だと思って少し諦めの中、手に取った本。 おもしろかった!! 立花隆さんの言う、「目の前のテーブルいっぱいにご 馳走が並べてあるからといって、無理して全部食べる必要はない」を実践しながら読みました。 メモ 第一巻 オードブル 第二巻 メインディッシュ とういうことは、第一巻でつまみ食いをしすぎてお腹いっぱいにならないように気をつけなければいけないということです。 以下、つまみ食い内容 74 勉強のトラップ エピゴウネ・・ある人間の思想に付き合っている者のこと。亜流 この意味を知ってから日食なつこさんのあの歌を聴くと、ぞわっとする。 後、解が本来ない問題に一生悩む特徴として、解のありうる形やタイプについて考えていないというものがあった。どきっとした。 あとは、現象学の「今ここ」の点を見るとき、点を点としてみるのと、流れの中にある点としてみるのとでは全く違うことに気付かされます。 テイヤール・ド・シャルダンの、見ることの重要性が面白かった。視神経は160万本にたいして、聴神経は3万本。だけど、視細胞は2億で聴覚系の細胞は1万とか。 ということは、視覚は多情報を統合していて、聴覚は想像力で補っているように感じた。 まだまだ。 やっぱまだまだ。。 もう少し経ってもう一回読むとまたさらに面白いタイプの本です。
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古生物学者であり、イエズス会神父でもあったテイヤール・ド・シャルダン。その進化論について解説された良著。地圏という無生物の物質世界、生物圏という生物による物質世界。地球はこの二つで網羅はできず、非物質世界が存在する。これが精神圏。ヌースフィアとも呼ばれるが、ユヴァルノアハラリのい...
古生物学者であり、イエズス会神父でもあったテイヤール・ド・シャルダン。その進化論について解説された良著。地圏という無生物の物質世界、生物圏という生物による物質世界。地球はこの二つで網羅はできず、非物質世界が存在する。これが精神圏。ヌースフィアとも呼ばれるが、ユヴァルノアハラリのいうサピエンスが生きる共同幻想に通ずる思想だ。人類の進化と共にこの精神圏は広がり、やがて超人類が誕生する。ホモ・プログレッシヴス。 超人類とは何か。一人一人の人類が精神圏ではよりエレメント化し、つまり構成単位になり、必要に応じて複合化する事で目的を遂げる世界。サピエンスが集団で外敵から身を守る結集行動と変わらぬ気がするが、より精神圏で流動化する。これはある意味では資本主義世界を乗り越えて、VR世界や、分散型自立組織DAO、クラウドファンディング、ウィキペディアのようなシステムの進化を予見するものにも見えるし、現代では見えていない更なる仮想結集を予感させる思想でもある。 思想は正しく進化の方向を示している。1980年代末以降に活躍した思想家としては、素晴らしい洞察力。少し逸れるが、ニコライ・フョードロフの肉体の不死についても本著で触れられていた。高額だし、フョードロフの関連図書は手に入り難そうなので有り難かった。
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「知の巨人」とまでいわれる立花隆の「伝説の講義」というので、楽しみにして読んだのだが、フランスのイエズス会神父であり古生物学者であるテイヤール・ド・シャルダンの思想に沿った自然、生物、人類についての進化論の解説だった。 人間社会の進化の先にある「超人間」とか神との合一というのは...
「知の巨人」とまでいわれる立花隆の「伝説の講義」というので、楽しみにして読んだのだが、フランスのイエズス会神父であり古生物学者であるテイヤール・ド・シャルダンの思想に沿った自然、生物、人類についての進化論の解説だった。 人間社会の進化の先にある「超人間」とか神との合一というのは観念的でよくわからない。 ハード・コアSFで結末が妙に哲学的になるものがあるが、それに似た読了感を持った。
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著者による東大駒場教養学部で行われた講義録。 テイヤール・ド・シャルダンの思索をもとに進化史のなかで人間を位置づけ、未来を考察していく。 圧倒的な教養力だね。そもテイヤール・ド・シャルダンも初めて知ったぐらいの読者としては唖然とするばかり。でも、今こそイデオロギーが必要な時だと思...
著者による東大駒場教養学部で行われた講義録。 テイヤール・ド・シャルダンの思索をもとに進化史のなかで人間を位置づけ、未来を考察していく。 圧倒的な教養力だね。そもテイヤール・ド・シャルダンも初めて知ったぐらいの読者としては唖然とするばかり。でも、今こそイデオロギーが必要な時だと思うんだけど。これからの時代を導くものがさ。
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