オリーヴ・キタリッジ、ふたたび の商品レビュー
フランシス・マクドーマンド主演のドラマを見た。 これがまた期待を上回る出来!U-NEXTにこれだけを見るために入った価値がありました。 そのせいでオリーヴがマクドーマンドとして脳内再生されたけど、マクドーマンドだから許されます笑 だってマクドーマンドですから!もう一度「ノマド」見...
フランシス・マクドーマンド主演のドラマを見た。 これがまた期待を上回る出来!U-NEXTにこれだけを見るために入った価値がありました。 そのせいでオリーヴがマクドーマンドとして脳内再生されたけど、マクドーマンドだから許されます笑 だってマクドーマンドですから!もう一度「ノマド」見ようかなと思ったくらい。 「光」を読み終わったのは、カフェだった。涙ぐんでいたところにランチが運ばれてきた。 「救われる」もお弁当食べながらだったから泣きながら食べた。 読み終わるのが惜しくて噛み締めながら読んだ。 なんだかんだいろいろある、いろいろあるけど、ここまでやってきたじゃないか、諦念が生きてきた実感に昇華する瞬間の描かれ方に胸を突かれる。 これから自分が歩んでいく道が見えるようでドキドキもする。ヘンリー亡き後、ジャックと出会うなんて、そんな上手い話無いよと嘆いていたけど、ある意味そんなことは杞憂だった。やっぱり、エリザベス・ストラウトが描くのだから一筋縄ではいかないのだ。 「ふたたび」を書いてくれてありがとうと言いたい。 「ふたたび」を読んで、エリザベス・ストラウトは好きな作家のうちの一人から最も好きな作家1位となりました。 まだ後一冊未読の小説噛み締めながら読んでいこうと思う。
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前作より毒気が薄まって読み易いけれど、より細部が効いてくるような、丁寧に辿りたくなる書きぶりに思えました。 気取らずうってつけの(と思わされる)比喩表現は変わらず、とっても好い。 くたびれながら、何がなんだかわからないまま生きる日々、を受け入れられる土地として、本棚に居てほしい...
前作より毒気が薄まって読み易いけれど、より細部が効いてくるような、丁寧に辿りたくなる書きぶりに思えました。 気取らずうってつけの(と思わされる)比喩表現は変わらず、とっても好い。 くたびれながら、何がなんだかわからないまま生きる日々、を受け入れられる土地として、本棚に居てほしい一冊。
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「わからないことは、わからないままに受け止めて、心静かに耐えること」 どろり、じとり、とした読後感 1作目から歳をとったけど、オリーブはオリーブだった
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
キタリッジさん、いよいよ人生の終幕へ。 前作でそうだった、いつも不機嫌を撒き散らしている態度に、少しずつ自覚が出てくるところがリアル。歳を重ねて、気付くことで変えられること、気付いても尚変えられないこと。 息子の子育てに失敗、と思ったら優しい変化もあって喜ばしいが、その変化をもってさえ、理想の息子像には足らない。過ぎ去ってしまった時代の満たされなさは、埋めようがない。そこもまた、人のリアルさを感じた。 全体として、前作より理解がしやすくなっている。でも、続きはもういらない。訳者あとがきにもあったが、キタリッジさん主人公お疲れ様、これ以上は酷だから、もうゆっくり休んでくださいと、自分も思った。
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最高。前作よりも一般ウケしそう感が増した。言ってみれば、分かりやすくなった。他人のことを、あーだこーだ言うんだけど、あーだこーだの話を聞き、聞かされるんだけど、揺るぎない自分、迎合しない自分が残る。
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前作より穏やかになったオリーブ。 やり直せるならやり直したいという気持ちもあるのだろうな。でもオリーブは自分の人生を肯定してそう。太宰治「恥の多い人生でした」にも通じるような晩年の心持ち。恥というか消してしまいたい過去もある。人生後半の方が読むと沁みると思う。
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「老いる」ことが、切実に我が身へと迫ってくる作品。前作にあったオリーヴの「人となり」は、変わらないが、老いが彼女を絡めとって行く様が少し痛々しく感じた。だけど、これが現実なのだな、と思わせるところが、この作品の凄さだと思う。オリーヴの周辺で生きる人々にも焦点を当てているが、それぞ...
