うんちの行方 の商品レビュー

4.1

23件のお客様レビュー

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2023/08/14

川に落とした弥生時代。肥溜めに溜めた江戸時代。令和の今、日本の水洗トイレ率は90%超。水を流せば目の前から消してくれる。排水システムは整備された。浄化も進み海に流れるのは澄んだ水。汚泥の山にはトマトの葉。列車のトイレも進化してる。停車中でも我慢は不要。向かう先はバイオのタンク。そ...

川に落とした弥生時代。肥溜めに溜めた江戸時代。令和の今、日本の水洗トイレ率は90%超。水を流せば目の前から消してくれる。排水システムは整備された。浄化も進み海に流れるのは澄んだ水。汚泥の山にはトマトの葉。列車のトイレも進化してる。停車中でも我慢は不要。向かう先はバイオのタンク。それでも山ではマナーが大事。できれば持ち帰ろう。設備使うなら寄付しよう。世界ではまだ40億人もトイレがない家に住む。現代日本に生きててよかった。もう昔には戻れない。それでもまだ苦しめるものがある。原発こそは”トイレなきマンション”

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2023/03/02

確かにここまでちゃんとうんちの行方について考えた事がなかった。うんちひとつでここまでいけるのかと感心するし、すごく読みやすい。 大人になる前に一度は読んでおくと、当たり前のことの尊さと当たり前が奪われた時の怖さを学ぶことができるようになると思う。

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2023/01/19

臭そうなタイトルだが、中身は大真面目。うんち周辺の歴史や衛生、下水環境、トイレの技術の進化、排泄の仕方など奥が深くて面白い。毎日の糞便に興味を持とう。それは生活の一部であり、生きる上での大きなテーマだ。 先ずはうんちの構成成分。大便の7、8割は水分。残りのうち、半分は腸内細菌で...

臭そうなタイトルだが、中身は大真面目。うんち周辺の歴史や衛生、下水環境、トイレの技術の進化、排泄の仕方など奥が深くて面白い。毎日の糞便に興味を持とう。それは生活の一部であり、生きる上での大きなテーマだ。 先ずはうんちの構成成分。大便の7、8割は水分。残りのうち、半分は腸内細菌でもう半分が繊維質を始めとする消化されなかった食べ物。大便の匂いは大腸で食べ物が分解された時の消化酵素の中にあるインドール、スカトール、硫化水素、アンモニアという物質による。便の色は、胆汁に含まれているビリルビンと言う色素。歴史上のトイレ、糞尿処理所を断定する際、そこに有機物としての大便は当然分解されて残ってはいないが、未消化の種や骨、寄生虫の卵等が集積している箇所から推測するらしい。なるほど。現在でも、生活排水を分離した汚泥、その汚泥に混じる野菜の種にから野菜が実るらしい。最もこれは台所排水の可能性も高いが。 排泄物や生活排水を雨水と一緒に流す合流式。雨水とは別にする分流式。下水整備の遅れた田舎は分流式が多いが、東京23区は合流式。合流式だと、マンホールから溢れる水には排泄物が混ざる。 ああ、武蔵小杉。タワマン民は必読の一冊。

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2023/01/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

現代の日本人が誰も気にもしない「した後の行方」をしつこく追求すると同時に、世界人口の半数余りがいまだ上下水道が未整備な劣悪な環境にあることを憂える労作であることは確かであるのだが、取材したままを聞き書きしているスタイルが軽い調子になっているのが惜しまれる。

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2022/11/27

一言結論:行政資料としてではなく、興味から始まるうんちの行方を知ることで沢山のことに感謝できるようになります。エッセイ調なのも読みやすい。 感想:視界から消えればもうその行方など気にもとめない、と本文でも指摘されていますが確かにそうです。文字通りにも意識の中からも水に流してしま...

