平凡すぎる犠牲者 の商品レビュー
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ベックストレーム警部の第二弾。 前作の「見習い警官殺し」が面白くなかったので、 全く期待せずに読んだが、良かった。 あくまでも前作に比べれば、と言う意味だが。 アルコール依存症の一人暮らしの男が殺された。 酔っ払い同士のありふれた事件のように見えたが、 死体の第一発見者も死体で発見されてしまう。 謎解きの要素もあったし、 捜査も進展したし、 意外な展開もあった。 さらには、前作に比べて短いせいかもしれない。 といっても、 酒好きで、女好きで、金好きで、偏見のかたまりで、 仕事をさぼることばかり考えているベックストレーム警部は相変わらず。 健康のために、禁酒と運動を誓ったにもかかわらず、 あっという間に元のアルコール漬けの生活に逆戻りしていた。 被害者の貸金庫を見に行って大金を発見した時には、 誰もがベックストレームがネコババするはずだと考え、 それができない融通の利かない部下が一緒だったのを喜んだのには笑えた。 ただし、今回は銃をぶっ放して大活躍していた。 買収できると大金を持って現れた強盗犯相手に。 さらには、ちゃんと謎を解いて犯人をつきとめたし。 不思議なことにベックストレームには、 いろいろと助けてくれるいとこや「友達」がいる。 いわゆる、同じ穴のムジナのような仲間なのだが、 だからこそ強い結びつきがあるらしい。 そこらへんの「絆」に心くすぐられる読者層がいての、 人気シリーズなのかもしれない。 俺にも、こんな悪い仲間がほしいという感じの。 それに何のかんの言っても、 自ら招いたまずい事態をきりぬける運の良さが、 人気の秘密なのかも。 前作での個人的な謎が解けたので、満足した。
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馬鹿な、ベックストレームが健康の為にウォーキングしている。『許されざる者』でヨハンソンが"コイツは不死身なんだ"と言われていたんだぞ!大丈夫だ!呑め食え動くなベックストレーム^_^ まだ、60ぺージだけど。
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ベックストレーム警部シリーズ。まず危惧するのは次々に出て来る差別用語にスウェーデンはどう対応してるかという事。始めは不快だったが、ベックストレームのチームワークやキャラに丸め込まれて、最後には笑い
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いつヨハンソンがすべてをさらっていくのかと思いながら読み進めていったら、最後までベックストレームだった… ベックストレームは無能なはずなのにほんとは有能なのか?ラッキーなだけ?ほんとに?と戸惑ってしまったよ。 スウェーデン警察のチームプレーはほんと楽しい。ゲスで下品なフロストや...
いつヨハンソンがすべてをさらっていくのかと思いながら読み進めていったら、最後までベックストレームだった… ベックストレームは無能なはずなのにほんとは有能なのか?ラッキーなだけ?ほんとに?と戸惑ってしまったよ。 スウェーデン警察のチームプレーはほんと楽しい。ゲスで下品なフロストやセバスチャン型の警部に有能だったり無能だったりする部下や上司たちの群像劇は大好物なのでいくらでも読みたい。
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ベックストレーム警部シリーズ第二弾。アルコール依存症の中年男性が撲殺された。それはいかにもありふれた事件のように思われたが被害者を調べると秘密が次々と明らかになる。そして、第二の殺人。関連性を見いだせないまま、ベックストレームは別の強盗殺人事件にも巻き込まれる。 シリーズものの宿...
