アルツハイマー征服 の商品レビュー
一週間で完読。 もとは、ホリエモンの『不老不死の研究』の1章から気になってたもの。 320pだが、非常に読みやすかった。 2024年現在、不治の病であるアルツハイマーに立ち向かう世界の人々の物語。 この本が刊行されてから更に進歩して作られた薬、「レカネマブ」を盛り込んだ文庫本...
一週間で完読。 もとは、ホリエモンの『不老不死の研究』の1章から気になってたもの。 320pだが、非常に読みやすかった。 2024年現在、不治の病であるアルツハイマーに立ち向かう世界の人々の物語。 この本が刊行されてから更に進歩して作られた薬、「レカネマブ」を盛り込んだ文庫本もあるらしい。 読もう。 そしてエーザイ、覚えておこう。
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お医者さんだって正義のヒーローじゃないんだよな。捏造もするし病気にもなる。病気での脱落が1番辛かったが、私より周りのが辛いだろう この本は2021年頃で終わる 分かっている苦労は前もって摘めるように。顔も名前も知らないけど知ったからには幸せを祈るよ。これも知る権利
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癌と並ぶ治療法未解決のアルツハイマー病。その病の正体をつきとめ、治療法を探そうと、最前線で戦ってきた人たちの物語。 自分の将来や、たとえ自分が間に合わなくても、若い世代が、自分の将来や結婚や出産について病気のことを気にせず自由に選択ができることを信じて。 Remember t...
癌と並ぶ治療法未解決のアルツハイマー病。その病の正体をつきとめ、治療法を探そうと、最前線で戦ってきた人たちの物語。 自分の将来や、たとえ自分が間に合わなくても、若い世代が、自分の将来や結婚や出産について病気のことを気にせず自由に選択ができることを信じて。 Remember the reason you do the research - 激しい競争の中で、自分がなぜこの研究をしているのかというその原点を見失うことがないように。 その未来のために自分たちは日々、この病気と戦っているのだ。
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薬ができるまでに世界中で多くの患者や研究者が苦労していて、ときには偶然の発見なども重なって世の中に出てくるということがよくわかった。 また、他の疾患がどうなのかはわからないが、このアルツハイマー病は患者と医師や研究者が信頼関係を築いてなんとか病気を克服しようと取り組まれてきたこと...
薬ができるまでに世界中で多くの患者や研究者が苦労していて、ときには偶然の発見なども重なって世の中に出てくるということがよくわかった。 また、他の疾患がどうなのかはわからないが、このアルツハイマー病は患者と医師や研究者が信頼関係を築いてなんとか病気を克服しようと取り組まれてきたことがわかった。栄誉のために研究に取り組む研究者もいたことと思うし別にそれが悪いこととは思わないけど、この本で描かれていた主要な研究者は目の前の患者や未来の患者の苦しみを取り除くために努力しているということがわかった。 それと、製薬の業界ではパイプラインが取り引きされているということも(考えてみれば当たり前のことではあるかもしれないが)新鮮な気づきだった。ということは、製薬会社の強みは、どれだけいいパイプラインを生み出して確保しているかではなく、可能性を秘めたパイプラインを見極めよそからでも獲得する政治力や、研究部門の粘り強さ、つまり結局は人材の力だなと思った。その人材の強さがどう生み出されるのか、製薬会社ごとの取り組みの違いなどについて機会があれば知ってみたいと思った。
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これまでのアルツハイマー病の原因の解明や治療薬の開発に関する歴史がまとめられている。 1985年までに、アルツハイマー病患者の脳細胞に見える人魂のような糸くずが絡まったようになった神経原繊維変化(PHF)はリン酸化タウで、しみのような結晶が折り重なった老人班はアミロイドβという...
