なんで洞窟に壁画を描いたの? の商品レビュー
主人公がやたらメモとってるな、と思ってたら最後「今まで培ってきた知識がある瞬間に紐づく」タームがあってかなり驚きました。そんなものを文章で追体験させようとするとは。13歳からの考古学シリーズは本当に他にない読み味があって素晴らしいと常々思っています。
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※このレビューにはネタバレを含みます
シリーズの他の本が面白かったので読んでみた。 言われてみたらなんで洞窟に壁画を描いたんだろう? 明確な結論が出ているわけではないようだけど、知り得た情報から推測される答えがあったり、そもそも美術の始まりとは? とか、そもそも人間とは? みたいな壮大な話に広がっていくのも面白かった。 何が描かれているのか分かる絵を描くのも、それを鑑賞するのも人間しかいないって、確かにそうだなぁ。 話の本筋とは少し外れるかもしれないけど、なんでも気になったことをメモしておく理乃ちゃん見習いたい。 おじいちゃんが教えてくれたメモの活用とまとめ方も覚えておこう。
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タイトルに「13歳からの考古学」とあるように、子ども向けの本だったけれど、おかげで分かりやすかった。 なぜ洞窟に壁画を描いたのか、という疑問への答えが、様々な説があって正確な答えは出ていないと、いうのも面白かった。こういう本にするのであれば、答えありきなものかと思ってたのに意外...
タイトルに「13歳からの考古学」とあるように、子ども向けの本だったけれど、おかげで分かりやすかった。 なぜ洞窟に壁画を描いたのか、という疑問への答えが、様々な説があって正確な答えは出ていないと、いうのも面白かった。こういう本にするのであれば、答えありきなものかと思ってたのに意外。 洞窟壁画が描かれた時代は、狩猟採取の移動する人たちだったのに、洞窟という動かない場所に絵を残すというのも興味深いと思ったり。 以下メモ 初期人類に関する仮説は、1,2年おきに新説が登場して、人類史のシナリオが少しずつ変わることがあるんです。また、形質人類学、遺伝子学、考古学、それぞれの学者によっても様々な説があって、なかなか統一されていないんです。 壁画ではだいたい20年おきくらいに学説の見直しがあったり、およそ50、60年に一度くらいに大きな新発見があるんですよ。 洞窟壁画の再現方法 レーザーを使って、洞窟内部の空間を立体的に3D計測し、そのデータをもとに岩面の凹凸を正確に再現し立体化した。 岩の凸凹を忠実に再現した壁面に、プロジェクションマッピングを使って、壁画の写真を正確に投影させて、画家が壁画を忠実に模写する。 (この再現洞窟はフランスにある) マンモスの形をした小さな彫刻を見ながら 実際のマンモスと比べると、大きさも色も質感も硬さも全然違うもの。形だけを頼りにして、マンモスだって思うのはおそらく人間だけ。人間だけが象徴を作る。 前に見たときは、昔の人がよくこんなのを上手に作ったなって思っただけだったけど、今回は人間がこうした形を作る能力、象徴を作る能力を持っていること自体がすごいなぁと思った。見方を変えると、モノが違って見えてきた。
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借りたもの。 歴史好きの中一女子が、ラスコー壁画のレプリカに触れて、「なぜ洞窟に絵を描いたのか?」に興味を持ち、フランス現地の洞窟見学や、ルーヴル美術館見学などを通して、ホモ・サピエンス(現生人類)にしかできない象徴――実用的ではない、図像や強調した像――を通したコミュニケーショ...