ベックストレーム警部シリーズ第二弾。アルコール依存症の中年男性が撲殺された。それはいかにもありふれた事件のように思われたが被害者を調べると秘密が次々と明らかになる。そして、第二の殺人。関連性を見いだせないまま、ベックストレームは別の強盗殺人事件にも巻き込まれる。 シリーズものの宿痾だが、事件そのものより、ベックストレームと愉快な仲間たちの描写が多い。そこを楽しめるなら読む価値あり。スウェーデン社会のアルコール問題、移民とその差別など、興味深い内容も大変ひねくれた(という描写では足りないくらいだが)主役の口を通して語られる。解説にもあるが、主役が差別主義者であり、下半身やお金にも相当だらしないため、差別用語、セクシャルな描写が頻発する。そういうのが苦手な人はやめておいたほうがいい。映像化もしているようだが、どうやって…?と思ってしまう。
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『許されざる者』がすごく面白くて、ペーションの作品はその後も読み続けているが、個人的には1作目が一番面白かった。 ベックストレームのシリーズは事件そのものより個性的すぎる登場人物のやり取りに気を取られてしまう…
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三作目にしてようやくこの作家に慣れてきた。作家という職業の他に、犯罪学教授、国家警察委員会顧問、など三つの顔を併せ持つ、いわゆる専門家なのだが、そういう書き手による警察小説でありながら、内容はお固いものではない。というより、むしろブラックユーモアという今や廃れてしまった類いの言...
三作目にしてようやくこの作家に慣れてきた。作家という職業の他に、犯罪学教授、国家警察委員会顧問、など三つの顔を併せ持つ、いわゆる専門家なのだが、そういう書き手による警察小説でありながら、内容はお固いものではない。というより、むしろブラックユーモアという今や廃れてしまった類いの言葉が最もよく似合うのが意外な本シリーズなのである。 ミステリーの謎解きの味は確実に残しつつも、捜査に携わる実に多様な男女を各所に配しながら、彼らを率いる最悪のボスであるエーベルト・ベックストレーム警部の実に滅茶苦茶な活躍(?)を描くシリーズ第二作が本書。第一作の『見習い警官殺し』では、とにかくDNA検査を限りなく指示し続け一切成果が上がらない同警部の方針にやきもきさせられ冗長なイメージが付きまとった感があるが、本書ではさらに本領を発揮するこのいい加減極まりない主人公に、読者としても慣れたのかな? 周りの警察官たちの個性豊かで楽しい感じも含めて。とにかく、ここに来てようやく、手放しでこの作風を楽しめるようになってきた気がする。 スウェーデンという国が見せる、文化や人間の多様性は、やはりこの国の小説の見どころなのだとは常々思う。この国に発生する移民の問題や人種差別について、本書では敢えて触れないようにするのではなく、むしろ露悪的までに見せてしまう滅茶苦茶で下品な主人公を描くことによって、読者に現実と向き合わざるを得ないように方向づける、作者のひねりへの意図が感じられてならない。 もちろん人種、肌、女性への差別心を常備し、モラルという言葉を全く意に介さない、というばかりではなく、直情的で短絡的な思考回路がもたらす彼のバカげた行動や、下心を表に出すというユーモラスで何とも憎めない一面が、ある意味孤高さをまとい、実に現実離れしているのだが、この極端さこそが、実は本シリーズを他と分ける個性と言うべきなのだろう。 ましてや、肝心のミステリー要素はしっかりとツボを抑えているので、謎解きと捜査の過程は警察小説としても大変面白い。しかしダイナマイトのような爆発力と猪突猛進な判断力を持つベックストレームという存在が、行き詰まる捜査の局面を変えてしまう、あのカタルシスと爆笑があるからこそ、本シリーズは、放送禁止用語でいっぱいのブラックな性格ながら、小気味の良い傑作に仕上がってしまうのだろう。 最初にヨハンソン・シリーズの最終作『許されざる者』という正当派ミステリーの傑作に接してしまったおかげで、本シリーズの方は、思わぬものを読まされている感は否めないが、そうした作風の幅を売り物にしているのがこのGW・ペーションという作家なのだと、ここに来て覚悟ができた。 正直、前作では、二作の違いを比べた時に当惑のほうが先に立ち面食らってしまったのだが、本シリーズも二作目にして軌道に乗ってくれた。こうなったらとことん翻訳を続けて頂き、ヨハンソンの過去の活躍も、ベックストレームの今後の悪徳の限りと予期せぬ活躍ぶりも、両者ともに、是非とも読ませて頂きたく思う。
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