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処女の道程 の商品レビュー

3.9

7件のお客様レビュー

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2024/05/27
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大変興味深かった。 非常に様々な角度から述べられていると思います。自分の生まれる前の近代の話や、古代の話もとても面白い。 自分が一番面白いと思ったのは、西洋におけるいわゆる"純潔"の価値観と日本が求める処女の意味が違うという点です。 西洋の"純潔"はカトリック的に受胎行為の是非を問うものだが、日本のそれは違う。男系家系をいかにして守るか、という家制度に固着したものだと分かるとすっきりする。 結婚した女性は無能力者であり、その子は家に属する。であれば、その子が誰の子なのかを問うことは非常に重要となってくる。女にとって、子はいつも自分の子ですが、今のようにDNA鑑定もない時代では、男にとってのそれはもはやシュレディンガーといってもいい。別の男の子では困る。 その為に、女に純潔と貞操を強いる。「あなたの子よ」を信じる他にない。 ここを間違うと光源氏パイセンのようにNTRに苦しむことになる。 またAVの処女ブームが起こる際に熟女ブームが並行して起こっていたというのも大変興味深かった。処女と熟女は対立する概念のように思えるけれども、性的技巧が拙い男を傷つけないという点では同じ。未経験者か『お母さん』のニ択が生まれる。最も恐ろしいのは『性的に成熟した同世代の女性』。

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2023/08/22
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処女、セックスにまつわる日本人の価値観の変遷を歴史に沿って捉えていく内容。特に明治維新〜戦時中の記述は多く、今では考えられないような価値観が国の意向として人々に押し付けられていたことが詳しくわかる。現代の一時点に生きる自分の性への価値観を俯瞰的に見つめ直すのに役立つと感じた。

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2022/06/05

団塊の世代なので、戦後のお見合い結婚全盛時を実感しており、当時の女性の心持を的確に描写している著者の筆力に感心した.確かに当時結婚前に「やる」ことはお互いに勇気のいる事象でした.現代はその縛りはあまり感じない時代と考えますが、これは各個人で考え方が様々な分野だと感じており、本書の...

団塊の世代なので、戦後のお見合い結婚全盛時を実感しており、当時の女性の心持を的確に描写している著者の筆力に感心した.確かに当時結婚前に「やる」ことはお互いに勇気のいる事象でした.現代はその縛りはあまり感じない時代と考えますが、これは各個人で考え方が様々な分野だと感じており、本書のような歴史を含めた概論は非常に参考になると思う.

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2021/12/25

読み始めたら面白くて、さらっと読み終えられるかと思いきや、作者の主観だけではなく、きちんと時代に沿った文献から世相が書き連ねられていて、読み応えがある1冊だった。 性に対しておおらかだった時代から、儒教的な思想や、キリスト教の影響などで時代と共に変わっていく「処女」の価値。 概...

読み始めたら面白くて、さらっと読み終えられるかと思いきや、作者の主観だけではなく、きちんと時代に沿った文献から世相が書き連ねられていて、読み応えがある1冊だった。 性に対しておおらかだった時代から、儒教的な思想や、キリスト教の影響などで時代と共に変わっていく「処女」の価値。 概ね、時の権力を持った男性側のいいようにその価値や女性の存在価値そのものまで変えられてきて、利用されてきた感じがするけれど、女性の権利がひと頃よりは認められている今、改めてこれまでの流れを振り返ってみるのも良いと思う。 「処女」と「貞操」については、また違ってくるとは思う。よそはよそ、うちはうち、その人とパートナーとの合意と価値観で好きにすればよいと思うけれど、よそが気になる人が多いのは国民性なのかな? コロナ禍を経て、今後この問題がどうなっていくのかは興味がある。

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2021/09/29

今の時代になって『性』に対していろんな考えがあって良いとなっているが 性欲は人間の三大欲求だとか、 生殖本能は当たり前だとか、 そうゆう言説自体がだるいと思っていたので、 吉屋信子の人類滅亡論好きでした。処女信仰はその文化に詳しくないので共感は もともと性への自由な価値観があ...

今の時代になって『性』に対していろんな考えがあって良いとなっているが 性欲は人間の三大欲求だとか、 生殖本能は当たり前だとか、 そうゆう言説自体がだるいと思っていたので、 吉屋信子の人類滅亡論好きでした。処女信仰はその文化に詳しくないので共感は もともと性への自由な価値観があった日本が、儒教やキリスト教など外国の影響を受けて拗れていった変遷を辿れたのは面白かったが、改めて人間の性への執着は理解できないなと。

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2021/09/11
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日本人は昔から初ものが好きです。本書を一読して改めてタイトルを見たら「処女の道程」、道程は童貞をかけているのかなと・・・。酒井順子「処女の道程」、2021.2発行。流し読みして目が留まったところを精読しましたw。①与謝野晶子と吉屋信子、処女の純潔への信仰は同じだったが、その結果は、晶子は鉄幹との間に13人の子を産み、吉屋は永遠の純潔。②1980年代には「ABC」(キス、ペッティング、セックス)という隠語があった。③長い間、結婚=実家を出る=初めて異性と性交渉を持つ。結婚と性交渉を分けて考える時代。性が解放し尽くされた結果、「もういいや」と引き返す人が出はじめた今の日本。

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2021/05/03

順子さま、炸裂!!!読まなくても良いかも。面白い考察だけど読まなくても良い1冊(笑)特に電車で読めないタイトル&表紙(爆)

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