「老いる」ことが、切実に我が身へと迫ってくる作品。前作にあったオリーヴの「人となり」は、変わらないが、老いが彼女を絡めとって行く様が少し痛々しく感じた。だけど、これが現実なのだな、と思わせるところが、この作品の凄さだと思う。オリーヴの周辺で生きる人々にも焦点を当てているが、それぞれに問題を抱えつつ懸命に生きる様子になぜか勇気をもらえた。生きることはしんどい。けれど、たまには良いこともあるさ。という、オリーヴの声が聞こえるようだ。
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これは前作同様、深いのに軽やかで、人生の真実に近づける感じ。老年に達したオリーブと周りの人々の暮らしが描かれるが「なんでもない日常」なんてないのだなと思わされる。今日が人生の変わり目かもしれないのだ。 80過ぎまでのオリーブの晩年は穏やかとはいいがたい…いや、境遇的には満たされて...
これは前作同様、深いのに軽やかで、人生の真実に近づける感じ。老年に達したオリーブと周りの人々の暮らしが描かれるが「なんでもない日常」なんてないのだなと思わされる。今日が人生の変わり目かもしれないのだ。 80過ぎまでのオリーブの晩年は穏やかとはいいがたい…いや、境遇的には満たされてるけど…で、老いを感じる私としては、そうかこうなっていくのかというリアルな恐れと諦念を感じるが…そうね、それでもいいことも起きるし、自然は美しいし、進んでいかないとね。 訳が見事!会話の自然さにうなる。
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1作目は自分の読書歴オールタイムベストに入る作品。人生に寄り添ってくれる小説というのでしょうか、中高年の方に強くお勧めできる小説です。で、その続編が10年ぶりに出て迷わず買ってから2年放置しましたが、初読から10年、細部を忘れてるので、今回最初から読み始めやっと通読できました。 ...
1作目は自分の読書歴オールタイムベストに入る作品。人生に寄り添ってくれる小説というのでしょうか、中高年の方に強くお勧めできる小説です。で、その続編が10年ぶりに出て迷わず買ってから2年放置しましたが、初読から10年、細部を忘れてるので、今回最初から読み始めやっと通読できました。 構成はオムニバスと言われる連作短編集で、オリーヴは主役、脇役、チョイ役と年齢順に出てきます。2冊で40代から86歳までのオリーヴが、架空の街、メイン州クロズビーの人々と共に描かれます。その意味で2作はきれいにつながっています。1つの短編を時間をかけてしっかり読んでいくことが吉。 オリーヴは、かなり嫌味な毒吐き女性で感情移入は難しい人物設定です。感動とは程遠い、普段の生活が淡々と進むなかで、ちょっとした波乱や、老いや寂しさを感じさせるトラブルが丁寧に描かれていきます。 前作の完成度は素晴らしい分、続編は楽しみだけど本当は知りたくない、という感じでしょうか。続編は晩年の枯れを語る物語で、老いや病気、あきらめ、寂しさが前作よりさらに色濃くなって、それが読者の気持ちに反映してくる。誰しも老いていくし、気が付いたら自分はそういう歳になったけどまだまだ心は若く20歳、まさかすぐに死ぬなんて思いもしてない。でもいつかは現実に死を自覚する時が来る。その時にどう向き合うのか、それを問うてくる小説。 そういったジャンルがあるかわからないけど、老境文学として胸に深く染みわたる本。もし10年後にまた読めたとき、現存在における老いと寂しさはどう自分に迫ってくるだろうか。 沈思して黙考したい。
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221201*読了 「オリーブ・キタリッジの生活」が好きだったので、続編が出たと知った時は喜びました。 この2作が好きな人のことは、きっと好きになれると思う。 メイン州クロズビーにいる、なんてこともないおばさん、オリーブ。癖が強いといえばそうなのだけれど、それでもどこかには必ず...
221201*読了 「オリーブ・キタリッジの生活」が好きだったので、続編が出たと知った時は喜びました。 この2作が好きな人のことは、きっと好きになれると思う。 メイン州クロズビーにいる、なんてこともないおばさん、オリーブ。癖が強いといえばそうなのだけれど、それでもどこかには必ずいるであろうおばさん。 前作ではおばさんだったのだけれど、今作では夫に先立たれ、新しい恋をし、再婚をして、おばあさんになり、死と向き合う。 その様子がとてもオリーブ的で好もしく、ほっとしました。 連作短編集の中で、どのストーリーが好きかと考える。どれも好きだなぁ。中でも印象的なのは、新しい旦那さんとの関係が築かれるお話と、最後のお話かな。 自分がまだ経験していない老いて、死が目の前に迫ってくる感覚。 きっと自分も長生きできたら、こんな気持ちを味わうことになるのだろう。 それは静かな諦めと覚悟なのだろう。
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