一言結論:行政資料としてではなく、興味から始まるうんちの行方を知ることで沢山のことに感謝できるようになります。エッセイ調なのも読みやすい。 感想:視界から消えればもうその行方など気にもとめない、と本文でも指摘されていますが確かにそうです。文字通りにも意識の中からも水に流してしまっていたうんちがどうやって処理されているのか、どんな苦労があるのか、その歴史はどうだったのか、1度に学べる教科書みたいな本でした。 改めて考えてみると排泄はどの時代でもどんな国の人でも行っている行為であり、その時々や場所によって色んな考え方や対処法があるはずで、こんなにも身近な現象なのに詳しくは知らないって不自然なことです。 「誰かがその仕事をやっている」 それを考えさせれるとても意義のある内容でした。それとともに、実情を伝え問題提起にもなっている本書はもっと多くの方に読まれるべきだと思います。

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2022/11/19

下水道のお話です。公共下水道場の成り立ちや近代までのし尿処理の歴史などが紹介されています。私自身は公害水質に携わったこともあり、その処理についてはある程度理解している一方、海洋投棄の歴史などについて驚かされました。また高層マンションでのし尿処理の聞けない質問を、マンション建設供給...

下水道のお話です。公共下水道場の成り立ちや近代までのし尿処理の歴史などが紹介されています。私自身は公害水質に携わったこともあり、その処理についてはある程度理解している一方、海洋投棄の歴史などについて驚かされました。また高層マンションでのし尿処理の聞けない質問を、マンション建設供給者に確認していただき、成る程と思うところ多々有りました。下水道場が発達するまでの循環型の生活スタイルはとても興味深く、参考に出来ればよいのでしょうが中々人が増えた現代では難しいとも感じました。

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2022/09/20

「うんち」というタブー視されているものを徹底的に読み解いた一冊。目の前から流しておしまいではなく、この流すという工程に至った歴史や流しておしまいにしない循環システム等も紹介されていて、より関心が湧きました。今度下水道処理施設に見学に行きたいと思いました。

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2022/06/04

臭いものの蓋もたまには開けようっていう本。 下水道施設の見学に行きたくなったので役割は充分果たしているし、新書なので仕方ないんだろうけど、下水道の仕組みをもう少し詳細に知りたかった。 p. 181『思えば、近代化とは「ウンチ」と「死」を忌むべきものとして人々の目の前から掻き消...

臭いものの蓋もたまには開けようっていう本。 下水道施設の見学に行きたくなったので役割は充分果たしているし、新書なので仕方ないんだろうけど、下水道の仕組みをもう少し詳細に知りたかった。 p. 181『思えば、近代化とは「ウンチ」と「死」を忌むべきものとして人々の目の前から掻き消すことだった。』 と、あるように、脳化社会は【終わり】を想定せずに進んでいってるんだろうな、と。

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2022/05/08

体内でどのように排泄物が作られるか、という内容ではなく、体外に出たあとの排泄物の行方について書かれた本。 現在の事情について丁寧に書かれているだけでなく、歴史的な経緯もしっかり書かれており、非常によい本だと思います。 現代は、「死」と「排泄物」を生活から遠ざけてしまった、という...

体内でどのように排泄物が作られるか、という内容ではなく、体外に出たあとの排泄物の行方について書かれた本。 現在の事情について丁寧に書かれているだけでなく、歴史的な経緯もしっかり書かれており、非常によい本だと思います。 現代は、「死」と「排泄物」を生活から遠ざけてしまった、という類の記述がありますが、まさにそのとおりで、排泄物については、体外に出してしまったら、まるでなかったことのようにされがちです。 現代の日本においては、100%近くの排泄物が、水洗トイレによって下水道に流れ込み、その後、適切な処理を経て、河川や海へとたどり着きます。 しかし、ほんの50年ほど前までは、日本でも、排泄物の臭い等に悩まされていました。 この間の技術の進歩に、我々は感謝すべきですし、その進歩の過程も知るべきかと。 そのためにも、この本は、多くの方に読んでもらいたいです。 ただし、食事時に読むのは避けた方がよいと思いますので、その点については、ご注意ください。

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2022/02/27

久しぶりに一気読みしました。 「くだらないことの話」のトーンで実は大真面目。 下水道の話や、歴史の話、要するに全部うんちの話です。 インフラが大きく変化する時、世の中はどう動いていったのかという点で、非常に勉強になりました。 「ボットン便所+農業利用」 で完全に成り立っていた...

久しぶりに一気読みしました。 「くだらないことの話」のトーンで実は大真面目。 下水道の話や、歴史の話、要するに全部うんちの話です。 インフラが大きく変化する時、世の中はどう動いていったのかという点で、非常に勉強になりました。 「ボットン便所+農業利用」 で完全に成り立っていた社会を 「水洗便所+下水道」 に変えていった話が良かったです。 現状を変化させるにはエネルギーがいります。 部活動、働き方改革、GIGAスクール構想、全部うんちと同じですね。

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