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スクリーンが待っている の商品レビュー

4.2

35件のお客様レビュー

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2021/03/03

“すばらしき世界”は本当にこれ以上ないような作品だったので、このエッセイを手に取りました。 一本の映画を撮るのって、こんなに大変なんだ こんなたくさんの人が、魂と命を削って作っているんだ それをこうして、僕たちは見せてもらっているんだ このエッセイを読んだらもう、映画はフラット...

“すばらしき世界”は本当にこれ以上ないような作品だったので、このエッセイを手に取りました。 一本の映画を撮るのって、こんなに大変なんだ こんなたくさんの人が、魂と命を削って作っているんだ それをこうして、僕たちは見せてもらっているんだ このエッセイを読んだらもう、映画はフラットに見られなくなります。 見ながら、作り手の苦労に思いを馳せてしまうので。 そのくらい、生き生きとした実感に溢れたエッセイ集です。

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2021/02/20

最新作『すばらしき世界』が公開中の西川美和監督のエッセイ集(+短篇小説)。メインになっているのは映画の製作発表前からクランクアップまでの期間に発表されたエッセイで、作品に対する様々な思い、スタッフや役者たちも含めた映画作りの裏話、コロナ禍での世界の変容などをユーモラスに綴っている...

最新作『すばらしき世界』が公開中の西川美和監督のエッセイ集(+短篇小説)。メインになっているのは映画の製作発表前からクランクアップまでの期間に発表されたエッセイで、作品に対する様々な思い、スタッフや役者たちも含めた映画作りの裏話、コロナ禍での世界の変容などをユーモラスに綴っている。途中何度もニヤついたり吹き出してしまったので、他人の目のあるところで読まれる方は要注意。どう受け止めればいいか悩んだ映画の、理解への一助にもなった。

Posted byブクログ

2021/02/11

映画監督である著者の最新作『すばらしき世界』の制作過程が綴られたエッセイ集(ちなみに自分は映画を見てから読むのをオススメします)画面だけでは知り得ない俳優・役所広司の凄さや各スタッフの人柄などが結構オープンに書かれていて興味深い。個人的に著者の作家性は「嘘と本音」にあると思ってい...

映画監督である著者の最新作『すばらしき世界』の制作過程が綴られたエッセイ集(ちなみに自分は映画を見てから読むのをオススメします)画面だけでは知り得ない俳優・役所広司の凄さや各スタッフの人柄などが結構オープンに書かれていて興味深い。個人的に著者の作家性は「嘘と本音」にあると思っているのだが、それは本書にも通じていると感じる。一方でかなりシビアな内部事情が書かれた『ともだち』は読んでいて胃がキリキリした…

Posted byブクログ

2021/01/31

期待が高すぎなのかも。 原作の身分帳も読んだけど今ひとつピンとこなかった。 西川美和さんの作品は好きだけど、西川美和さんが好きなものが好き、とはならないものだな、と思った。

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2021/01/25

 西川美和監督の最新作「すばらしき世界」を制作する際のエピソードを中心にしたエッセイ。映画はもちろん大好きなんだけど監督の文章もファンなのでこうして読めて嬉しかった。  今回の映画は初めて小説原作ありきということもあり、小説から脚本へと昇華させていく過程での様々なエピソードや監督...

 西川美和監督の最新作「すばらしき世界」を制作する際のエピソードを中心にしたエッセイ。映画はもちろん大好きなんだけど監督の文章もファンなのでこうして読めて嬉しかった。  今回の映画は初めて小説原作ありきということもあり、小説から脚本へと昇華させていく過程での様々なエピソードや監督がどういうアプローチで臨んでいったのか細かく記録されていて一体どんな映画になっているのか非常に楽しみになった。また、おそらく見てから読んだとしても「これはあのシーンだな」とか「この人のことか」みたいな答え合わせもできるだろう。したがって、見てから読んでも、読んでから見てもどちらでも良いように個人的には感じた。  「ともだち」というエッセイでは、これまで長年付き添ったプロデューサーから新しいプロデューサーに乗り換えることが書かれているのだけど、それが本当に生々しい内容で読んでてドキドキした。新しい空気を入れなければ次の進化はないし、それに伴い失う安定もある中で、著者が苦渋の決断するところは華やかに見える映画作りはシビアな世界で他の仕事と変わらないのだなと感じた。筆力ということで言えば「異邦の人」が抜群。前作の「遠きにありて」では何度もウルルになったけど、今回は「異邦の人」でウルルだった。日本に来ている技能実習生の話なんだけど、彼らの過酷な環境が問題になっていることは念頭に置きつつ、その中でもたくましく生きている姿が取材含めて丁寧に書かれていて非常にオモシロかったし最後のくだりで泣いた。  公開前ということもあり映画に関する具体的な内容は少ないものの、著者が今回キャスティングした役所広司と仲野太賀の話は興味深くて、特に仲野太賀の話は語られているのを読んだり聞いたりしたことなかったので新鮮だった。  映画はコロナ前に撮影が終わっていたものの、編集作業などはコロナ禍の影響をもろに受けていたようで、その頃どういうことを考えていたか知ることができてオモシロく、これまで読んだコロナ禍における文章で一番刺さった文章を最後に引用しておく。何気ない描写でハッとさせる著者の提示する視点がとにかく好きだ。映画が楽しみでならない。 またスタジオの密室で、朝から晩まで膝と膝をつき合わせながら、人たちと仕事ができるときのことを思うと、それだけで胸が踊るような気持ちだ。私たちは、必ずその日を迎える。それまでは窓外の空に憧れながら、麺を茹でてはネギを刻み、タレをかけて食す日々だ。

Posted byブクログ