さようならアルルカン/白い少女たち の商品レビュー
町田そのこさんの好きな作家さんということで手に取ってみました。女性たちの強くいきる心もように感動しました。思春期の子どもたちに読んでもらいたい本です。
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学生時代の少女の一匹狼、先生、寄宿生活。女の子の痛みや若さが詰まりに詰まった本でした。語り口が書かれた当時の文体で懐かしさもありつつ。
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他者に迎合することなく成長していく人の姿は、客観的には輝いて見えるのだなぁと思いました。 普通じゃない、それが魅力。だから普通になってしまうと途端に輝きが失われる。でも、ふとした瞬間に以前持っていた輝きを取り戻す人もいるんだと知りました。 本人からしてみたら、他者と交わり合う生...
他者に迎合することなく成長していく人の姿は、客観的には輝いて見えるのだなぁと思いました。 普通じゃない、それが魅力。だから普通になってしまうと途端に輝きが失われる。でも、ふとした瞬間に以前持っていた輝きを取り戻す人もいるんだと知りました。 本人からしてみたら、他者と交わり合う生活は安心感があり、孤高よりも幸福感に溢れるんだろうけれど…。 自分に置き換えてみると、孤高も共生も、どっちも経験したいなぁ私は貪欲だわ(笑)と再確認させられました。
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少女の傲慢さも潔癖さも強さも脆さも苦しさも孤独もシスターフッドもぜんぶ詰まっていて、苦しい。10代の頃に読んでおきたかった。
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ワ―キャー騒いだかと思えば、 次の瞬間には急に沈み込み、 想いを寄せる同級生に頑なに心を隠す一方、 人気の年下男子をしれっと連れ回す。 女性の大胆さと繊細さ、不可解さと魅力を、 少年はその少女から教わった。 その少女を作り出した作家に惹かれた。 部活男子の心がどうして分かるのだ...
ワ―キャー騒いだかと思えば、 次の瞬間には急に沈み込み、 想いを寄せる同級生に頑なに心を隠す一方、 人気の年下男子をしれっと連れ回す。 女性の大胆さと繊細さ、不可解さと魅力を、 少年はその少女から教わった。 その少女を作り出した作家に惹かれた。 部活男子の心がどうして分かるのだろう。 次に読んだ作品で彼は驚かされた。 その対の同級生の少女から見た物語で、 もう一度驚かされる。 男子と女子でここまでモノの見方が違うのか。 部活に対する想いの違い。 恋に対するスタンスの違い。 同志と恋人。 そんなテーマが彼の心を激しく打った。 住んでいた街を出て大学生となった彼は、 大きな挫折を味わう。 東京と地方で揺れる少女の物語に、 彼は励まされ、少女とともに戦った。 就職した年の夏、彼は真っ先に高知を訪れる。 やがて彼は仕事と家庭と生活に、 忙殺されるようになり、少女たちを忘れた。 そんな時、訃報を聞く。 それから10年以上が過ぎた。 彼はすっかり中年となった。 あらゆる意味で少女から遠くなった。 しかし少女たちは戻ってきた。 そこには少年だった彼も居る。
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ブクログさんの本棚で『なんて素敵にジャパネスク』『ざ・ちえんじ』のレビューを見かけ、私も2021年春に置いていた本棚を入れ替えてみようと思い立つ。 (2021年4月1日記) 氷室冴子さんの名前を新刊コーナーで見かけ懐かしさが溢れ出た。亡くなってって久しいのに何で今頃なの?帯に初...
ブクログさんの本棚で『なんて素敵にジャパネスク』『ざ・ちえんじ』のレビューを見かけ、私も2021年春に置いていた本棚を入れ替えてみようと思い立つ。 (2021年4月1日記) 氷室冴子さんの名前を新刊コーナーで見かけ懐かしさが溢れ出た。亡くなってって久しいのに何で今頃なの?帯に初期に書かれた、まぼろしの短編6編が収められていると紹介されていた。 氷室さんは1980年代から1990年代にかけて集英社コバルト文庫を代表する看板作家なのに、「小説ジュニア」でデビューした氷室さんを軽く見ていた。若気の至りで気取っていた自分が恥かしい・・・。 そんな私が『なんて素敵にジャパネスク』を友人に勧められ見事にはまってしまったのは、子育てで忙しかった頃。平安時代に現代的な感覚のヒロインが活躍する設定は斬新だった。女の枠を外し自由に平安時代を生きる主人公に夢中になった。それまで読んだことがなかったスタイルに魅了された。平安時代を舞台にしたものは歴史小説が主で、主人公たちは平安時代に育った感覚で描かれていたが、氷室さんは敢えて現代の女子高生のような感覚の主人公を平安時代に送りだした。しかも、綿密な歴史・豊富な古典知識をまじえて。今では普通となった『平安朝の貴族文化を現代風にアレンジしてエンターテイメントにする手法』を編み出した最初の作家さんと云われのが肯ける。だからこそ、読者はすんなり平安時代という壁を超えてのめり込んでいけるのだ。古典の授業で習った無彩色の枕草子や源氏物語が色づき日常にグンと迫って感じられた。次に読んだのは、古代日本を舞台に設定したファンタジー『銀の海 金の大地』シリーズ。大好きな作家さんだったのに、51歳の若さで亡くなってしまった・・・。もっとたくさんの作品を生み出して欲しかったのに惜しまれる。氷室さん以来、彼女の影響を受けたと思われる作品が続々出て来たように思える。一番乗りした氷室さんの功績は大きい。 本作は「さようならアルルカン」「あなたへの挽歌」「おしゃべり」「悲しみ・つづれ織り」「私と彼女」「白い少女たち」で編まれている。どの短編にもひりつくような焦燥感や純愛、「少女」という檻の閉塞感が瑞々しく書かれている。多感で未熟を鮮やかに描いた少女小説の原点が詰まっていると、評してある。 でも、現在の私が読んでも、主人公たちと相通じる気持ちがある。いわゆる「少女小説」の主人公たちはいつまでも同じで、少女と云う期限付きではないだろう。
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2021.3.4 小学生のときに「雑居時代」を読み、とても好きだった。何度も読み返した。(非の打ちどころのない数子にとても憧れた) それを思い出して、図書館で予約していちばんに借りた。 「海がきこえる」はだいぶ大人になってから読んだ。中学生くらいの時にもっと氷室さんの作品を読ん...
