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フーコー〈性の歴史〉入門講義 の商品レビュー

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2021/01/09

「性の歴史4 肉の告白」と時を同じくして出版された仲正さんの入門講義。 他の入門講義と同様、テキストに即して、丁寧に読んでいくところがいい。 「肉の告白」を一読したところで、1巻から読み直すかな?と思っていたところだったので、これを読むことで、4巻の全体像がつながってきた。 ...

「性の歴史4 肉の告白」と時を同じくして出版された仲正さんの入門講義。 他の入門講義と同様、テキストに即して、丁寧に読んでいくところがいい。 「肉の告白」を一読したところで、1巻から読み直すかな?と思っていたところだったので、これを読むことで、4巻の全体像がつながってきた。 1976年の第1巻以降、8年間、フーコーの本は出版されなくて、84年にいきなり2〜3巻がでて、その落差に当時の人々は驚いたわけだが、その後「思考集成」や「講義録」が出版され、この8年間は、フーコーの思考が何度も転回した極めてエキサイティングな時期であったことがわかっている。 それらの思考が、この4巻にどう具体的にリンクしているのかは、わかるようで、分からなかったのだが、講義のなかで、本のある部分が、どの講義やエッセイと内容的に近いのかを整理してくれているのが、個人的には、とてもありがたかった。 それにしても、第1巻の「生政治」の議論は、改めてすごいな〜と思って、当初のプランで、一度、完結してほしかったなと無い物ねだりしたくなる。 第2〜3巻の淡々とした記述は、あとに第4巻があるはずだっとわかっていても、なんだか肩透かしな感じが残っていたが、こうして丁寧に読み込んでいくと、読めていなかったところがたくさんあって、4巻全体のつながりがしっくりしてきて、これはこれで、やっぱすごい本なんだな〜と思った。

Posted byブクログ