スケールフリーネットワーク の商品レビュー
2024年2月24日読了。現東芝社長の島田太郎氏と尾原和啓死による、ものづくりに知見のある日本にいかに今後の世界で優位に立てる強みがあるか、を語る本。「スケールフリーネットワーク」の概念が少々わかりにくいが、要はロングテールのこと?こだわりの少品種展開がニッチ顧客に刺さればすごい...
2024年2月24日読了。現東芝社長の島田太郎氏と尾原和啓死による、ものづくりに知見のある日本にいかに今後の世界で優位に立てる強みがあるか、を語る本。「スケールフリーネットワーク」の概念が少々わかりにくいが、要はロングテールのこと?こだわりの少品種展開がニッチ顧客に刺さればすごいことになるよ、ということだと思うが少々楽観的シナリオに過ぎる気もする…。それを実現できるミッションやカルチャー、人材を持っているような会社がないのが日本の問題なんだと思うが。逆転の可能性を信じてがんばっていくしかないわな。
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スケールフリーネットワークの概念について、ハブ空港やAmazon Facebookなどの事例を用いてわかりやすく説明されていた。 簡単に参入できない技術や資本を持ってさえいれば、公開&インセンティブを与えてむしろ新規参入を歓迎するやり方が爆発と将来的なビジネス拡大は見込...
スケールフリーネットワークの概念について、ハブ空港やAmazon Facebookなどの事例を用いてわかりやすく説明されていた。 簡単に参入できない技術や資本を持ってさえいれば、公開&インセンティブを与えてむしろ新規参入を歓迎するやり方が爆発と将来的なビジネス拡大は見込めるということにはすごく納得した。 書かれている内容を読むと世界にとって覇権を取れるような期待も持ってしまうが、実際日本のPOSを利用したスマートレシートのサービスは初めて知ったし、既にクレカ決済やバーコード決済が主流の海外で同様のものが流行るかは怪しいのではないかなどと思ったりもする。
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東芝社長(当時は役員)の島田太郎と、京都大学の人工知能研究者の尾原和啓の共著。「スケールフリーネットワーク」を起点とした日本企業のDXの方向性について論じた内容となっている。 「スケールフリーネットワーク」とは、ノートルダム大のバラバシ教授らが発見した現象で、ランダムネットワー...
東芝社長(当時は役員)の島田太郎と、京都大学の人工知能研究者の尾原和啓の共著。「スケールフリーネットワーク」を起点とした日本企業のDXの方向性について論じた内容となっている。 「スケールフリーネットワーク」とは、ノートルダム大のバラバシ教授らが発見した現象で、ランダムネットワークとは異なり、大多数のノードがごくわずかなリンクしか持たない一方で、膨大なリンク持つノード(ハブ)が存在するという、ネットワークの形のことである。 これにより多様な要素が繋がりやすくなり、イノベーションやパーコレーション(何かが飛躍的にネット上で広がる現象)が起こりやすくなるとされる。 著者らはインターネットの普及と日常化フェーズである「一回戦」は、北米企業の独り勝ちとなったと振り返った上で、現在の世界のビジネスはあらゆるフィジカルなものがインターネットを介してつながるフェーズ「二回戦」に移りつつあるとする。 一回戦では「広告」「小売」がサイバー化したが、これはGDP構成比では8%に過ぎない。 対してこれからの主戦場となる製造業はGDP構成比で25%と、はるかに規模が大きい。 だからこそ衰退する日本経済はきたる二回戦に備えて、自社の製品を中心としたスケールフリーネットワークを構築し、本当の意味でのDXを遂げなければならない、というのが本著の主張。 この主張は安宅和人『シン・ニホン』でも著されていたもので、目新しいものではない。しかし、本著では島田氏がシーメンスや東芝での経験や事例を踏まえて書かれているため腹落ち度が高いと感じた。 JTCのDXは非常に難易度が高い。保守的な社員が多い上にデジタル能力が低く、そもそも経営陣がDXとはなんたるかを理解していない。これではDXなど何年かかってもできない。 本著ではDXの手順を「定義」「浸透」「展開」としているが、これを丁寧に、粘り強く進めていくしかないと感じる。 自分も典型的JTC、かつFAを担う企業に籍を置く身として、DXと製品をコアとしたサイバーフィジカルを推進していきたいと思う。
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スケールフリーとは、その概念、効果などが分かりやすく書かれている。具体例は乏しい。どのように作るか?その辺りを詳しく述べた本も出してほしい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
