静おばあちゃんと要介護探偵 の商品レビュー
前に「静おばあちゃんにおまかせ」を読んでいたので、これも買ってみたが、時系列的にはこちらが先の話だな。 その静おばあちゃん、高遠寺静が現役を退いて16年経ち、名古屋の法科大学院で客員教授をしている頃に、地元の有力者で車椅子生活の香月玄太郎と一緒になって事件を解決していくお話。 ...
前に「静おばあちゃんにおまかせ」を読んでいたので、これも買ってみたが、時系列的にはこちらが先の話だな。 その静おばあちゃん、高遠寺静が現役を退いて16年経ち、名古屋の法科大学院で客員教授をしている頃に、地元の有力者で車椅子生活の香月玄太郎と一緒になって事件を解決していくお話。 玄太郎はこの作者の私は未読の作品で<要介護探偵>として活躍していたようだが、静が言うように『高齢者としての慎み』を持たない『強引で、他人の気持ちに無頓着で、頑迷な老人』で、なんだかなぁという印象。 また、いかに中部経済界の重鎮とは言え、民間人が警察の捜査にああも簡単に介入出来るところがフィクションであっても引っ掛かる。 読み進む内にしゃあないなぁという気もしてこないこともなかったが、とは言えやはり、最後まで違和感は残った。 ただ、全編を通じて語られるのは、高齢者による/を狙った犯罪の増加、認知症と子による年金詐取や虐待、老老介護、(高齢化・少子化の結果としての)外国人労働者の増加など国家の切実なテーマ。 敬老の日に「総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は29.1%と過去最多最高を更新した」というニュースがあったが、そうした社会の今後の姿を見通して色々手を打つことが求められていると思うところ、重要にもかかわらずたな晒しにされているテーマに対する課題提起としてはなかなか良いところを突いているし、話自体も(進み方はともかく)巧くまとめられているとは思った。
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Tさんのおすすめ。 静おばあちゃんと要介護探偵のそれぞれ2作目。 元女性判事の高円寺静は記念講演を引き受けたことをきっかけに、 名古屋法科大学の客員教授に迎えられ、 香月玄太郎の地元で暮らすことになり、 しぶしぶ協力しながら事件を解決するお話。 車椅子ながら横紙破りで無茶をする玄太郎の「捜査活動」は 痛快と不快の間をいったりきたりする。 ひっかきまわされている警察のほうに同情したくなっているからか。 二人の身近な人物が事件に巻き込まれているので、 後味が悪いのかもしれない。 玄太郎がパワーショベルで乗り込んで行っても、 面白かったとは言い難い。
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玄太郎の言動は痛快で楽しく読めました。ただ、玄太郎の今後を知っていると、切ない気持ちになってしまいます。
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短編連作のシリーズ。面白かった。静おばあちゃんより要介護探偵の方が目立つ感じだったが。中山七里が描く気骨のある大人達が大好きだ。実際に身近にいたら少し疎ましく思ったりするのだろうけれど、言い切る強さの芯にある心持ちが素敵だと思う。口癖の「クソだわけがぁ!」がウツリそうなのが困り物...
短編連作のシリーズ。面白かった。静おばあちゃんより要介護探偵の方が目立つ感じだったが。中山七里が描く気骨のある大人達が大好きだ。実際に身近にいたら少し疎ましく思ったりするのだろうけれど、言い切る強さの芯にある心持ちが素敵だと思う。口癖の「クソだわけがぁ!」がウツリそうなのが困り物ではある。
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80歳の静おばあちゃんと70歳のあの玄太郎がコンビを組んで、事件を解決するとは、この高齢化社会にピッタリのミステリー。 日本で20人目の女性裁判官となった静おばあちゃんに対し、「法的に正しいことやら行儀のいい常識やらにはとんと興味がない」玄太郎。 水と油の例え通りの二人。 しかし...