借りたもの。 歴史好きの中一女子が、ラスコー壁画のレプリカに触れて、「なぜ洞窟に絵を描いたのか?」に興味を持ち、フランス現地の洞窟見学や、ルーヴル美術館見学などを通して、ホモ・サピエンス(現生人類)にしかできない象徴――実用的ではない、図像や強調した像――を通したコミュニケーションに目を向ける、壮大な体験物語。 歴史を考察する――推理する――ワクワクに満ちている。 光が射さない洞窟の奥。飾るためではない。 エルンスト・H・ゴンブリッチ『美術の物語 ポケット版』( https://booklog.jp/item/1/4309257461 )でも、‘絵を描くことの霊力をみんなが信じていた(p.39)’と指摘していた。 この本でも美術の始まりをめぐる疑問に、明快な解答が得られる訳ではない。 ただ、あとがきの著者たち専門家の言葉も示唆に富んでいる。 ‘当たり前だと思っていることを見直す機会が必要だと思う’。 実用以外の目的で作った象徴的なものをつくること……その非合理的さやそれらを見て現代人は感動することなどの気づきを得られるものだった。 自身を振り返っても、思春期の頃は、古代史にロマンを感じる絶頂期だったと思う。 古代史は文字情報が残っていない事なども相まって、不明な事が多いこと、 古代史が扱う世界観は政教分離されていない、人間が現実的な利害関係、権力欲で泥沼の戦争をしていないイメージ……一種の“ファンタジー”によっているためだろうか? シリーズが指し示すように、美術というよりは考古学的な話に重点を置いているのだが、副題にあるように美術のはじまりを探る旅とある――美術の面から見ても重要なポジションなので――、とりあえず私のカテゴリでは「美術」に入れておく。
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「現実を生きるサル空想を語るヒト」を読んでいて 『そういえばラスコー洞窟壁画についてたとえ10分でも考えたことないな。。』 と思い、今まで調べなかったということはさほど興味がないジャンルだろうからいきなり大人向けのマジ本を借りても胃が受け付けないだろうという推理の元、検索ヒッ...
「現実を生きるサル空想を語るヒト」を読んでいて 『そういえばラスコー洞窟壁画についてたとえ10分でも考えたことないな。。』 と思い、今まで調べなかったということはさほど興味がないジャンルだろうからいきなり大人向けのマジ本を借りても胃が受け付けないだろうという推理の元、検索ヒット中、最も子供向けだと思われたものをチョイスしてきました。 結果としては流石にちょっと対象年齢を間違えた。あと内容と文体のミスマッチ(内容はいい。ただ作者はそのまま書いたのでは読者がついて来れないと思ったのか狂言回しの女の子や祖父にキャラクターを持たせ過ぎの感があってつらい。歴史をマンガで学ばせよう!となればその歴史上の人物やイベントに尾鰭をつけるべきであって狂言回しやコマの外に装飾をするべきではない。みたいな?要は文章が下手くそというかセンスがないというか。私には合わなかった。)さらにトピックがラスコー洞窟壁画のみならず他のものへ拡がっていくのも私にとってはちと期待はずれ。写真を沢山掲載するのは金がかかるとしても、せっかくの挿絵をイラストレーターに依頼しているのならもっと拡大した(シンプリファイした)絵で壁画を説明してくれると嬉しい。 このまま星をつけたのでは1か2になっちゃうんですが、そもそも子供用の靴売り場に行って誰が見てもサイズ違いのものを無理矢理履いた上に「こんなもの履けないじゃん!靴じゃない!」とわめいたら100私が悪いので星はスキップします。 でも 本来の目的(ラスコー洞窟壁画について10分でも考える)は達成できましたし、以下のポイントはおかげさまで収穫でした。 1)横向きに描かれた牛や馬や鹿。そのままベタっと着色すればどちらの脚が手前でどちらが後ろか分からない。後ろ側のみ着色したり、腹との接地面のみ着色を省いたり、線自体を繋げないなど当時の遠近法ともいうべき方法で表現している。(知りませんでした) 2)沢山の壁画が見つかっているが人間(鳥人間)が描かれているのは井戸の場面の1体のみ。(知りませんでした) 本文中では「人間を描く対象として見ていなかった。動物にのみ注目していたのでは」との推理だが井戸の場面からのみ槍が20本も発見されている(知りませんでした)ことからしてもわざと描かなかった(興味ないんじゃなくて描いちゃいけない禁忌だったのでは?)とか? 3)当時のランプ(木製のスプーンのような?)には動物の脂に小さな小枝を混ぜたものを乗っけて着火してたらしい。脂がいいと煤がほとんど出ないので壁画作業に支障なし。そしてそれが壁画に煤がない理由とな。(知りませんでした) 4)牛には顔があるけど馬や鹿には顔がない(全く気がつきませんでした) なんだかんだで楽しんでんじゃんお前 と言われればそうなんですけど、私はワガママで理不尽なのでね。
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中学生の理乃は、歴史部部員。文化祭で何を発表するか悩んでいるとき、じいちゃんがラスコー展を見てきたと聞き、弟と一緒に連れて行ってもらう。歴史の教師だったじいちゃんの教え子でもある研究者の田端さんに案内してもらう。旧石器時代の人たちはこんな素晴らしい壁画をなぜ洞窟に描いたのか、不思...
