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ホテルメドゥーサ の商品レビュー

3.5

13件のお客様レビュー

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2024/04/20
  • ネタバレ

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【こことは違う世界があると想像できる救い】 4人の日本人が、フィンランドの森にある異次元への入り口を求めて、ホテル・メドゥーサに辿り着く、ちょっとファンタジックなお話。 矢野多聞40歳。梅林希羅々25歳。燕洋一50代。 久遠典江、50歳。 読者は、4人それぞれの語りから、ホテル・メドゥーサに辿り着いた経緯を知る。そして、ホテルで巡り合った4人の交流やそこで過ごす時間は、さらに4人それぞれが、未知なる異次元に足を踏み入れるかの決定に影響を与える。 世界の相対化、 好奇心、 いろいろ考えながら、楽しく読ませていただきました。

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2023/09/08

ファンタジーといえる物語。今も日本で人気の北欧を舞台にし、いかにも北欧の森の中でなら、あり得るのではと思わせる設定である。 ファンタジー、北欧と言ってもイメージする「かわいい」というような作品ではなく、それぞれ、人生に鬱屈したものを抱えた四人の日本人が、「今」を脱出したいと願い、...

ファンタジーといえる物語。今も日本で人気の北欧を舞台にし、いかにも北欧の森の中でなら、あり得るのではと思わせる設定である。 ファンタジー、北欧と言ってもイメージする「かわいい」というような作品ではなく、それぞれ、人生に鬱屈したものを抱えた四人の日本人が、「今」を脱出したいと願い、北欧までやってくる。 フィンランド、ホテルメドゥーサにやってくるまでの四人の老若男女の日本での人生が、ある意味、とても普通であり、それでもそこから脱出したいと感じていることが面白く感じた。

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2022/12/16
  • ネタバレ

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短いが結構ぎゅっと詰まった感のある小説。 ここまでの人生に何か未練をもつ男女4人が、フィンランドの森近くにある宿に集まる。その森には五次元への入り口があり、亡くなった人に会えたり、人生をやり直せたりするらしいという噂を何かで知って、集まった4人。 殺人を犯してしまったかもしれないと逃げてきた占いバーのマスター、自然な笑顔ができない20代の女性、最愛の妻を亡くして消沈する男、子育て、介護、夫の定年まで家の仕事を勤め上げてきた初老の女性。 彼らそれぞれの人生は普通にどこにでもありそうなもの。つまり普通にどこにでもありそうな人生を送っている普通の日本人(自分も含めて)は何か人生に後悔をおいてしまっているんだろう。 やり直せるなら、やり直すのか?その後悔を置いたまま軌道修正をする人生を送るのか? ラスト、4人はそれぞれの選択をしていく。決して誰も否定されず自分の意思をもって選択する4人の姿が非常に良い。自分の人生だもの、自分で選んでいきたいよねぇ。 フィンランドという設定が生かしきれてない(別にアイスランドでもニュージーランドでも波照間島でもいいような気がする)のが少々残念。あと、文庫化する際の改題はもう少し情報としてメディアに乗っけて欲しい。それらの不満は些末なもの…良いものを読ませてもらったという気持ちを持てる小説。

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2022/07/19
  • ネタバレ

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異次元に引き寄せられフィンランドのホテルに集まる4人の日本人。 矢野は人を殺したかもしれなくて異次元に行きたいしきららはこの世界が自分にはあってないと思って異次元に行きたい。 典江は幼少期にすでに異次元の人と会っていて導かれるようにここに来てる。 燕は亡き妻に会いたくて異次元にいきたい。 それぞれ理由がありつつもくらげキャラメルなど4人は何かしら繋がっていて集まるべくして集まってる。 最終的には典江と燕のみが異次元にいく選択をすふが、異次元の様子は描かれてなくて読者が想像する無限の異次元が広がっているのが良い。 結局は矢野は人を殺してなかった。きららに関してはその後どうなるのかは分からないがきっと明るい未来になってくれるだろう。

Posted byブクログ

2022/07/09

 舞台は、フィンランドの森にある素朴なホテル。そこには、「異次元へ通じるドア」があり、ここで出会った4人の日本人がドアを巡って様々な葛藤し、それぞれが結論をだし、前へ進んでいく物語です。帯に「もたいまさこさん、しみじみ共感」とあったので、思わず手に取り、一気読みしました。  題...

