チ。 ―地球の運動について―(第2集) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第2章は下級市民である代闘士オクジー、その相棒グラス、処刑場に向かう異端者、左遷された修道士バデーニ、そして第1章から続いての登場となる異端審問官ノヴァクが軸となったストーリー。 最初と終盤のシーンで「大地を生きている人間を蔑むような眼」に見えた夜空が、石箱の資料に出会うことで「なんか綺麗」に見えるようになる。対比がすごい。 そしてあのネックレス。託されていく象徴として今後も出てくるんだろうな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【8巻まで出版されていて、完結済み】 ある時代の、人類が住むこの地球と宇宙の在り方に関する説に関する時代背景や実際の史実を基にした、いわゆる歴史ものの作品。 こういった史実に基づく作品は基本的に、既に記載のある描写以外は全て作者の想像に依るところが大きいために、本当にそんな詳細なストーリーが存在していたのか、本当はもっと劇的なものだったかもしれないという点でも好きなジャンルの一つです。しかし、いわゆる歴史モノの中でもこの作品のモデルは「地動説」を中心に描かれている。 これを読む前に簡単にでも天動説と地動説について調べてから読んでみるとより面白く感じるかもしれません。 今となっては「常識」とされる天体(各惑星)だけでなく地球は動いている、という説は当時の世の中でどれほどの反発を受けるものなのか、この説に辿り着く上でぶつかる「天動説」の矛盾。これらに思いを巡らせたことが無い人は多いと思うし、自分もその一人である。天動説も改めて説明されると想像もつかない程の、科学技術と呼べるものがほとんど無い時期に提唱されたとは思えないほどに「良く出来た」ものであったからこそ、これに付随して発展していく宗教的な教えが、当時の現世の人々の困窮した生活と嚙み合ってしまったが故に地動説が世に広がるにはこの作品中の描写以上の苦労や被害があったのだと推測できる。 「チ。」の1巻こそが本作品中で最も鮮烈に「面白い!」と感じさせてくれる話が描かれているが、この2巻では「地動説」の凄さを理解できる、学びに楽しみを見出している(もっというなら知識欲に魅了されている)者と、勉学というものには触れてこず、当時の現世に最も多いであろう宗教観を信じ切ってきその日暮らしの者が出会う巻。 実際の歴史では「地動説」はたった一人のいわゆる天才がまとめ上げた学説であった可能性は否定できないが、その規模、必要となる観察結果や先に述べた時代背景等々を鑑みると、その学説の素晴らしさを読み解き、共感し、異端とされてもそれを継続する程に感動した者たちが連綿と受け継いできたものだったのだと思わせられる。 本当にこのような劇的な背景があったように思わせてくれる。科学の進歩はその発見の「面白さ」「美しさ」に魅了される人間が人類の中に絶対に現れてきてしまう法則のようなもの、「チ。は作品中では地。を示すが、知。によって」に突き動かされてきた人々が確かにいたのだとしみじみと感動させられる作品だと思う。 当時の宗教観と天動説の組み合わせから、この世は地獄、もしくは最底辺の世界といったように考えられていた。そのことから当時の日常に絶望しているものもいたかもしれない、それが「死んだ後」という不確定要素しかないものに希望を見出して日々を乗り越えていたのかと考えると、それは確かに極めて苦しい「地獄」のようなものに思える。しかし、その考え方が浸透した世界において「天動説」から「地動説」への移り変わりにはこの世はそんな最底辺の苦しいだけの世界なんかでは決してないと思わせてくれる、「説を信じること」に妄信する者にとっては絶望を与えられたかもしれないが、多くの人にとっては一方的に刷り込まれた地獄という呪いから解き放たれるような発見だったんじゃないだろうか。 どうしても描写が受け付けない人もいたり、反応が分かれやすい作品化と思うので、この2巻までたどり着けた人は一気に8巻まで読めてしまうのでは、読まないとスッキリできないのではないだろうか?
