狐と韃 の商品レビュー
平安初期に書かれたとされる日本最古の説話集『日本霊異記』から題材を取った八篇。著者の景戒に纏わる話もある。「蛇に婚(くながひ)せられ」る話は強烈で下腹部にズシンとくるものが。昔は、動物は怪異と切り離せないものだったのだろうな。七話目、八話目は胸にしみ入る。 古典は難解な文法と主...
平安初期に書かれたとされる日本最古の説話集『日本霊異記』から題材を取った八篇。著者の景戒に纏わる話もある。「蛇に婚(くながひ)せられ」る話は強烈で下腹部にズシンとくるものが。昔は、動物は怪異と切り離せないものだったのだろうな。七話目、八話目は胸にしみ入る。 古典は難解な文法と主語がはっきりしない文とであまり好きではなかったが、朱川氏がいうように妄想する余地があって面白いかもしれない。「知らぬ火文庫」シリーズ、今後も追っていきたい。
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日本霊異記を基にした短編小説集。バラエティに富んでいる印象。理不尽だと思う話もいくつかあるけれど、そこが仏教?を基にした教訓譚らしさを感じた。女が蛇と結ばれる話は、正直古典で読むからライトな感覚で読めたものが小説になるとウッ…となる感覚を味わえたのは面白かった。
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平安時代初期に書かれ 伝承された最古の説話集 『日本霊異記』の数話を題材に 現代風にアレンジした作品 #狐と鞭 #朱川湊人 元々宗教を伝えるために 書かれた書物なのに 時々艶かしいお話しとかもあって なかなか面白かったです いつの時代も同じような悩みを持ち 人は生きているんだ...
平安時代初期に書かれ 伝承された最古の説話集 『日本霊異記』の数話を題材に 現代風にアレンジした作品 #狐と鞭 #朱川湊人 元々宗教を伝えるために 書かれた書物なのに 時々艶かしいお話しとかもあって なかなか面白かったです いつの時代も同じような悩みを持ち 人は生きているんだなぁ…。
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【収録作品】第一話 サカズキという女/第二話 髑髏語り 第三話 射干玉国(ヌバタマコク)/第四話 夜半の客/第五話 狐と韃(ムチ)/第六話 蛇よ、来たれ/第七話 塵芥にあらず/第八話 舎利菩薩 「日本霊異記」は少ししか知らないので、まったく新しい物語として読んだ。
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楽しかった。 不思議な昔話というのはわくわくする。 8篇とも「日本霊異記」(西暦822年成立?)をヒントにしているらしい。 ④はこの著者、景戒が書きながら頭を悩ませているという設定で、40年近く前の受験勉強中、「南総里見八犬伝」執筆中の滝沢馬琴を描いた問題文が出てきて、「続きが読みたい!」と思ったことを思い出した。 注文をつけるとしたら⑥くらいかな。⑤くらいならクスッと笑えるけど、⑥はちょっと淫靡に過ぎるかな。でも、「日本霊異記」との距離感を朱川さんがどう取っているかで、見え方も変わるかもしれない。 単純に不思議な昔話として、①、③、④、⑤、⑦、⑧ 面白かった。 また、読みたくなるんだろうなぁ。 ①サカズキという女 目の前を横切った金色の光は、狐ではなく、豊満な渡来人女の髪であった。 ②髑髏(ひとがしら)語り 無骨なかんざし職人の兄は母と2人暮らし。そこに口の達者な弟が放蕩の末帰ってきたのが不幸の始まり。 ③射干玉(ぬばたま)国 死んだ父が蘇った。その父が言うには、3年前に沼に身を投げた母は、黄泉の国で厳罰を受けていると言う。 ④夜半(よわ)の客 千年の時を超える書「日本霊異記」。その書の執筆中、まだ無名の著者は自室で一人頭を抱えていた。そこに出現した4人の死霊たち。 ⑤狐と鞭 狐と人間の合いの子の末裔「美濃狐」は女ではあるが、その圧倒的な力で暴虐の限りを尽くす。見ているしかなかった10歳の多須岐は、昔、尾張国にいた百人力の道場法師の話を思い出す。道場法師はもういないだろうが、その孫ならひょっとして。 ⑥蛇よ、来たれ 男勝りの16歳、佐々伎売は病気の母に桑の葉茶を飲ませるため桑の木に登った。そのとき、木に潜んでいた大蛇が彼女に巻き付き締め上げたまま一緒に落ちた。佐々伎売は喘ぎ苦しんでいるように見えたのだが。 ⑦塵芥(ちりあくた)にあらず 阿久多は自分のことを名の通りゴミ(芥)だと思って生きてきた。しかし、いつも阿久多の金でタダ酒を飲もうとする磐嶋が、「ゴミの名」に込められている「思い」を話し、それが阿久多の光となったのだが。 ⑧舎利菩薩 人間ではなく肌色の肉玉として妻の身体から生まれた「もの」を広公は山に捨てた。もう死んでいるはず、6日後、妻と供養のためにそこを訪れたが、それは顎のない赤ん坊となり、まだ生きていた。
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初めの話がクソ男の話なので、読むのが嫌になるが、そこでやめないでほしい。その先に、重厚な物語の広がりがあるから。
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