戦争は女の顔をしていない(2) の商品レビュー
1巻同様に、可愛い絵柄にカモフラージュされてはいるけれど凄まじい内容。国のためにと女性としての幸せを捨て戦地に赴くことを望んだのは、やはり時代だったのだろうと思う。自慢の長い髪を失い坊主になり、スカートを捨て男と同じ格好をして、彼女たちが得られた幸福とは一体なんだったのだろうか。...
1巻同様に、可愛い絵柄にカモフラージュされてはいるけれど凄まじい内容。国のためにと女性としての幸せを捨て戦地に赴くことを望んだのは、やはり時代だったのだろうと思う。自慢の長い髪を失い坊主になり、スカートを捨て男と同じ格好をして、彼女たちが得られた幸福とは一体なんだったのだろうか。 敵の骨を砕きながら進む車輪、全滅したせいで大鍋の料理が無駄になったという料理番。彼女たちの心にも、そして読者の心にも決して拭い切れない黒い感情を残していく。
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特に冒頭から引き込まれるのは我々が「戦後」を生きる日本人だから。 何故か近年忘れられがちであるが、100人いれば100通りの戦争があるのだけど。
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本の帯にあるように、「この本は理解するためのものではありません。理解していないことを知るための本です。」なぜ彼女たちが口をつぐんでいたのか、それを考えると胸を抉られるような気持ちになります。戦争に出たのも、そこで経験したのも、それぞれ語る人によって思いは違うが、戦後受けた周りから...
本の帯にあるように、「この本は理解するためのものではありません。理解していないことを知るための本です。」なぜ彼女たちが口をつぐんでいたのか、それを考えると胸を抉られるような気持ちになります。戦争に出たのも、そこで経験したのも、それぞれ語る人によって思いは違うが、戦後受けた周りからの目はおそらく同じようなものだっただろう。そう思うとこの本のタイトル『戦争は女の顔をしていない』というのが腑に落ちる。これは原作版を読んで気がついたことなのだが、漫画版も2巻目に入り、少しその辺についても触れられている。どこまでこの漫画版が続くのかわからないのだが、是非ともその、従軍した女性に対する世間の目のことをしっかりと描いてほしいと思う。
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読まなきゃ良かった……と、言ってしまいたい。これが事実で現実じゃなかったら。 #漫画 #戦争は女の顔をしていない
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
戦勝国にとっての戦争とはなんだったのだろう? 敗戦国に生まれた私はずっとそのことに拘り続けてきた。 この著作はその答えを一部だけ与えてくれる。 わかることはないのだから、永遠に。 私たちが、今、この世界で生きていることはまだあの頃よりも良いのだと信じたいから。 今回はアレクシェーヴィチがこの著作を書きかあげるために至った経緯も描かれている。 何度も拒否されて、何度も原稿を返されて、それでも彼女は諦めなかったことに敬意を感じる。 続きも出してもらえることを祈りつつ。
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前作を読んだ時も思ったが、こんなにも女性の兵士がいたことに驚き。 このマンガに出会わなきゃ、知らなかった事実がいっぱいあると思う。 背けたくなるような話もあり決して楽しい話ではないけれど知っておきたい話でもある。
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