これまでのアルツハイマー病の原因の解明や治療薬の開発に関する歴史がまとめられている。 1985年までに、アルツハイマー病患者の脳細胞に見える人魂のような糸くずが絡まったようになった神経原繊維変化(PHF)はリン酸化タウで、しみのような結晶が折り重なった老人班はアミロイドβというタンパク質であることがわかった。神経原繊維変化は他の脳の病気で共通してみられるものだが、アミロイドβはアルツハイマー病だけにみられるもの。 エーザイの杉本八郎が探索研究を率いたアリセプト(E2020)は、アセチルコリンを分解する酵素の活性をブロックすることによって、脳内のアセチルコリン濃度を上げるもので、1996年にアメリカで承認された。脱落していく神経細胞の信号を活性化させることで、病気の進行を8か月〜1年半遅らせるが、根本治療ではなかった。 アルツハイマー病の病理として、アミロイド・カスケード・セオリーが有力な仮説として科学者の間で共有されるようになった。細胞膜にあるアミロイド前駆物質(APP)は、酵素によってβ、γの順にカットされる。APPをつくる遺伝子に突然変異があると、アミロイドβ42という分子量の多いものが切り出されるようになり、これが凝集して老人班となる。老人班が増えてくると、神経原繊維変化が現れ、神経細胞は死ぬ。こうした変化が10~15年で進行する。アルツハイマー病遺伝子のプレセニリン1/2は、APPをカットする酵素の遺伝子という疑いが濃くなっていた。 APPから切り出されたアミロイドβが集まってオリゴマーを形成し、それがベータシート状に固まったものが老人班だが、毒性を持つのはオリゴマーの段階であるとの研究結果が2002年に発表された。 デール・シェンクは、アミロイドβを筋肉注射し、抗体をつくり出すことによって脳内のアミロイドβを分解・消失させるアイデアを思い付いた。 ロジャー・ニッチとクリストファー・ホックは、アミロイドβに対する自然発生の抗体を薬にすることを考案し、2006年に後のアデュカヌマブを発見した。バイオジェン社がその共同開発権を取得し、2014年にはエーザイが共同開発のオプション権を取得した。 ※その後、アデュカヌマブは、エマージ試験では若干ながら認知機能の低下を遅らせる効果が見られたものの、エンゲージ試験では効果が見られなかった。専門家で構成されるFDA諮問委員会は承認を支持しないことを表明したものの、FDAは2021年に条件付き承認した。日本では、2021年12月に厚生労働省は承認を見送り、継続審議する決定を下した。
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今まで漠然とアルツハイマーの根本的治療薬はないんだ、とだけ思っていた。 この本を読んで自分が生まれる前からずっとこの病の事が研究されていて、今現在着々と新薬開発がなされている事を知った。 創薬の過程について無知だったので治験の話は読んでいてドキドキした。
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アルツハイマー病の新薬として承認の有無が議論となった「アデュカヌマブ」。たくさんの人が数十年かけて多くの失敗を越えてきたからこそ、この薬ができたということが良くわかった。 様々な視点からアルツハイマー病を治せる病気にするための情熱や努力が伝わってきて、読み終わったときには感動で胸...
アルツハイマー病の新薬として承認の有無が議論となった「アデュカヌマブ」。たくさんの人が数十年かけて多くの失敗を越えてきたからこそ、この薬ができたということが良くわかった。 様々な視点からアルツハイマー病を治せる病気にするための情熱や努力が伝わってきて、読み終わったときには感動で胸がいっぱいになった。 「いつの日にか、この病気の苦しみが過去のものになると願って」この一言に尽きると思う。 自分自身も今ある時間でなにか1つでも人のためになることをやろうと決心できた。 高齢者の5人に1人はアルツハイマー病になる時代。 もう他人事じゃない。 自分ではなくても、家族や知人や周囲の人が病気になってしまったとき、正しい判断がくだせるように、希望を見いだせるように、ぜひオススメしたい1冊。
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アルツハイマーを事例に、なんとなく聞き知っていた創薬の実情を知ることができた気がする。生々しい取材が素晴らしい。難解な専門用語も繰り返し解説されることでなんとなくわかった気になった。
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研究者の激しき競争社会の中にも、原点である病で苦しむ人を救うという人間ドラマがあり、非常に楽しめました。薬の開発プロセスとか詳しくなれます。
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とても興味深く読んだ。アルツハイマーを克服するための1970年代から、まさに今現在進行形で進んでいる研究者たちに加えて患者たちも含んだ努力には群像劇のようなドラマ性を感じる。もちろんそこに筆者の共感と緻密な構成の素晴らしさがあることで私のような素人でも流れを追うことができることが...
とても興味深く読んだ。アルツハイマーを克服するための1970年代から、まさに今現在進行形で進んでいる研究者たちに加えて患者たちも含んだ努力には群像劇のようなドラマ性を感じる。もちろんそこに筆者の共感と緻密な構成の素晴らしさがあることで私のような素人でも流れを追うことができることがありがたい。 ドラマ性の本質はアルツハイマーで苦しむ人々を少しでも助けたいという希望が関係するみなさんを突き動かしているというところに希望を見出したいということなのだと思う。 まさにアデュカヌマブは2021年6月てFDAで特例的に承認されたが、明確なエビデンスは確立されておらずEUや日本での承認はまだおりておらず、や想定される適用範囲にはまだ課題が残る。 当然自分もアルツハイマーになる可能性はあることから潜在的には将来の当事者でもあるかもしれないという視点からもなんとか聖杯に辿り着いてもらいたい。 普通漢字で表記しそうなところがひらがなだったり、そのほかにも文章が読みづらいところが散見されるけど、内容と合わせた勢い重視の雰囲気を狙っているのだろうか。
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