1,800円以上の注文で送料無料

鳥獣戯画のヒミツ の商品レビュー

2.7

3件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/07/06

仏教関連の書物をひもとくと、鳥獣戯画に秘められた大いなる謎が姿を現した。 鳥獣戯画には何が描いてあるのか、誰がなぜ描いたのか。いまだに残る謎を、さまざまな仏教関連の書物や人物から読み解き、大胆な答えを開陳するという本です。まあ、おもしろかったのはおもしろかったのですが、ちょっと...

仏教関連の書物をひもとくと、鳥獣戯画に秘められた大いなる謎が姿を現した。 鳥獣戯画には何が描いてあるのか、誰がなぜ描いたのか。いまだに残る謎を、さまざまな仏教関連の書物や人物から読み解き、大胆な答えを開陳するという本です。まあ、おもしろかったのはおもしろかったのですが、ちょっと色々こじつけだったり、そりゃあないだろう、という説で補強されているので、楽しみ方としては雑誌「ムー」のレベルアップ版という感じがしないでもありませんでした。とてもユニークだし、幅広い教養から導き出す謎は面白かったです。でも著者が明恵推しすぎるのでこっちは引く感じで、内容に入り込めずに終わりました。あとは山本七平とか引用してきた時点で終わりです。

Posted byブクログ

2021/08/17

ウサギと蛙と月との関係が、口調は読みやすく書かれているが、後半宗教色が濃く、頭に入りにくかった。もっと、絵の意味をひとつひとつじっくり知りたかったので残念。甲本以外にもあることを知り、他の本も興味を持った。

Posted byブクログ

2021/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これは表面的・現象的には鹿がウサギを対岸に渡す話ですが、その仏教的な意味は釈迦(鹿)が人間(動物たち)を迷いの此岸(林野火災のこちら側)から悟りの彼岸(平和なあちら側)に自分の背を超えさせて渡すという象徴的な話です。  論理的に言えば、右→左は「原因があって結果がある」ですが、左→右は「結果には原因がある」となります。同じことを言っているようで違いがあります。「果因関係」でしょうか。哲学的です。 「甲巻」で腹を仰向けに出して倒れるカエルがこの倒れた象の隠喩であったとすると、追われて逃げている犯人のサルのことを「提婆達多」だと言っていることになります。 (明恵)上人の右耳の上、三分の一ほどがその時になくなります。 第三章より 月の兎へのミスリードを含む文学的?な解釈から鳥獣戯画を考察した本書。 詩は名言を避け、登場人物には意味を持たせ、物語にはメッセージを忍ばせる。Marvelだとサノスは物質主義・気候変動のメタファーとされたり、A24スタジオの『ミナリ』では旧約聖書が下敷きになっています。思っていることをそのまま書き記すのはナンセンスで古くなっていて退屈。あるいはそれを時代や周囲の環境が許さなかった場合もあるのかもしれません。あえて隠そうとした理由など考えてみるのも面白いです。 そういった観点から、では鳥獣戯画の絵に込められた意味とは何かを四章形式で語っていきます。 著者の方は1959年生まれ。文学者、研究員という肩書きらしく、章ごとの引用参考文献もちゃんと記されております。コラムにWikipediaの引用があり、どこか2020年代的。 明確な答えというものに強い意味は感じませんが、それらが現代にどのように残っているか、現代で暮らす自分自身はどのように受け取るかが重要なのかな、と。楽しく読了。 

Posted byブクログ