フリースケールネットワークとは、大多数のノードがごくわずかなリンクしか持たない一方で、膨大なリンクを持つハブとなるノードも存在するネットワーク。つまり、スケールフリーネットワークは各ノード間に極端な「格差」が存在する不平等な世界。(p.43) ノード数とリンク数は「べき乗則」のグラフとなり、アマゾン・ドット・コムのロングテールのようになる。(p.46) 何が起こるか予測できない世の中では、スケールフリーネットワークが持つ多様性が大きな強みとなる。(p.47) アマゾンは、ほとんど売れないような膨大な商品も用意しておくことで、「アマゾンで探せば何でも見つかる」という状態を作り上げ、顧客を集めた。リアル店舗ではできないスケールフリーを、オンラインの強みを生かして実現した。 スケールフリーネットワーク上では、一部のハブが膨大なリンクを持ち、強大な力を発揮する。逆に言うと、少数のリンクしか持たないノードが無数に存在する。(p.48) 企画を標準化する方法は3つある。アメリカ式の「お金を燃やす」(巨額の資金を投資する)形。ヨーロッパ式の「デジュールスタンダード」(何年もかけて関係者で話し合って規格を決め、標準化団体に登録する)の形。 日本が採るべき戦略は「アセットオープン化」。自社製品の一部をアセットを先に開放し、あるいは仕様を公開して、誰でも接続可能にすること。多大なコストも時間もかけずにスケールフリーネットワークを作れる強力な手段。(p.76) 日本はいわゆるデジタル世界競争の一回戦では負けてしまった。この一回戦は、いわゆるGAFAが出てきた時代。二回戦はサイバーフィジカルの時代。周りにある様々なものがネットにつながっていく時代に入るので、全然勝負が変わってくる。モノとモノがつながったり、人とモノがつながったりするため、良いモノを作れなければならない。(p.196,197) ただデータを集めたら勝ちという時代は一回戦。二回戦はデータをユーザー体験に投資していく戦い。(p.198)
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DXについて分かりやすく書かれていて参考になりましたが、昔の事を思い出しました。 東芝子会社のIS 部門にいた時、メール導入を提案したが何の役に立つんだと言われ、勉強不足の上長が多く、本社の指示が無ければ何も出来ないんだとがっかりした事を思い出した。 その頃、島田さんが上にいれば...
DXについて分かりやすく書かれていて参考になりましたが、昔の事を思い出しました。 東芝子会社のIS 部門にいた時、メール導入を提案したが何の役に立つんだと言われ、勉強不足の上長が多く、本社の指示が無ければ何も出来ないんだとがっかりした事を思い出した。 その頃、島田さんが上にいればもっと違った会社になったんだろうなと残念に思っています。
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島田さんを早くトップにすれば良かったのに、 と思わずにはいられない。 そして、切り売りをやめたら良かったのに。 繋がる世界は、繋がりたい人が、勝手に 繋がりたいと思う先に繋がっていく。 人気のあるところは、多くの人から繋がられる。 ちょうど、ハブ空港に、多くのエアラインが 集...
島田さんを早くトップにすれば良かったのに、 と思わずにはいられない。 そして、切り売りをやめたら良かったのに。 繋がる世界は、繋がりたい人が、勝手に 繋がりたいと思う先に繋がっていく。 人気のあるところは、多くの人から繋がられる。 ちょうど、ハブ空港に、多くのエアラインが 集まったように。 このように、数少ないハブとなる人や企業が 多くの人や企業から繋がられるような ネットワークを、スケールフリーネットワークと呼ぶ。 これから、モノが繋がる世界になる。 モノが繋がる世界において、 自社がハブになる。 日本企業には、モノがある。 強いモノを繋げる仕組みをつくり、ハブとなる。 ハブに来てくれる人に、データを活用した サービスを提供する。
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東芝の新社長が書いた本! と期待値が高すぎたのかも知れない。 シンニホンと言ってることが重なる 新しい言葉を作っているが、今あるものを言い直しただけに感じた。 この本を読むならNewsPicksで、島田氏の単独インタビューを読んだ方が面白い。
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チンパンジー 群れ限界50匹まで、人類 噂話により150人へ、虚構でさらに拡大 未来は予測できない、偶発的なもの 「コト」ではなく、コトが起こる「場」を提供 技術をオープンに、自由に接続し ネットワーク化、多様性 パーコレーション=浸透 スケールフリーネットワーク(尺度な...
チンパンジー 群れ限界50匹まで、人類 噂話により150人へ、虚構でさらに拡大 未来は予測できない、偶発的なもの 「コト」ではなく、コトが起こる「場」を提供 技術をオープンに、自由に接続し ネットワーク化、多様性 パーコレーション=浸透 スケールフリーネットワーク(尺度ない、ノード間格差)↔ランダムネットワーク 膨大なリンクのハブと小数のリンクの無数のノードの多様性 偶然のつながり アメリカ方式:投資マネーで無料の商品でシェアを取りマネタイズ デジュールスタンダード方式:公的規格を作り広める アセットオープン化:製品の一部を開放、自由に接続 結果的にデファクト どこまでを自社のビジネスとし、どこまでを公開するか? 例:東芝 スマートレシート、ifLINK データは人とモノからしか出ない インターネット革新は小売りと広告だけ(アメリカのGDPのわずか7%) 選択と集中(効率化)できない日本に残る多様なものづくり × ネットワーク
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「スケールフリーネットワーク」という概念が言語化され納得できたという意味で得るものはありました。 インタビュー形式の内容が結構多く、その部分はなかなか体系立っていないので学びという点では少し弱いと感じました。好みの問題かもですが。
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