服のはなし 着たり,縫ったり,考えたり の商品レビュー
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‣ 手を動かすことで、自分をなぐさめられる。ミシンを踏み、編み棒を動かすと、日々の面倒なことを忘れて、いつしか、すがすがしい気持ちになっている ‣ 体調を崩したとき家でつくったおじやが体にすっと入るように、手づくり服は自分をリセットするのにちょうどいいはずだ ‣ どうやら人が見るのは、きれいに縫えているかどうかではなく、服を着たわたしそのもののようだ。コンクールに出すのではないのだし、わたし自身が楽しいと思える服をつくればいい ‣ すてきな布を見つけたらうれしくなるし、裁断したパーツが縫うごとに一着の服になっていくのは気持ちがいい。思いがけずユニークな形になって吹き出すこともある。そんな気持ちが服にまざって、見た人も楽しくなっているのかもしれない ‣ 縫う。繕う。編む。誰もが自然にできる技術になれば、暮らしのなかであらたな喜びがきっと増える ‣ 大切なのは、着る人に寄り添い、その人のふだん着になじむ服をつくること。楽しく着てもらえたら、それでいい ‣ 暮らしのなかには、無数のドレスコードが張り巡らされている。でも、ひるまず、ときにはしたたかに操り、くぐり抜けたい。それが、わたしであるために装う第一歩 ‣ 節分おばけ☆仮装百鬼夜行もハロウィーンも、たんなるコスプレではなかった。ふだんは手に取らない衣装を着ることで、生きづらい日常から自分を切り離す。服にはそんな役割もあったのだ ‣ 服が服になるまでのことを思いながら、できるかぎり一着一着を大切に着たい。日々食べているものがわたしの体をつくるように、毎日着る服がわたしをかたどり、心をはぐくむのだから ‣ これだけははっきりしている。わたしもただ在る服を目指してつくりたい ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ただ一人、感性に従って、黙々と作業することの気持ちの良さ。 私はものづくりが好きなのでよくわかります。 でも時々、仕事ではないのに効率とか評価を気にしてしまうことがあり、 そんな自分を嫌になることがありました。 この本は、日常の中にあるものづくりを、もっと自由に楽しめばいい! ということを教えてくれたように思います
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独学で母親に作った服を出した行司さんの、服に対する思いや考え。ファストファッションが普通になっている昨今、その人のことを考えて作るオリジナルの尊さ。対価だけではないものを考えるようにしたいと思った。
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洋裁をはじめたので、興味が湧いて図書館でさらっと読み。 家庭料理みたいに家庭裁縫があっても良い。確かに! 著者がお母さんに作ったお洋服の素敵なことといったら❤️ ファストファッションについてとか、心の状態とか、時代背景とか、幅広く掘り下げていて、読み応えがあった。 著者の感性や洞...
洋裁をはじめたので、興味が湧いて図書館でさらっと読み。 家庭料理みたいに家庭裁縫があっても良い。確かに! 著者がお母さんに作ったお洋服の素敵なことといったら❤️ ファストファッションについてとか、心の状態とか、時代背景とか、幅広く掘り下げていて、読み応えがあった。 著者の感性や洞察になるほどとうなずく。 ヘタクソな自己流だけど、お洋服づくり、楽しんでいこう。
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とれかけのボタンを付け直す。 ほつれた裾を縫う。 なんだか面倒だ。 しかし、やりとげると不思議とすっきりする。 強制収容所から生還した作家さんが裁縫道具の大切さをつづっているとの記載に、納得した。 自分は亡き祖母が編んでくれた多少野暮ったいベスト、カーディガンを身につける...
とれかけのボタンを付け直す。 ほつれた裾を縫う。 なんだか面倒だ。 しかし、やりとげると不思議とすっきりする。 強制収容所から生還した作家さんが裁縫道具の大切さをつづっているとの記載に、納得した。 自分は亡き祖母が編んでくれた多少野暮ったいベスト、カーディガンを身につけると、安心する。 心穏やかに生きていくためのヒントをもらった。
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最近洋裁を始めたので読んでみた。既製品のように作るのをやめて手作りであることを楽しむ、というのはとても共感できた。後半にある様々な方のインタビューが面白かった。服ってなんだろうなぁと漠然と考えさせられた一冊。
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アパレルが始まった前から令和の現在までの服の歴史を体験しているからこその内容。 1人の人生を辿っているような作品
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「服って、言葉を使わずに人を表現することなんです」 ほんとそうだと思う。私もお気に入りの本を纏いたいと思ったね。 糸や布からこだわって自分のお気に入りの服を作るってすごいし、うらやましいな〜と。 ただ、言葉が固かったり服に纏わる難しい?話も多くて読みやすくはないかな〜
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とーっても好きなタイプの本。 図書館で借りてきたけど、手元に置いておきたい本なので、買うことにする。 フードロスならぬ服ロスの話、著者のファッション遍歴、服作りのこと、瀬戸内寂聴さんなど著名人の服ヒストリーなどなど、興味深い話題ばかりで、楽しかった。 人間にとって服を着るとはど...
