北条五代(下) の商品レビュー
とても面白かった。二人とも好きな作家で、同じ作品を通して読み比べできるのも、なかなか無いので、そういったところも特別なおもしろさの一つだったと思う。伊東氏のパートになって、始めのところは、火坂氏に寄せた書き方から、最後の方は伊東氏色そのものの書き方になっていたと思うが、二人の共作...
とても面白かった。二人とも好きな作家で、同じ作品を通して読み比べできるのも、なかなか無いので、そういったところも特別なおもしろさの一つだったと思う。伊東氏のパートになって、始めのところは、火坂氏に寄せた書き方から、最後の方は伊東氏色そのものの書き方になっていたと思うが、二人の共作として、見事に完成させたと思う。改めて、火坂氏の早逝は残念だったと思った。
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面白かった。 秀吉、家康、信玄などを呼んできて、北条側の視点からその時代を眺めると、新たな面白さがあった。
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火坂氏から受け継ぎ、完結。北条家最後の秀吉との攻防がいい。あっさりとしつこくなく、それでいて涙を誘う文章が素晴らしい。 『上に誰も頂かないからこそ、北条家だったのだ』
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火坂氏の遺稿を伊藤氏が引き継ぐ形で書き上げられた珍しい作品です。素人のわたしにもその文体の違いが分かる気がします。 関東の基盤を造った北条氏ですが、「(正)義」を理想に掲げ、地道に関東の統一を図る一方、小説後半の加速度的な環境変化(織田体制→豊臣体制)にはついて行かれず、歴史的な...
火坂氏の遺稿を伊藤氏が引き継ぐ形で書き上げられた珍しい作品です。素人のわたしにもその文体の違いが分かる気がします。 関東の基盤を造った北条氏ですが、「(正)義」を理想に掲げ、地道に関東の統一を図る一方、小説後半の加速度的な環境変化(織田体制→豊臣体制)にはついて行かれず、歴史的な役割は終焉。ただ、その理想やシステムは次の徳川体制に引継がれていったようにも思われます。 個人的には初代早雲から3代氏康の波乱万丈期が好きです。今年のNHK大河ドラマでも出てくるでしょう。
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面白かった。本当の義を貫いた北条。今までのイメージと違った。どれがホントかわからないけど。 火坂さんの後を引き継いだ伊東さんも凄いと思う。
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北条氏は関東を平定し、3代氏康が引退し、軍事に専念する形で、お館様は氏政へ承継。その頃、上杉謙信(長尾政虎から輝虎に改名)が北関東に侵入し、死闘が続く。武田信玄の応援も頼む中で、政虎との対決。この本では完全に政虎が自らの義を叫びつつ、民の苦しみを顧みない悪役である。真田昌幸、豊臣...
北条氏は関東を平定し、3代氏康が引退し、軍事に専念する形で、お館様は氏政へ承継。その頃、上杉謙信(長尾政虎から輝虎に改名)が北関東に侵入し、死闘が続く。武田信玄の応援も頼む中で、政虎との対決。この本では完全に政虎が自らの義を叫びつつ、民の苦しみを顧みない悪役である。真田昌幸、豊臣秀吉もまた。4代氏政、5代氏直と徐々に織田・豊臣の圧力が強まる中での武田・今川・上杉との同盟・対決の繰返しは目まぐるしく戦国の生残り戦には驚くばかり。4,5代の親子に至るまで、早雲・氏綱からの家訓として民の平和を掲げ、「小田原評定」の議論(4代氏政のこれまた優秀な弟たち氏照、氏邦、氏規たち)を通してもそれを貫き、最後は滅びていかざるを得なかった北条氏という爽やかなストーリー!下巻も火坂調が違和感なく伊藤に引き継がれていた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
後北条5代を描く歴史小説の下巻。 下巻は全編伊東さんの作品で氏康から氏政に主人公が移り、後半は氏直になります。 特に氏政の活躍と隠居、小田原合戦に至るまでの氏直の苦悩が良くわかりました。 何かと小田原評定で馬鹿にされやすい氏政、氏直親子ですが、北条視点からは物語が全く変わりますね。 氏政は隠居前後では別人のようになってしまったのがちょっと残念ですが、その最期は見事といえるかもしれません。 小田原合戦だけでも双方の群像劇にすれば長編歴史小説になりそうなので、端折った感は否めませんが結構勉強になりました。
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戦国時代を駆け抜けた北条家の五代にわたる栄枯盛衰を描いた作品。火坂雅志の志半ばとなった作品を伊東潤が感性させた。謎とされていた北条家の創設から五代氏直の時代までを、丁寧に分かりやすく描いている。物語としても面白く、五代の各当主のキャラクターも深掘りされていて現実感がある。ただ、ラ...
戦国時代を駆け抜けた北条家の五代にわたる栄枯盛衰を描いた作品。火坂雅志の志半ばとなった作品を伊東潤が感性させた。謎とされていた北条家の創設から五代氏直の時代までを、丁寧に分かりやすく描いている。物語としても面白く、五代の各当主のキャラクターも深掘りされていて現実感がある。ただ、ラスト数十ページの展開、頂点からの転落が、急展開すぎた感が否めない。
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最後の方は滅亡へまっしぐらのあらすじを読んでいるようで、北条早雲の野望や思いが失われていくのが残念だった。 物語の中での話だが、政略結婚で結ばれた二人がみんな心の通った夫婦になっているのが救いだ。
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氏康、氏政、氏直と北条滅亡までを描く下巻。宗瑞からの『祿壽應穩』であったり氏綱からの義守る事を第一とすべきか、家の存続かと苦悩する場面は特に印象的で読み応えがあった。
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