中学生の理乃は、歴史部部員。文化祭で何を発表するか悩んでいるとき、じいちゃんがラスコー展を見てきたと聞き、弟と一緒に連れて行ってもらう。歴史の教師だったじいちゃんの教え子でもある研究者の田端さんに案内してもらう。旧石器時代の人たちはこんな素晴らしい壁画をなぜ洞窟に描いたのか、不思議に感じ始め文化祭のテーマにすることにした。 夏休みを利用してじいちゃんとフランス・ラスコーまで出かけたり、専門家の説明を直に聞けたり、ちょっと幸運過ぎるけどテーマは面白かった。写真や地図などの資料も豊富。 ただ解説してくれる研究者たちや先生の名前を、わざわざカタカナ書きにしているのは何故なのだろう? 紹介の時点では漢字なのに…。理乃や弟の名前などは、終始漢字表記なのに。全体に漢字にはフリガナがふってあるので、カタカナにする意味がわからなかった。
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洞窟壁画の第一人者のお一人である著者の本だけあって、洞窟壁画のことがかなり詳しく分かる。それだけではなく、たくさんの洞窟で壁画を見た経験やヨーロッパの旧石器時代の美術に触れた経験を本の中の主人公の女の子に追体験させ、その時に著者が感じたことを女の子やおじいちゃんに語らせているよう...
洞窟壁画の第一人者のお一人である著者の本だけあって、洞窟壁画のことがかなり詳しく分かる。それだけではなく、たくさんの洞窟で壁画を見た経験やヨーロッパの旧石器時代の美術に触れた経験を本の中の主人公の女の子に追体験させ、その時に著者が感じたことを女の子やおじいちゃんに語らせているように感じた。子どもが読めるように書かれているが、先史時代の美術や洞窟壁画に興味があれば、大人も楽しめる。巻末に洞窟や博物館へのアクセスなどがまとめられていて、行きたくなる仕掛けが憎い。
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さらっと壁画について知ろうと思った 子供向けにみえて情報の収集の仕方や沢山の情報を整理して発表する方法まで触れられているハイスペックな一冊 まあなかなか実際に行くところまでは難しいかと思うが、博物館にいくときの目線を学んだ
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フランスの歴史の本を読もうと思うと いちばん最初に出てくるラスコーの洞窟壁画。 大好きなワイン産地ボルドーの近くだし、 興味が湧いて図書館で借りて読んでみました。 のちに「発表する」ということを根底に据えて 次々に湧く疑問を追求していく一連の流れ。 専門家の知人が詳しい専門的知...
フランスの歴史の本を読もうと思うと いちばん最初に出てくるラスコーの洞窟壁画。 大好きなワイン産地ボルドーの近くだし、 興味が湧いて図書館で借りて読んでみました。 のちに「発表する」ということを根底に据えて 次々に湧く疑問を追求していく一連の流れ。 専門家の知人が詳しい専門的知識を与えてくれて、 歴史の先生だったおじいちゃんがいいアドバイスをくれる。 主人公は中学生ながら知的好奇心に溢れる女の子で、 子どもらしい疑問がピュアな視線を保つのとともに、 要所要所でスマホに入力する「メモ」が 読者にとっても内容を整理するのにとても効果的。 最終的に「発表する」ところへ持っていくので、 得た情報の整理の仕方にも触れられていて うまく構成されてるなと思いました。 専門家、知識人、好奇心旺盛な子ども、 という3人の会話で話が進んでいくので、 情報もわかりやすく頭に入りやすい。 最後まで興味深く読むことができました。
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洞窟壁画に興味を持った中1の理乃はおじいちゃんをはじめとするナビゲーターと美術の始まりを考える旅に出る。 そもそもラスコー洞窟の壁画にレプリカがあることを知らなかった。しかも現地では洞窟を再現とか規模が違い過ぎてて想像が追っつかない。 ラスコーの旅も、美術と文字と文化の謎、動...
洞窟壁画に興味を持った中1の理乃はおじいちゃんをはじめとするナビゲーターと美術の始まりを考える旅に出る。 そもそもラスコー洞窟の壁画にレプリカがあることを知らなかった。しかも現地では洞窟を再現とか規模が違い過ぎてて想像が追っつかない。 ラスコーの旅も、美術と文字と文化の謎、動物園から人間とは何かという根源への考察、見聞きしたことをまとめ組み立てていく様子もとても面白かった。 あちこちにちりばめられた理乃の疑問は、子どもたちに与えられたものをそのまま呑み込むのではなく、咀嚼して味わい、疑いを持ち、新しい見方で物事を眺めなおす姿勢を学べるのではないか。 美術を文化や哲学、コミュニケーションなど様々な角度から見ることも興味深く教えてもらった。 知は冒険だ!
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