とーっても好きなタイプの本。 図書館で借りてきたけど、手元に置いておきたい本なので、買うことにする。 フードロスならぬ服ロスの話、著者のファッション遍歴、服作りのこと、瀬戸内寂聴さんなど著名人の服ヒストリーなどなど、興味深い話題ばかりで、楽しかった。 人間にとって服を着るとはどういうことか。最後『ペレのあたらしいふく』で締められているのもよかったな。わたしも大好きな絵本。 針と糸のすごさよ。 P7 トナカイの毛皮をはおるだけでは冷気が入り込むけれど、縫製することで保温ができる。関野さんは、トナカイの毛皮の服を着て手袋をはめて帽子をかぶると、マイナス40~50度の極寒地でも寒い思いはせず、針の発明のすごさを何度も実感したという(山極寿一、関野吉晴『人類は何を失いつつあるのか』東海教育研究所、2018年)。 針と糸は自立の道具でもあった。『洋裁の時代』(小泉和子編著) P24 手芸もすてきな店が町のあちこちにできて、楽しさを伝えるつくり手が身近で増えてほしい。縫う。繕う。編む。誰もが自然にできる技術になれば、暮らしのなかであらたな喜びがきっと増える。 P88 『BORO つぎ、はぎ、いかす。青森のぼろ布文化』(小出由紀子・都築響一)によると、貧しい人は小さい布さえ持てなくて、資産家にもらいに行かなければならず、一本の糸さえ大切に使った。 限られた材料で配色も考えたのだろう。目の前にあるぼろは、布の色や形が存分に生かされていた。そして、圧倒的な力でわたしに迫り、その美しさに心がゆすぶられた。ぼろの芸術性が評価されて国内外で展覧会が開かれていることも、現代のデザイナーたちがぼろをモチーフにしたコレクションを発表するのもわかる気がした。 同時に、言葉にできないひっかりがあった。その正体は、会場に設けられてあったぼろの試着コーナーでわかった。ためらいながらはおりものをまとって、姿見に移すと、ショッピングモールやデパートにある服よりも格好よく見えた。これが売っていれば、買うのに……。そう思ったとたん、ぼろをファッションとして消費しようとしている自分に気がついて、うとましさを覚えた。 P116 ふだんはまじめな人が、節分おばけ☆仮装百鬼夜行に参加したときのこと。出発しはじめたころは行列の後ろの方にいたものの、沿道から声をかけられたり、写真を求められたりするうちに、率先して先頭を歩きだした。 「とても楽しそうでした。本来の自分なら鎧を着るのに、お化けになることで裸になれば、思い切ったことができたのでしょう。扮装するとは、自分を解放すること。ベニスのカーニバルにも共通しますよね」
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独学で洋裁を学び、自分や周りの人たちの服を手作りしている著者。 街にも家の中にも溢れているのに、いざ着ようとすると気に入ったものが一枚もなかったりする不思議さよ。。。 服とか一体なんなのか。たかが服、されど服で その人が着ているものから受け取る情報はあまりにも多い。 何が好きで...
独学で洋裁を学び、自分や周りの人たちの服を手作りしている著者。 街にも家の中にも溢れているのに、いざ着ようとすると気に入ったものが一枚もなかったりする不思議さよ。。。 服とか一体なんなのか。たかが服、されど服で その人が着ているものから受け取る情報はあまりにも多い。 何が好きで、何歳くらいで、たぶんこのくらいの収入で、、、などなど。それがわかっているから私たちはなかなか本当に来たい服を着ることができないのだ。 著者が作る服は、洋裁や社会のルールにしばられないから素敵に見えるんだろうな。 元々私も自分の服を縫っているのだけれど、 これからはもうちょっと堂々と自分で作った服を着ようかなと思っていたりする。
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2021.8.2 服って楽しいなと思った。 お母様のかわいいこと。 歳をとったら明るい色を着よう! SALEの値段に負けず、着心地のいいもの、好きなものを着続けようとも思いました。
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