北条五代(上) の商品レビュー
伊勢宗瑞から始まる関東の雄、北条五代の物語。上巻は3代目のJソウル、じゃなくて氏康の途中までだけど、著者の火坂雅志氏が執筆途中で亡くなったため、終盤は伊東潤氏が筆を繋いでいる。で、これがやっぱり明確に違いがわかって、これはこれで面白く感じる。また、五代分を上下巻で描くため、物語の...
伊勢宗瑞から始まる関東の雄、北条五代の物語。上巻は3代目のJソウル、じゃなくて氏康の途中までだけど、著者の火坂雅志氏が執筆途中で亡くなったため、終盤は伊東潤氏が筆を繋いでいる。で、これがやっぱり明確に違いがわかって、これはこれで面白く感じる。また、五代分を上下巻で描くため、物語の展開は早足になるけど、その分テンポがいいと言える。各代でのキャラ付けも特徴を誇張していて、読みやすく仕上げられているから、初めて北条ものを読む方にもおすすめできると思う。
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火坂雅志氏の志を受け継ぎ、伊東潤氏が完成させた待望の一冊。 初代の伊勢新九郎盛時から二代の北条氏綱、三代の北条氏康まで。 初代のいわゆる北条早雲については、いろいろと小説になっていますが、氏綱、氏康まで、生き生きとその若武者ぶりが表現されていて、大変面白い。
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火坂雅志さんの未完の遺作を、伊東潤氏が引き継いだ作品。 早雲から氏綱、そして、氏康へと移り変わって行く。初代の意気込み。それを維持し超えんとする二代目、の葛藤。父を見、祖父を見、そして、己を見つめる三代目。北条氏の大河。良き。 「下」が、今年最後の読書となることだろう。良き締...
火坂雅志さんの未完の遺作を、伊東潤氏が引き継いだ作品。 早雲から氏綱、そして、氏康へと移り変わって行く。初代の意気込み。それを維持し超えんとする二代目、の葛藤。父を見、祖父を見、そして、己を見つめる三代目。北条氏の大河。良き。 「下」が、今年最後の読書となることだろう。良き締めである。
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北条早雲は、風雲児的な印象があるのですが、実は領民を大切にし、租税も軽減したことから、ほかの地からも移住者が相次いだと聞いたことがあります。 早雲以下、氏綱・氏康・氏政・氏直の五代をつづったものですが、下剋上の時代にありながら、一族が離反せずに当主を支え続けたのはすごいこと...
北条早雲は、風雲児的な印象があるのですが、実は領民を大切にし、租税も軽減したことから、ほかの地からも移住者が相次いだと聞いたことがあります。 早雲以下、氏綱・氏康・氏政・氏直の五代をつづったものですが、下剋上の時代にありながら、一族が離反せずに当主を支え続けたのはすごいことと思いました。早雲の遺志である「祿壽應穩」(“禄「財産」も寿「生命」もまさに穏やかなるべし”とのことで、”北条家が民の命と財産を保障する”)を堅実に守ったからなのでしょうか。また、早雲は「早雲寺殿廿一カ条」を、氏綱は5カ条からなる「遺訓」を残し、これがなかなか良いことを言い遺しています。 https://www.city.odawara.kanagawa.jp/kanko/hojo/p09809.html 伊東氏は、「三代・氏康までは火坂氏の意図を汲んで書き、四代・氏政~五代・氏直は火坂氏のメモも少ないため自分なりに書き上げた」と、巻末エッセイ・「衣鉢を継ぐ」に書いています。氏政・氏直の代は、信玄・謙信・信長・秀吉・家康などの時代に突入し、また伊東氏の思うように書けたこともあってか、ここはまさに圧巻。早雲の志と現実の勢力図との間での北条家が揺れ動く葛藤や緊迫した動きが、まるでその場にいるように描かれています。 小田原市は、「北条五代を大河ドラマに」の運動を起こしているようですが、小田原出身の社員の話によると、「資料が焼けて史実が少ないので、N◯Kが採用しないんですよ~」とか。本書をもとに、「北条五代を大河ドラマに」に一票投じたいと思いました。
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