麦本三歩の好きなもの(第一集) の商品レビュー
図書館でお仕事をする、ちょっと不思議な雰囲気を持つ麦本三歩の日常を描いた物語。 そんなに仕事ができる方ではなくて怒られてばかり。怒られても、三歩はそういう子だからとなんとなく許されちゃう愛されキャラ。いろんな先輩に囲まれて嫌々ながらも充実した仕事の時間を過ごしている。そして、食...
図書館でお仕事をする、ちょっと不思議な雰囲気を持つ麦本三歩の日常を描いた物語。 そんなに仕事ができる方ではなくて怒られてばかり。怒られても、三歩はそういう子だからとなんとなく許されちゃう愛されキャラ。いろんな先輩に囲まれて嫌々ながらも充実した仕事の時間を過ごしている。そして、食べること、本を読むこと、歩くこと。好きなことに溢れた日常を生きている。 ちょっと不思議な三歩だからこそ紡がれる独特な雰囲気を醸し出す文体は、読んでいるうちに音楽のようにリズムが私に刻まれたように感じる。 心傷つくことがあったり、心苦しくなることがあったり。日常は楽しいだけに囲まれるわけではないけど、「好き」を探して生きていくことが幸せなんだなと思った。
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“どこかで誰かが言っていた。無意味に散歩出来る人こそが価値ある人間なのだと。” 「どう変わってもいいよ。君がどれだけボロボロになっても、なんにもなくなっても、君が死んだとしても、君を好きなままの私が、少なくともいるから、安心して、生きてほしい」 「長い時間をかけていたんだものには、それを大切に扱ってきたたくさんの人と、それを守ってきた人がいます。新品のものよりも、たくさんの人の愛情が、仕事がそこにかけられているんですよ。世の中には、それをあんな程度と呼び、粗末にし、そのことを反省する気もない大人達がたくさんいます。そんなことをしていると、いつか、歳を取った時に、今度は自分が同じ目に遭うような気がするんです」 住野さんの作品は何冊か読んできましたが、こういった日常系のゆるっとした作品は初めて読みました。最初から三歩に心掴まれましたね。読み終わったら三歩が大好きになっていました。こんなに現実を忘れて読めたのは久しぶりです。同時にこんな生活してみたいなと思いました。第二集も早速読もうと思います。 “次は、二割を私にちょうだい。”
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おっちょこちょいで明るい性格の三歩の日常を描いたお話です。 まるで三歩の毎日をその場で見ているかのような日常感溢れた文章と、一日一日を少しずつ大切に過ごしていく三歩がとても素敵だと思いました。
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一緒に働く中に三歩がいたら…の目線で見ると、めっちゃイライラするだろうし、苦手。 かたや、プライベートではこんな風に過ごせる方が色々と気持ち的に過ごしやすくなる気がする。 叱られても打たれ強いのも三歩みたいなタイプなんだろうな。 自分の感じたことや自分の中にある気持ちを基準に言葉...
一緒に働く中に三歩がいたら…の目線で見ると、めっちゃイライラするだろうし、苦手。 かたや、プライベートではこんな風に過ごせる方が色々と気持ち的に過ごしやすくなる気がする。 叱られても打たれ強いのも三歩みたいなタイプなんだろうな。 自分の感じたことや自分の中にある気持ちを基準に言葉を紡ぐことができるのは素敵だと感じる。
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最初は三歩の天然で鈍臭くてあざといような所がウザく感じて好きになれないなーと思っていたけど、読み進めていくとちょっと好きになっていた。 後半、おかしな先輩とのエピソードが1番印象に残った。全体的に、状況や心情がイメージしやすくて表現力がすごいと思った。
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三歩が職場にいたらめちゃくちゃむかつく。ただ、三歩を自分の心に住まわせれば、色々楽になることが多そうだから三歩マインドは参考にしよう。
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自分が失敗したときや、何かに対して不安があるときに読みたいと思いました。 三歩の生き方、考え方、悩み方、全てが好きです。
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ほんわかしたハートフルストーリーなんだけど、作者の地力を感じるように感じた。 「ただそこにあるものを悪いものだと決めつけて傷つけようとするなんて、いじめっ子と一緒だ」 朝ごはん食べない理由「流石の私でも2食分を一度に食べるのは無理」 「おいおいあんまりうちの暴れ馬をじらしちゃ偉いことになるぜ」 「ディレンマ」言葉の響きが好き 気にせず下着姿を晒すのは、不動産屋さんが滅多なことでは覗かれないといったから。ここの人間の頭の中の解像度の高さは作者の洞察力の賜物だと感じた。 「三歩は三歩に酔うのである」ここも作者の三歩への解像度高っ、ってなった部分。 「満足いくまで与えないっていうのもまた、ファンサには必要なのかもしれない」かも知れないでなく、かもしれないの方がかもしれない感強いなと今打ってて感じた。「焦らしちゃえらいことになる」も「じらしちゃ偉いことになる」の方が確実に的確。こういう言葉選びのセンス(センスが、吟味の結果か)が作者の地力を示していて、好きな小説と胸を張って言いたい。 「そうだったらいいな、私、自分の顔を武器だと思ってるから」 自分が幸せになることを常に考えてる。 「私達みんなお父さんとお母さんが作った人工物だろうが」 三歩だから許されてきたってことって、あるでしょ?
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タイトルは以前から知っていたが自分みたいなおっさんにはどうかなぁと手に取ってなかった1冊。 古本屋で調子に乗ってバカバカカゴに入れていった中に舞い込んで購入。 感想から言えば、とても面白かった。好みでした。 ドジで素直でたまに打算的、仕事でのミスも日常茶飯事で先輩方に叱られ...
タイトルは以前から知っていたが自分みたいなおっさんにはどうかなぁと手に取ってなかった1冊。 古本屋で調子に乗ってバカバカカゴに入れていった中に舞い込んで購入。 感想から言えば、とても面白かった。好みでした。 ドジで素直でたまに打算的、仕事でのミスも日常茶飯事で先輩方に叱られつつも前向き、たまに落ち込み引きずる、麦本三歩の日常をツラツラと主観で描いた作品です。 どこが好みかと言えば 文章が。です。 とうまくいえないけれど本作の雰囲気にあった気持ちのいいテンポで、慣れてくる2、3話からどんどん楽しくなる。 あくまで主観で経験上でですが、森見登美彦さん+朝井リョウさんを2で割ってカレー沢薫さんをわずかに一振り、な感じでした。(あくまで個人の感想です自信はないですアテにしないでください) 重めの読み物の間に挟みながらお茶請け的に第二集も読みたいと思います。
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長い時期を掛けて傷んたものは大切に扱う人や守ってる人がいる、と言う優しい先輩の言葉が刺さりました。優しい先輩、怖い先輩、おかしな先輩と3人の距離が縮む場面が素敵で、友人の携帯に友人からのお願いですとお辞儀するのも素敵で、水族館デートの相手を労る気持ちと言葉と帰って布団で泣く所が素...
長い時期を掛けて傷んたものは大切に扱う人や守ってる人がいる、と言う優しい先輩の言葉が刺さりました。優しい先輩、怖い先輩、おかしな先輩と3人の距離が縮む場面が素敵で、友人の携帯に友人からのお願いですとお辞儀するのも素敵で、水族館デートの相手を労る気持ちと言葉と帰って布団で泣く所が素敵で。あー自分もこんな素敵な人に出会いたい思いました。70ページくらいからどんどん読みたくなって、こんな話も書けるのか、よるのばけもの、キミスイと違う物語に喜んでましたけど、また見つけた。あーこれ面白いから
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