Posted by
オクジーさんがいい人でもできる人でもないのに、周りに影響を受けながら変わっていく姿が上手に描かれていて、だんだん彼がカッコよく見えてきました。画力の低さが気になると思っているのにカッコよく見えるのすごい あと、観測だけで宇宙のことが解明していくのもすごい
Posted by
2021/1/17第1刷発行 2025/7/2第24刷発行 知は力なり。 ベーコン「聖なる瞑想。異端の論について」
Posted by
被告を、火刑に処す。 一生快適な自己否定に留まるか、全てを捨てて自己肯定に賭けて出るか、どちらを選ぶも自由だ。 絶望は希望に転化し得るのだ。この世界に期待する事だ。 疾うの昔からあの美しさの一員だったのかもしれない
Posted by
主人公が、12歳の大学に進学する神童ラファウだと思ったら、第1集で亡くなってしまった。主人公が亡くなるなんてと思っていたが、主人公は「地動説」なんですね。 第2集は、第1集の10年後。ラファウの残した資料の石箱をオクジーとグラスが見つける。オクジーは、そこから三つの穴が空...
主人公が、12歳の大学に進学する神童ラファウだと思ったら、第1集で亡くなってしまった。主人公が亡くなるなんてと思っていたが、主人公は「地動説」なんですね。 第2集は、第1集の10年後。ラファウの残した資料の石箱をオクジーとグラスが見つける。オクジーは、そこから三つの穴が空いたネックレスを受け取ることに。 どうも、第2集から主役はオクジーという代闘士になったようだ。ちょっと性格は暗く、下層民で、文字も読めない。とにかく、謝れば済むと思っている。オクジーは、天国に救いを求めている。それに対してポジティブな性格のグラスが先輩。グラスに「絶対の信頼がおける『希望』を見つけた」とオクジーに告げる。そしてグラスが取り出したのは、「火星」の観測記録だった。グラスの信じられるものだった。グラスは、火星が円を描くと思ったら、反転したことにショックを受けるのである。 グラスが観察していた火星が円を描かず、反転(逆行)したのは、「地球が太陽の周りを公転する速度が火星よりも速いため」である。これは、天動説では説明できないことをグラスは見た。でも、それの意味することは、わからなかった。 グラスの意志を継ぐオクジーが、どんどんと変化していくのがすごい。 チ。の第1章の一番初めに出てくるページが、異端審問官のノヴァクによるオクジーの拷問だった。オクジーが、ヨレンタに出会い、「文字は、まるで奇跡ですよ」と言われることで、大きく変化する。文字を読む努力を始め、日記をつけ、そして感動したことを物語にしようとするのだ。 好奇心があり、頭がよく傲慢な司祭のバデーニ。この男は、オクジーを見下し、オクジーが文字を学ぼうとすることに対して意味がないという。火星の逆転を「神が設計し間違えたのだ」という。 オクジーは、空を見ることが怖いのだ。いつも、俯いている。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読んでいると、作中のことは、異常に、非情に見える けど、現在起こっていることとさほど変わりないな と思ったりする。 国民の生命や健康に関わる事でも、思考停止で「仕事 だから」の一言で執行する政治家とか? 今回石箱を託した異端者が語った「悲劇を肥やしに新た な希望を生む」も興味深い。 地獄があるとしたら「この世」こそが地獄だと思うと 言ったアメリカの牧師がいたけれど、「天国」が人々の 希望ではなく権力者が人々を制御するツールになって しまっている気がする。 異端者を移送中の聖職者がノヴァクに「信仰の安定を 守るために働いている」も面白い。 安定させなきゃいけないと思う時点で、それはもう信 仰ではないような気がする。 ついにバデーニさんが登場した。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こういう形で主人公が入れ替わり 意志が引き継がれていくとは。 危険思想としてそれを辞めさせようとするのも 勿論少なくとも現代の感覚で言えば酷いことなのだが それを拷問や酷い処刑方法で見せしめにするのも 本当に酷いことだと思う。 命あっての物種なのに、命を投げうってしまうのが 正直恐ろしいと思うし、だからこそ教会側も どんな手を使ってでも辞めさせたくなるのかもしれない。 印象的なタイトルロゴの入れ方や 違う人間で同じモチーフを入れることで 巡り繰り返し続いていくものについて考えさせられる。
Posted by
メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1902588559305142281?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
Posted by
改めて自由に学問できる時代に生まれてその点は良かったと思う(第1集の時も言った) バデーニさん面白いな……最新の宇宙論を教えたらどうなってしまうんだ こんな人が自由に学問できる時代に生まれてたら良かったのになあ〜と思う
Posted by