 舞台は、フィンランドの森にある素朴なホテル。そこには、「異次元へ通じるドア」があり、ここで出会った4人の日本人がドアを巡って様々な葛藤し、それぞれが結論をだし、前へ進んでいく物語です。帯に「もたいまさこさん、しみじみ共感」とあったので、思わず手に取り、一気読みしました。  題名が単行本では「くらげホテル」でしたが、文庫本では「ホテルメドゥーサ」になったそうです。物語の中でも、「くらげ」に関するものがちょこちょこでてきます。「異次元の通じるドア」の先にある世界に何か関係があるのかもしれません。SF的な要素は少ないですが、子供の頃読んでいた「スーパーミステリーマガジン ムー」にでてきた「クラゲ型の宇宙人」を思い出し、懐かしく感じました。  読み終わって、もたいさんがしみじみ共感したのが何か?よくわかりませんでした。しかし、解説を読んでみると、この物語は4人の言葉や行動を一切否定することなく、全てを肯定していく展開であるとあり、他にも「自分探し」、「後戻り」など気づかなかった機微があることがわかりました。それをふまえて改めて読み返すと、ほっこりした気分になりました。  フィンランドに関する部分は、「トゥルク」が少しでてくる位で殆どありません。けれども、人里離れた静かなフィンランドの森の中なら、「異次元へ通じるドア」があってもおもしろいかなと思わせてくれます。読むと、少しだけ肩の力が抜ける気がする、素敵な1冊です。

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2022/06/09

表紙の可愛らしさにやられ手に取りました。それぞれの人生の回想シーンは山あり谷ありですが、全体的にのんびりと穏やかな空気が漂っており、ああ、フィンランド良き! 向こうの世界の様子が事細かに書かれていないのが、深い霧に包まれた酸素の濃い森に隠されているようで素敵でした。 私も人生...

表紙の可愛らしさにやられ手に取りました。それぞれの人生の回想シーンは山あり谷ありですが、全体的にのんびりと穏やかな空気が漂っており、ああ、フィンランド良き! 向こうの世界の様子が事細かに書かれていないのが、深い霧に包まれた酸素の濃い森に隠されているようで素敵でした。 私も人生に迷いと後悔しかないので、一度ホテルメドゥーサに行こうと思います。

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2022/02/26

フィンランドのホテルに日本人4人が異次元目当てで集まる話。集まった経緯がわかってくると異次元もホンモノかもと思えて、良い意味でひねりがなくシンプルに面白かった。

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2021/06/17
  • ネタバレ

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あらすじ  フィンランドの森のホテルいは、異次元へのドアがあるという噂があるという。集まった4人の日本人。四十路の占いカフェオーナー、周りと上手くいかない25歳女性。死んだ妻を懐かしむ男、子育てを終えた好奇心旺盛な女性。信じている人も信じていない人も、ホテルの近所に住むという日本人女性と出遭う。  やわらかい雰囲気の小説。それぞれ事情を抱えていたり、家族の個性があったり。フィンランドの森がそれらを全部包み込むみたいでよかった。途中から本当に異次元への招待になっていたのもちょっとした変化でよかった。

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2021/05/13
  • ネタバレ

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北欧・フィンランドの森。 残念ながら一度も訪れたことはないけれど、映画『かもめ食堂』で観たことならある。 深くて濃い緑に溢れ、張り詰めた空気が漂い森全体が静まりかえる。空から微かに降り注ぐ木漏れ日が辺りを柔らかく包み込む。神聖で神秘的な空間。 そんなアルファ波がたくさん発生しそうな場所になら、異次元へ繋がるドアがあってもおかしくない。 人生をやり直したい、と心から願う4人の日本人が時を同じくして、何か不思議な力に導かれるようにはるばるフィンランドの森の中に佇む"ホテルメドゥーサ"に集まった。 いざ異次元へ、となった時、本当に行くべきか悩む4人が森の中で話し合う。 年齢も性別も育った環境も様々な4人は、異次元への期待と今いる星・地球について思いを巡らす。 その中で特に印象深いのは"後戻り"について。 この星のいいところは後戻りできないこと、と言う一人の言葉「俺の人生、正直やり直したいことばっかりだけど、もしも本当にやり直しがきいたら、全然前に進めなくてどこにも行けなくなりそうだもん。やり直せないから、どうしようもなくなって、こんなところまで来ちゃったわけですよ。後戻りできないからこそ、今、俺はここにいる」 異次元の世界のように、何度でもやり直しし放題なのは一見良さそうに思えるけれど、それでは一向に先へは進めない。やり直しなしの一度きりの人生もまたよし、と思えた。 一度きりの人生、その場に留まるのも先へ進むのもその人次第。どちらが正解なんてない。 迷って悩んで自分の気持ちを受け止めた末に、自分で決断することにこそ意義がある。 フィンランドの母なる森らしく、迷える人々を優しくおおらかに包み込んでくれる物語だった。

Posted byブクログ

2021/04/26

さらっと読める1冊。それぞれの生き方・考え方を肯定する結末。うーん、と正直ご都合主義を感じるところもあり。

Posted byブクログ