2021.3.4 小学生のときに「雑居時代」を読み、とても好きだった。何度も読み返した。(非の打ちどころのない数子にとても憧れた) それを思い出して、図書館で予約していちばんに借りた。 「海がきこえる」はだいぶ大人になってから読んだ。中学生くらいの時にもっと氷室さんの作品を読んでおきたかったな。まだ間に合うかな? 少女漫画のような小説、まさに、だった。 やや時代は感じるものの、感受性豊かな10代の女の子の揺らぎがよく描かれていた。 「わたしと彼女」 『雑居時代』と同じような設定で、雑居時代にハマっていたわたしはあーこんな感じだった!と懐かしむ気持ちで読んだ。今思うと10代の男女が親にも知られずに同居なんて設定は無理がありすぎると今では思うけどでも当時は面白かったなぁ。 「白い少女たち」 東野圭吾のデビュー作『放課後』と恩田陸『麦の海に沈む果実』を思い出した。 閉ざされた学園モノで暗いミステリー。こういう世界観は大好物。この歳になってこういう学園モノを読めるとは嬉しい驚きだった。 碧と倫子と瑞穂の3人が卒業してもこの出会い(悲しい出来事も含め)を大切に幸せになってほしいと思った。
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学生時代にガッツリはまった、今は亡き氷室冴子の初期作品を集めた短編集。 ただただ懐かしく、10代の頃に読んだ作家さんを30年経って読んだら、どんな気持ちだろう?と手に取ったが、「初期作品集」だけに自分が読んでいた頃より、さらに前の作品で懐かしさの感慨もなく、何となく読み終えてしま...
学生時代にガッツリはまった、今は亡き氷室冴子の初期作品を集めた短編集。 ただただ懐かしく、10代の頃に読んだ作家さんを30年経って読んだら、どんな気持ちだろう?と手に取ったが、「初期作品集」だけに自分が読んでいた頃より、さらに前の作品で懐かしさの感慨もなく、何となく読み終えてしまった。 基本短編だが、タイトル作でもある「白い少女たち」のみ中編で、これがデビュー作だそう。知らなかった… 他の短編集は、その後に見られる少しユーモラスな感じもあり、さらっと読めるが、「白い少女たち」は今ではありがちな設定を1970年代に描いていたことを思うと、青春小説の原点のように感じる。 この前に読んでいた本の中に「海が聞こえる」が出て来たので、続けて読んでみたけど、もう少し後の作品がさらに読みたくなっただけだった… でも、敢えて今の10代ではなく、青春時代を氷室冴子と過ごした大人たちに読んでもらいたい作品。
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とても、優しくてどこか残酷な、けれど眩さのある物語(短編集なので、くすっとしたりにやりとしたりするお話もあったけれど。もちろんそれらもとても好きだ) 表題作の二話はほんとにヒリヒリした。でも、特に白い少女たちは、すべての少女たちへの愛を勝手に感じた。誰かにわかってほしいとか、わか...
とても、優しくてどこか残酷な、けれど眩さのある物語(短編集なので、くすっとしたりにやりとしたりするお話もあったけれど。もちろんそれらもとても好きだ) 表題作の二話はほんとにヒリヒリした。でも、特に白い少女たちは、すべての少女たちへの愛を勝手に感じた。誰かにわかってほしいとか、わかりたいとか、わからないくせにとか、ときには興味も、それらすべての気持ちをまるっと優しく包み込んでくれていたな、と。 だれも責めない。ただ、自分がそこにいる。 多感で未熟なすべての少女を、氷室冴子さんは、愛していたのかな。 読んでてついつい責めたくなった自分に反省した。 そして、じわりと涙が浮かんだ。
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まさか三十代半ばを過ぎて、また氷室冴子さんに心を奪われる日が来ようとは!! あの頃夢中になったかつてのわたしが、懐かしいと叫ぶ。 このヒリヒリ感、湿度、仄暗さ、たまらない。 あの頃の少女小説にはこれらが詰まってたんだなぁ。こんな素晴らしい物語を成長過程で読めていたんだなぁどんだ...
まさか三十代半ばを過ぎて、また氷室冴子さんに心を奪われる日が来ようとは!! あの頃夢中になったかつてのわたしが、懐かしいと叫ぶ。 このヒリヒリ感、湿度、仄暗さ、たまらない。 あの頃の少女小説にはこれらが詰まってたんだなぁ。こんな素晴らしい物語を成長過程で読めていたんだなぁどんだけ幸せ者だ自分は、と改めて僥倖に感謝する。 40年以上経っても色褪せることのないこの瑞々しさは、さすがコバルト四天王だな。 しかし白い少女たちがデビュー作って、ほんと才能の化け物!!
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