花は散っても の商品レビュー
現代を生きる美佐と昭和初期を生きる祖母咲子、義姉の龍子を行き来して語られる物語。 坂井希久子さんらしからぬ?女性の愛憎を描いた作品、龍子さんへの憧憬の描写がやや共感しにくい部分も。
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ドラマティック。 一本の映画を観終えた様な読後感。 この物語の主人公・美佐は谷中で着物のネットショップを切り盛りしている。 ある日、実家の蔵で、簞笥に仕舞われた銘仙、謎の写真、三冊のノートを見つける。 今は亡き祖母の咲子がしたためた手記から家族の歴史と秘密が紐解かれて行く。 ...
ドラマティック。 一本の映画を観終えた様な読後感。 この物語の主人公・美佐は谷中で着物のネットショップを切り盛りしている。 ある日、実家の蔵で、簞笥に仕舞われた銘仙、謎の写真、三冊のノートを見つける。 今は亡き祖母の咲子がしたためた手記から家族の歴史と秘密が紐解かれて行く。 祖母の咲子と、咲子が崇拝する龍子。 11歳で知り合い、戦禍を共に生き抜き、互いに一番大切な存在だと認め合いながらも、運命のいたずらで引き離されて行く二人がもどかしい。 様々な想いが交差するも、二人が辿った過去から現在に繋がる生き様に胸が熱くなった。
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美佐が見つけた祖母咲子の手記。 現在の美佐と戦前から戦後にいたるまでの咲子の手記を交互に進んでいく。 咲子の手記の読み応えがなかなか。 坂井希久子さんは、着物がすきなんだなぁ。
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咲子さんの献身ぶりは素晴らしかったけど、相手にはそれが全く伝わってないのが気の毒です。龍子さんが能天気すぎると言うか自己中心的すぎると言うか共感できなかったです。美佐の方の物語でも夫や義母にイライラしてしまい、離婚を決めてほっとしたくらい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
果たして美佐の妊活からの離婚の話しが必要であるのか?美佐という人に対して好感が持てない。咲子と龍子の友情?愛情?共依存も最初のうちは可愛らしかったが段々と鼻につく感じが出て来て腹が立ってくる。誰一人まともな人がいない。ちょっとイラっとする。戦時下こんなにのほほんと生きて行けていたの?あまりこの文からは切実さが伝わらない。結局咲子の想像して書いた物語でした。みたいなのかと思ったけど違った。
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46二つの時代にわたる人生の物語でしたね。人生を大きく変える戦争と誠実な愛がすれ違う悲しみは時代のせいか。懸命に生きた女性と家族のおはなしです。星四つにするかな。
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いい話だ。こんなことあるかなぁと思う場面もあるけど、小説だからね。 少しくどくて退屈なところもあったが、良く書けてる。作者の才能にスゴイと感嘆!
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昭和の「細雪」?と思い始めていたら、ホントに細雪が登場してビックリ‼️純粋、無垢な少女の目から見ても矛盾だらけの戦中の時代の空気がよく描かれている。「もはや個人の都合で歩みを止めることが出来ない状況」に追い込まれる前に、声を挙げていかなくては、だね。
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39歳の美佐は妊活がうまくいかず、優柔不断な夫とうるさい義母から離れひとりで生活をしている。 谷中で着物のネットショップをしているある時、実家の蔵の整理中、箪笥に仕舞われた銘仙と3冊のノートを見つける。 そこから祖母の過去を知ることになる。 ここから一気に読破。 祖母の過去...
39歳の美佐は妊活がうまくいかず、優柔不断な夫とうるさい義母から離れひとりで生活をしている。 谷中で着物のネットショップをしているある時、実家の蔵の整理中、箪笥に仕舞われた銘仙と3冊のノートを見つける。 そこから祖母の過去を知ることになる。 ここから一気に読破。 祖母の過去。 そこから見えてくるもの。 ひとことで言えることではない話。 誰にも言わなかった祖母。 感動というよりなにか複雑な思いが残った。
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時は止まってくれないから、 ついつい忘れてしまう。 今目の前にあることに必死で、 手を伸ばせば届くところにある過去ですら 遠きものにしてしまう。 それほど遠くない過去、 私たちの国は戦争をしていた。 多くの人々が失われ、 たくさんの想いが引き裂かれた。 離婚すべきか否か悩む 現...
時は止まってくれないから、 ついつい忘れてしまう。 今目の前にあることに必死で、 手を伸ばせば届くところにある過去ですら 遠きものにしてしまう。 それほど遠くない過去、 私たちの国は戦争をしていた。 多くの人々が失われ、 たくさんの想いが引き裂かれた。 離婚すべきか否か悩む 現代2019年に生きる川端美佐さん。 その祖母・川端咲子さんが遺したノート に描かれる1940年代の少女時代。 目下の悩み、 夫との関係・自活の難しさに翻弄されながら、 美佐は咲子のノートの内容に惹かれていく。 自分のルーツがどこにあるのか。 祖母が伝えたかった想いとは何か。 そして自分はどうするのか。 祖母の人生を考えるということは、 父母の人生を考えることでもあり、 義父母について考えることにもつながる。 厳しさを増していく戦争時代の 生活を知ることは 今の日々を知ることにもつながる。 いずれもどれが絶対的に正しく、 どれだけが完全な悪だとは言えない。 それぞれの日々があり、想いがある。 異なる時代に生きた人の日々を知ることは、 自分の今のかけがえのなさを教えてくれる。
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