80歳の静おばあちゃんと70歳のあの玄太郎がコンビを組んで、事件を解決するとは、この高齢化社会にピッタリのミステリー。 日本で20人目の女性裁判官となった静おばあちゃんに対し、「法的に正しいことやら行儀のいい常識やらにはとんと興味がない」玄太郎。 水と油の例え通りの二人。 しかし、玄太郎と話すときは、静の普段は頓着冷静で自制も自律も、あっけなく崩壊してしまう。 認知症や外国人派遣労働などの社会派問題も絡めながら、反発しながらも殺人事件や詐欺事件を解決してゆく。 痛快なのは、ヤクザ相手に玄太郎が大立ち回りする『白昼の悪童』。 一方、この二人、すでに刊行されている他の作品ですでに亡くなっており、そのことを知っている読者は、哀切の念を禁じ得ないだろう。
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高遠寺静(静おばあちゃん)と香月玄太郎(要介護探偵)の老々コンビの活躍するミステリー仕立ての連作短編。どちらも既に色々な作品で登場しており、かなり馴染みがあるが、コンビで登場するのは初めてで、異質なキャラクターの組み合わせが面白い。 性格的には合わないはずが、本当はかなりピッタリ...
高遠寺静(静おばあちゃん)と香月玄太郎(要介護探偵)の老々コンビの活躍するミステリー仕立ての連作短編。どちらも既に色々な作品で登場しており、かなり馴染みがあるが、コンビで登場するのは初めてで、異質なキャラクターの組み合わせが面白い。 性格的には合わないはずが、本当はかなりピッタリくるコンビで、静おばあちゃんは何やかや言いながら物語の展開につれてその感が強くなるようだ。ベースは静おばあちゃんの視点で書かれているが、活躍するのは主に玄太郎爺さんで、静おばあちゃんファンとしては少し物足りないかな。続く2作目は、ちょっと切ないエンディングの一行との解説もあるが、是非読んでみたい。
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第一話 二人で探偵を 第二話 鳩の中の猫 第三話 邪悪の家 第四話 菅田荘の怪事件 第五話 白昼の悪童 80歳のおばあさんと70歳のおじいさん。矍鑠としている彼女と勢いがあり過ぎる彼のコンビは、はた迷惑だけど面白い。周りを気にせずに何かをしたり言った...
第一話 二人で探偵を 第二話 鳩の中の猫 第三話 邪悪の家 第四話 菅田荘の怪事件 第五話 白昼の悪童 80歳のおばあさんと70歳のおじいさん。矍鑠としている彼女と勢いがあり過ぎる彼のコンビは、はた迷惑だけど面白い。周りを気にせずに何かをしたり言ったりできる時が来るのだろうか、私にも。
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思ったより激しめの内容。第2弾ももしかしたら読むかもだが、所々長く感じて飛ばしながら読んでしまった。
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七里ファンにはたまらない一冊(^o^ あの静おばあちゃんと、あの困った爺さんが(^ ^; まさかのタッグを組んで謎解きとは(^o^ 年寄りであることを物ともせず、 時には逆手に取り(^ ^; 八面六臂の活躍を見せる玄太郎爺さん(^ ^; それに「巻き込まれる」形で静さんも参戦...
七里ファンにはたまらない一冊(^o^ あの静おばあちゃんと、あの困った爺さんが(^ ^; まさかのタッグを組んで謎解きとは(^o^ 年寄りであることを物ともせず、 時には逆手に取り(^ ^; 八面六臂の活躍を見せる玄太郎爺さん(^ ^; それに「巻き込まれる」形で静さんも参戦し、 時にブレーキ役になり、時には自ら黙ってられなくなり、 結局はガッツリと「関係者」となってしまう(^ ^ 理性と感情、理と義、水と油のように反目し合うが、 起きている問題に対して腹に据えかねているのは 二人とも全く一緒で。 ただ解決しようとして取るアプローチが正反対。 どちらの言い分にも首肯できるし、 人の世に絶対の正解などあり得るはずもない。 人の弱さや悲しさが浮き彫りになったり、 犯罪を犯す側にも言い分はあったりするが... 二人とも狡いやつ、人を食い物にする奴には 躊躇なく鉄槌を喰らわす。それが快感で(^ ^ 単なる勧善懲悪の図式でもないのに、 すっきりとした読後感。 続編もあるそうなので、ぜひ読みたいと思ふ(^ ^
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『彼らが闘わせるのは推理ではなく、自分にとっての正義である。』 こんなに元気なお年寄りが多ければな〜。
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