感情の哲学入門講義 の商品レビュー
この本は科学ではなくて哲学の本だということが最初に書いてるんだけど、読み終わって、というか読んでる最中から、これが哲学かーというのが一番の感想。哲学は演繹で、科学は帰納だなーとしみじみ思った。演繹だと、どんどん先に進むことはできるけれど、道筋が全ての現象を網羅しているのかどうかが...
この本は科学ではなくて哲学の本だということが最初に書いてるんだけど、読み終わって、というか読んでる最中から、これが哲学かーというのが一番の感想。哲学は演繹で、科学は帰納だなーとしみじみ思った。演繹だと、どんどん先に進むことはできるけれど、道筋が全ての現象を網羅しているのかどうかがわからない。全体の広がりが見えないみたいな。帰納だと、はっきり言えるところは多くはないけれど、取りこぼしが少ないという感覚はある(もちろん、実際にどうなのかはわからないんだけどね)。なので、こういうことが言えるということは分かるけれど、それだけで本当に大丈夫なの?という感覚が読んでる間にずっとあって、大変に気持ちが悪かった。 内容自体は、感情に関するこれまでの成果を満遍なく取り扱ってるのだろうな、と思った。
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まさに大学の講義を受けているようだった。感情に関するいくつかの基本的な理論を軽めに触れているので、感情の哲学についてどんな議論がなされているのか、全体像を捉えることができた。それぞれの章でより深く学びたい人のためにおすすめの本を紹介してくれるのも大学の講義のようで興味深く読めた。
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大学で行われる講義のような形で進んでいき、かつ各章の見取り図のようなものも示されるため非常に読みやすい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日々たくさんの感情が立ち起こっているはずなのに ややもすると 流れて行ってしまう「感情」 「感情」ってなんなんだろう…という興味から手に取った一冊 大学で行われた講義がまとめられた本なので使われている言葉はちょっと難しめで「○○説」というのがたくさん出てきて 途中「う~~ん」となりながら…も読了。 基本的な感情 複雑な感情 ネガティブな感情 ポジティブな感情 いろいろな感情がある。 ネガティブな感情はなるべくならコントロールしたいもの。 「感情」には身体的側面と思考的側面があると述べられている その「側面」や「特徴」 どんな時に起こるものなのか…を理解することで 感情のコントロールの助けになる。確かにそうだと思う。 そのようにとらえていけたら 自分の「感情」をちょっと客観的にみられるようになるのかもしれない
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タイトルの通り。講義録を元にしており読み易いし、基本の基本を押さえる感じで難しいところまでは踏み込まないのも一般教養科目の教科書のよう。感情の哲学とはどんなものだろうと思った時に最初に読むのに良い本であろう。私はその先、巻末の参考文献辺りをうろうろしているのだと思う。
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感情ってもちろん持ってるし、あるのはわかっているけれど、哲学なんだと初めて知った。哲学とするなら、一つ一つ場合や条件に当てはめて検証していかなければならない。でも感情は複雑で、一つにおさまる条件を提示するだけでも大変。感情を定義し考えるのが哲学なら、広大で深くて悩ましいと思ってし...
感情ってもちろん持ってるし、あるのはわかっているけれど、哲学なんだと初めて知った。哲学とするなら、一つ一つ場合や条件に当てはめて検証していかなければならない。でも感情は複雑で、一つにおさまる条件を提示するだけでも大変。感情を定義し考えるのが哲学なら、広大で深くて悩ましいと思ってしまった。大学って本来、そういうことを考え、検証し、また考える、そういう場なんだろうな。
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とても読みやすかった。感情について考えるいくつもの視点が簡潔に書かれていて、最後におすすめの本まで書いてくれていて、まさに入門にぴったりだと感じた。
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第1講 ガイダンス 1 日常のなかの感情 2 哲学は何をするのか 3 「感情」という言葉について 4 各講義の概要 第2講 感情の本質は何か 1 本質の見つけ方 2 本質の候補 3 思考の重要性 第3講 感情と身体 1 ジェームス=ランゲ説 2 根拠となる思...
第1講 ガイダンス 1 日常のなかの感情 2 哲学は何をするのか 3 「感情」という言葉について 4 各講義の概要 第2講 感情の本質は何か 1 本質の見つけ方 2 本質の候補 3 思考の重要性 第3講 感情と身体 1 ジェームス=ランゲ説 2 根拠となる思考実験 3 身体説の検討 第4講 感情と思考 1 志向性 2 身体と思考の組み合わせ 3 どんな思考が必要なのか 4 「感情の本質」まとめ 第5講 感情と価値/基本的な感情 1 価値の客観性 2 正しい感情と誤った感情 3 基本感情 4 感情価 第6講 複雑な感情/感情と文化 1 感情の混合 2 高度な思考に基づく感情 3 文化の影響 第7講 無意識の感情/ロボットの感情 1 感覚と無意識 2 感情の役割 3 ロボットは感情をもてるか 4 意識のハード・プロブレム 第8講 他人の感情を見る 1 他我問題 2 「見る」とはどういうことか 3 表情は感情の表象か 4 表情は感情の部分 第9講 感情と気分/感情と痛み 1 感情と気分を分ける基準 2 なぜ憂うつになるのか 3 痛みの感情的側面 第10講 感情と理性は対立するか 1 感情は合理的でないのか 2 VMPFC損傷 3 二重過程理論 第11講 道徳哲学と感情の科学 1 道徳的判断 2 トロリー問題の二つのシナリオ 3 功利主義と義務論 4 道徳と二重過程 第12講 恐怖を求める矛盾した感情 1 負の感情のパラドックス 2 消去説 本当は怖がっていない 3 補償説 恐怖と喜びを同時に抱く 4 フィクションが関わる場合 第13講 感情とフィクション 1 フィクションのパラドックス 2 錯覚説 フィクションを現実と間違える 3 ごっこ説 怖がるフリをしている 4 思考説 思い浮かべて怖くなる 5 二つのパラドックスを合わせる 第14講 感情とユーモア 1 愉快な感情 2 笑いとコミュニケーション 3 ユーモアとは何か 4 不一致と、あと何か 第15講 全体のまとめ 1 感情をコントロールする 2 読書案内
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4月14日新着図書 【誰もがもつ「感情」をできるだけ多くの観点から考える本。 著者が大学で行ってきた15回分の講義を15の章に分けて紹介します。なんとなく大学の講義の雰囲気がつかみとれるかも。感情や哲学に興味を持った人におすすめの入門書。】 タイトル 感情の哲学入門講義 = In...
4月14日新着図書 【誰もがもつ「感情」をできるだけ多くの観点から考える本。 著者が大学で行ってきた15回分の講義を15の章に分けて紹介します。なんとなく大学の講義の雰囲気がつかみとれるかも。感情や哲学に興味を持った人におすすめの入門書。】 タイトル 感情の哲学入門講義 = Introductory lectures on philosophy of emotion 請求記号141 : Ge https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28181776
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