女性差別はどう作られてきたか の商品レビュー
日本の江戸時代,案外いけてるのではと見直した.キリスト教の弊害というよりキリスト教を巧みに使った男たちの支配だったというべきだろう.わかりやすく歴史を整理してあり,フェミニズムというのは本当に最近になってのことだと知った.
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録画しておいたNHK「アナザーストーリーズ」を見た。 取り上げられていたのは、女子差別撤廃条約に批准するため国内法を整備した女性官僚、俳優浅野ゆう子氏、そして男女雇用機会均等法一期生の女性たちだった。 私も彼女たちの意志を継ぐものとして、後輩に道を作りたいと思う。 さて、本書で...
録画しておいたNHK「アナザーストーリーズ」を見た。 取り上げられていたのは、女子差別撤廃条約に批准するため国内法を整備した女性官僚、俳優浅野ゆう子氏、そして男女雇用機会均等法一期生の女性たちだった。 私も彼女たちの意志を継ぐものとして、後輩に道を作りたいと思う。 さて、本書ではホッブズの意外な点に驚かされた。 ホッブズといえば、リヴァイアサン。 教科書に載っていた白黒の王冠を被った王のような、怪物のようなものが描かれた版画を覚えている人もいるだろう。 ロックやモンテスキューに比べると、ちょっと古い人、というイメージがあったのだが、こと女性の権利に関しては全くホッブズを理解していなかった。 「社会契約」によって守られていたのは男性のみで、女性はそもそも契約の主体である「人間ですらない」というのはショックだった。 アリストテレスから続く「女性=無能力」の思想は西洋に根深く、だからこそ女性たちは権利を勝ち得た。 一方日本では、江戸期においては女性が一定の独立性を持っていたことを考えると、次第に女性の権利が奪われていったのは何故か。 本書では明治政府の施策に原因をみる。 そしてその施策によって作られた「伝統」は今も女性を縛るが、時代は動きつつある。 男女の別なく、互いを尊重し、協力し、自分らしく、善く生きることは誰にとっても生きやすい世界だと思う。 本書は日本と西洋を同一に語らず、しかも断罪しない点がよい。 私のように感情に任せるのではなく、淡々としかし単調ではない論理の詰めかたは素晴らしい。
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社会史というより、ペイトマン先生を下敷にした思想史なのね。ペイトマン〜中村先生たちにとっては現代的な女性支配とはどういう感じなのかなあ。最後にジェンダーギャップ指数が出てきてずっこけた。ほんとあの数字は有害だ。
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